7-2 木材の村フィッタ (2) - 両家のしきたり


 薪割り場を少し行った先で、白壁の建物があった。

 2本の交差した斧の後ろに緑色の縦長の二等辺三角形を置いた旗が下がっている。結構大きな2階建ての建物で、旗が下がってるのと言い、ケプラのギルドの建物を彷彿とさせる外見がある。


 もっとも建物自体はシンプルで、ケプラのギルドほど様式然としているわけでもなく、ドアの前にはアーチなんかもない。代わりに石塀があるのだが、それがむしろ公共施設というより個人の邸宅といった趣を強めている。

 だが、フィッタの道々はメイホーと同じで土の地面だし、周りはこぞって茅葺き屋根のログハウスの建物だしで、だいぶ浮いていることには変わりない。


 門前の両サイドの石塀に、小さな球体を横に連ねて一周させた意匠のある球体が乗っかっているのが印象的といえば印象的だ。

 銀竜教の信者の村であるメイホーでは、石塀の上には六角形のモチーフが乗っかっていた。なので、察するに赤竜教を示す意匠なのではないかと思うが、俺の思うところではこの意匠はあまりジルないし赤竜に通じるものはない。六角形もあまりインに繋がりはしないけれども。


「これは何の建物ですか? ケプラのギルドにちょっと似ていますが」

「フィッタのギルドだよ。似ているのは当然さ。ギルドの建物は各地で様式を統一しているからね。まあ様式と言っても決まっているのは白い建物にして、その街の旗をつけて、七竜教の建築シンボルを門前に配置することくらいなんだけど」


 ふうん。やっぱこの球体は赤竜のアイコンか。


「ちなみにフィッタのギルドはベルガー家の別宅でもあるよ。もう少し奥にいったら本宅の屋敷があるんだ」


 別宅か。メイホーのギルドもとい役所が村長さんの家に隣接した小さな小屋だったのを見れば納得かな。フィッタもメイホーと同じくらいか多少広いくらいの面積の村だしね。


 ギルドを過ぎてみれば、ギルドの裏で子供がなにやら地面に顔をつきあわせていた。

 子供が着ているのはその辺の子供と同じ庶民服なので領主の息子とかではない気がするけど、何してるんだろう。虫の観察とか? そういやろくに虫見てないな。アトラクは蜘蛛の魔物だったよな確か。ワームや蜂の魔物もいるようだし、魔物に取り替わってたりするのかな。


 ギルドの向かいでは鍛冶屋があり、石作りの炉の前のテーブルで、額で折り返した布の帽子を被ったおじさんがハンマーを手に、手斧の刃をじっと見ていた。

 ずいぶん大きな踏みペダルのようなものが、炉の横にある。なんだろ。彼よりも若い鍛冶師が小屋から出てきて炉の中に薪をくべたあと、再び小屋の中に入った。


 しばらく鍛冶師のおじさんを見ていると、ウィンドウの情報が出てくる。

 ギュンターという名前でレベル18らしい。市民にしては結構レベルが高い。彼は小柄で、丸太を担ぐ男たちほどには逞しくはないので、剣使いとか機敏に動ける系の人なのかもしれない。案外弓とかな。


 村の入り口から奥へと続いている道は緩やかに右に向かっているのだが、やがて分かれ道に出くわした。

 分かれ道の通りは広い。広場にでもなっているのか、真ん中には囲炉裏のような焚火場所があり、周りには長椅子が囲うように置かれてある。テーブルもあり、数個のピッチャーが無造作に置かれてあった。


「私が何十年領主様を見てると思ってるんだ。あの人は隠し事が苦手な高潔なお人だ。お前さんには分からん!」


 数名の村人が顔をつき合わせてなにやら熱心に話をしているものらしい。青い布の帽子をかぶった白髪混じりのヒゲの男性が声高に意見を投げている。

 話の相手は伐採もやれそうな体つきのいい黒髪の若い男だ。そんなに長くはないが、襟足が三つ編みになっている。


「そりゃあんたの歳までフィッタにずっといりゃあ、領主様“通”にもなるだろうな。で、じゃあ、どうなるってんだ? あの愛人と子供は」

「そりゃあ、考えるまでもない。使用人として領主様の屋敷に住むことになるだろうさ」

「はあ……。ラフラ様が許さないだろ、それじゃあよ。第一ヨシュカ様もしっかり存命じゃねえか。俺は追い出されるに一票だ」

「ヨシュカ様に死んでくれっていうのか!? 」

「そんなこと言ってねえだろ……落ち着けよ」


 私は領主様には追い出せないと思うけどねぇ、とおじさんの隣にいるおばさんの意見。

 どうやら領主が愛人と子供をどうするかという話題らしい。


 ピンキリだろうが、庶民と比べると貴族の所持財産はインフレしてる印象がある。立派な英才教育をするのならともかく、食べ物の質も違うだろうし、養育費もそんなにかかるようには思えない。使用人ならなおさらだろう。

 貴族には世間体や世継ぎのこともあるだろうけど、そういうことを抜きにすると、養育面はさほど問題がないように思える。そうだとしたら彼の言うように、女性陣のご機嫌次第とやらに行きつきそうではある。母親の愛情ないし母性というものは果てがないように見えて実はしっかりと有限だ。


 分かれ道を折れずに進んだ先に、赤斧休憩所があるらしい。

 ベルナートさんとベイアーに続いてもうすぐで広場を通り過ぎようといったところで、若い女性の一人、というより少女から、「あなたたちちょっと待って!」という呼び声。


 俺たちか? ちらりと後ろを見るが、俺たち以外にとくに人はいない。


 軽く駆けてきた女性は中高校生くらいの子のようだ。跳ね気味の栗色の髪含め、子供らしい明朗さがありながらも利発そうでもあるそばかす少女だ。

 もちろん俺は知り合いではないのでみんなのことを見るが、眉をあげたり小首をかしげたりