8章の登場人物+α (3)


その (3) です。8-22 から 8-29 の「忘却の旅路 (5) - ゼロとアルハイム」まで。


< ダイチ洗脳編 8-22~8-29 >

・ゼイアー・マクイルLV11 …… 54歳。金櫛荘の支配人。まだまだ現役で、仕事はそつなくこなせるが、だいたいフロントにいる。部屋に戻ればいつも顔を合わせ、要望にも柔軟に対応してくれるので、ダイチはすっかり信用している。8章では黄金トーストのトッピングの特許取得のため、ダイチたちと共にギルドに赴いた。

・ヴァレンティン・ホッジャ …… マイアン領内で娼館を営んでいる人物。黒髪濃褐色目。やや垂れ目で、厚めの唇。頬にある大きなホクロからは2本の黒い毛が出ている。金入りはかなり良い。

実は昔はミージュリアの暗部組織“短剣”の運び屋をしていた。戦々恐々ながら、言われた通りに、ホッジャは金櫛荘でダイチと出会いを果たし、ダグニーの洗脳のための術を込めた魔力種スペルシードをダイチに植えこんだ。

■魅惑の君 …… 娼婦、とくに娼館所属の娼婦における最上級の地位ないし女性への誉め言葉。いわゆる花魁やクルチザンヌのようなもの。誘拐されたり殺害されることも多い。

■エリシー宮 …… ケプラにあるホッジャが営む娼館の1つ。高級娼館で、金入りのよい者たちがよく集まっている。

・レナックスLV12 …… 23歳。茶髪で好青年風。ケプラギルドの若い職員の一人。読み書きも出来れば計算も速く、喋りも悪くないので、職員から気に入られている。

・ウィノーナ …… ケプラギルドの女性職員。鑑定士で、古物や魔法道具マジック・アイテムの鑑定を行うベテラン。ダイチの銀勲章を鑑定し、“粗相のない坊ちゃん”だったので、ダイチたちが去ったあとはしばらく上機嫌だった。

※ハンナ・ミルダー …… ケプラ支部のギルドと契約を結んでいる結界魔導士。元聖神官セイントの隊員。

■アダマントアームズ商会 …… ドワーフ国ガシエントにある最大手の商会。本部が首都のロックスミスにある。

■ロックスミス、タジサンガス、ビアラット …… ガシエントにある都市。ロックスミスは首都、タジサンガスは2番目に大きい都市、ビアラットはオルフェから一番近い都市。ガシエントに訪れる際の要所として、オルフェの人々からはよく名を挙げられている。

※ダミアン …… ケプラのギルドで情報屋として活動している男。本人は情報屋でいたいらしいが、悪名轟くセルジュマー男爵を捕まえたこともあり、周囲は凄腕の傭兵として見ている。目つきが剣先のように鋭く、口数の少ない男。目が赤く、火魔法の手練れでもある。……どこかで聞いたことがある特徴だ。

※セルジュマー …… マイアン領内の古い貴族の1つ。現当主は子供の頃から悪事に手を染めていた悪漢として有名で、近頃は彼の貿易が上手くいく一方で、野盗に襲撃を受ける貿易商人と死が目立っていた。この陰謀は彼の死を早めることとなり、やがて彼はメイ・マーフィ血盟団とダミアンという情報屋により、正義の名の元に公開処刑された。

■メイ・マーフィ血盟団 …… ケプラにある攻略者の集団。ケプラ自警団を自称することもある。他の都市ならこのような言動は目に余り、処罰の対象ともなるが、狼藉は一切働かず、極悪人の商人だったセルジュマー家当主を捕縛した功績により、門番兵とは言い争いが起こりつつも、存在は黙認されている。メイ・マーフィとは血盟団のリーダーの嫁の名であるが、彼女は組織の結成の狼煙を上げたにすぎない。メイ・マーフィは、やり手の攻略者である夫と彼を慕い集う攻略者たちによって団の高まった名声により、収入が膨れ上がったのがただただ満足だった。あとは持参金を積み、どこかの名家に子供の誰かが婿入りなり嫁ぐなりしてくれれば100点満点だ。

・ダグニーLV37 …… 28歳。ダイチを精神操作していた謎の女性。ショートカットで目つきが悪い。よく言えばクールビューティ。

彼女の正体はミージュリアにて秘めやかに育成されていた“短剣”の元構成員であり、現在は魔法闘士ヘクサナイトないしオルフェの暗部。使役魔法と精神操作系の術に長け、他にも《魔力探知》や解析能力に優れる。アレクサンドラたちが聞いた《睡眠スリープ》を使えった魔導士は彼女。短髪なため男性と間違われていた。精神操作直後、ネロの眷属テュポーンにより死亡した。

※レイノルズ・ウジュー …… ランエリフトの外れにゴーアーズ革工房を構えている革職人。生来人嫌いであり、夜に製作をよくしている。天才と言われていたが、老いた。実はミージュリアの出身だが隠している。エルフの嫁がいたが、奴隷として売るべく賊に連れ去られている最中に抵抗したとされ、殺された。以来、弟子に仕事を任せ、レイノルズは死を待つばかりだったが、ガスパルンによりユリア王女が生きていることを知らされると、息を吹き返したかのように元気を取り戻した。

■ゴーアーズ革工房 …… レイノルズ・ウジューが親方を務める工房。鞄、手袋、巾着袋(財布)などの日用品の他、マント、ガントレット、馬具などの防具類も手掛ける。人は少ないが徒弟たちの腕は確か。

■ランエリフト …… ケプラの南部にあるエリクール子爵領の都市。ヴァレリア鉱石が採れなくなってからはなんてことのない都市になったが、平和ではあり、ゴーアーズ工房は有名。

※エリクール子爵 …… ケプラの南部に位置する小地域の領主。かつては病気で生死の境を彷徨っていたが、ヴァレリア鉱石の粉末を飲んで元気になった。

・ヤドジフLV39 …… 30歳。精神操作されたダイチをヤジルタの森まで護送した、変装が巧みな謎の男性。

正体は元“短剣”の構成員であり、オルフェの暗部。爽やか系イケメン。変装時は人情味に溢れ、明るく振舞うことも多いが、本来の性格は正反対で極めて冷静沈着。観察力に優れ、変装の名人でもある。子供の頃にスキンク(トカゲ)の皮剥ぎが上手かったことから、「スキンクピーラーのオシェム」と呼ばれることもあった。オシェムとは彼の”短剣”時代の名前。ネロの眷属テュポーンにより、同僚のダグニー、アンブロージィとともに死亡した。

・アンブロージィLV40 …… 31歳。ヤドジフと親し気に話をしていた謎の男性。

正体はヤドジフと同じくオルフェの暗部で、“短剣”の元構成員。平らな眉に高めの鼻、大きな目で愛嬌がある顔立ち。剣の他、体術や投擲にも優れ、目をつぶすのが得意戦術だったため「目つぶし師ドゥヴァ」と呼ばれた。ドゥヴァとは“短剣”時代の名前。社会に馴染んでからは、時折呼ばれるこのあだ名を内心では嫌っている。仲間たちが職を見つける中で、士官を嫌ったアンブロージィは釣りをしたり、彫り物に熱中したり、狩猟をしたりと、ぶらぶらしていた。ヘンジルータに訪れた際、石の的当て大会で優勝したのをヴィクトルに見られ、スカウトされたことがある。ダイチを精神操作する作戦中、テュポーンにより死亡した。

※トマーキィ …… ヤドジフやアンブロージィを育てた“短剣”たちの教官。現在は件の爆発により死んだとされる。

・ツァハリス・ダーク・イル・ミーゼンハイラム伯爵 …… 七影魔導士連を支える貴族の一人。長髪+巻き毛でダイチ曰く、ルネサンス貴族。七影の穏健派とされるが、裏では色々と公表のできない道理に反することを引き受ける代わりに盤石の地位を築いてきた。元ミージュリア特使。

この中にはミージュリアの暗部である“短剣”の育成支援と、アイブリンガー公爵の命の元に計画された七世王の暗殺計画があった。暗殺計画は水面下で順調に進み、ミージュリア内の反乱分子の一派も取り込むことに成功した。残すは気が熟すのを待つのみだったが……件の爆発により全てが水泡に帰した。以来、ミーゼンハイラムは元特使としてミージュリア人の生き残りを探す王命を受ける傍らで、“短剣”や計画関係者を探す日々を迎えることになる。それが、自分が王の暗殺計画の一味であることを王に知られるのを防ぐ唯一の術だったからだ。

アルハイムの不祥事と<タリーズの刃>の活躍は、新たな“短剣”の生き残りと目されし者――ダイチを見つけるキッカケとなった。しかしこれが彼の運命を決めることになった。精神操作は成功するものの、彼の命は七竜とダイチにゆだねられることになる。

・ウリッシュ・ガスパルンLV60 …… <七影魔導連>は魔法闘士の隊長。ミージュリア人。丸顔で禿げかかった白髪交じりの頭髪。好々爺風の人物だが、使役魔法と体術の達人であり、《消散バニッシュ》による自身の姿を消した暗躍術も得意。8章ではミーゼンハイラム伯爵や元“短剣”たちとともに生き残りと思しきダイチを精神操作した末、囚われの身となった。

蓬郷恒義とまごう・つねよし明海あけみ …… ダイチの実の父親と母親。岡山県笠岡市にてダイチを出産、以降死ぬまでダイチを育てた。

※田中英樹と由美 …… ダイチの義父と義母。蓬郷夫妻が死んだあと、ダイチを養子に引き受けた。いわゆる転勤族のサラリーマン一家であり、秀樹はやり手ではあったが家を顧みず、そのことは詭弁と道徳論によって正当化していた。専業主婦となった由美の方も誠実な秀樹に信頼を寄せ続けていたが、ダイチが自分の思うように育たないことにストレスを募らせていった。ダイチは秀樹が見ているのは「理想」であり、由美が見ているのは「世間」であることを看破し、やがてMMORPG内で「本当の家族」を作ろうとした。結局2人はダイチが胸に秘め続けていたこともあり、このありふれた、だが改善が必要だった家庭内事情の実情を知ることもなく、この世を去った。

■ノツナニーチ城 …… ミージュリア唯一となった都市グウェンドにある美しい城。10年前の爆発で瓦礫の山と化した。

・緑竜(ネロ) …… 八竜の1柱。亜人連合国家フーリアハットを主に守護している。人化すると緑髪緑目で天パの美青年。植物魔法と風魔法の大家で、状態異常の解呪に関しても右に出る者はないとされる。エルフたちの長い話に飽き飽きしていて簡潔明瞭な話を好むが、ネロ自身はとくに話が短いわけではない。躁鬱気味で、子供っぽい面がある。ダイチの精神操作を完璧に解呪するため、ダイチの前に姿を現した。眷属にテュポーンがいる。

・青竜(ルオ) …… 七竜の1柱。コロニオ公国および周辺海域を守護する。海の魔物はほとんどすべて青竜の支配下にある。人化すると長く美しい青髪を髪の先の方で緩くまとめた、青目の落ち着いた雰囲気の美青年。理知的な性格で、ネロとは違い問題は起こさなさそうな上、忠実そうな性格にはダイチは七竜ではまともな逸材として期待している。かつて混血の魚人族の娘と子供をつくったことがあり、血筋の者はジュージア島で巫女をしている。ネロとともにダイチの前に姿を現した。

・テュポーンLV70 …… ネロの眷属の1匹。植物のツタや茎に覆われた巨蛇ないしワーム型の魔物で、コブラのように頭部が大きくワニのような大きなアゴを持っている。地面から突然現れては“短剣”の構成員3人を食らった。

※ベルコヴァー伯爵 …… ミーゼンハイラムと強力していたミージュリアの貴族。

※バルツァーレク前執政官 …… ミーゼンハイラムと協力していたミージュリアの元執政官。

■ブラッドパース海 …… コロニオから東に行った海にある黒く変色した一帯。獰猛な海の魔物が跋扈していて、決して近づいてはいけないとされる海域。

※ユリア王女 …… ミージュリアの生き残りであり、フレデリカ女王の遺児。現在は七世王により、ガスパルンやミーゼンハイラムが庇護している。

※アルハイム男爵 …… オルフェの貴族の1人。王室に出入りするほどの男だったが、賊との繋がりを追求され、ゼロにジョーラ・ガンメルタの毒殺を指示したあと、アマリアに逃亡したとされる。ミーゼンハイラムによるムニーラの公的な私兵ではない奴隷兵説など、<タリーズの刃>との関連が疑われるが、真相は分からぬまま。

※ゼロLV46 …… ジョーラたちを襲った<タリーズの刃>の頭目。アトラク毒を塗った矢尻がジョーラにかすめたあとは逃亡した。実は“短剣”出身であり、“短剣”を出たあとは、アマリアのとある名家で暗部として活動を始めたとされる。(6章の幕間「鴉の仕事」にて登場)

■“短剣” …… 元ミージュリアの暗部組織であり、幼少時から戦闘訓練を行ってきた者たち、あるいは、ホムンクルスの体の一部を自身の体に強化した者たちの隠語的な呼称。訓練の過程を終えたとみなされた一部の者は他国との縁づくりのために貴族家に仕官した。

預言竜オブリビシの預言に従い、ミージュリアならびにサーンス王家の栄光のために設立された組織でもある。人体改造を知らない者は「魔女騎士ヘクサナイトの分派」などと呼び、預言のことを含め知っている者は、「開国者リクレイマー」「オブリビシの使徒」などと呼ぶ。

■タリーズの刃 …… かつてジョーラ部隊を襲撃した賊の一党。拷問の末、頭目にはゼロを据えていたことが判明。ただ、出身や所属は不明。ジルに精神操作されたミーゼンハイラムの推測によれば、ムニーラ仕込みの奴隷兵(バレないようにオルフェ人)なのではないかと目される。

■ミリュスベの腕輪 …… ネロがダイチに贈った銀色の腕輪。裏側には術式が刻まれている。状態異常と精神抵抗の抵抗値を50%も上げる神級法具アーティファクト

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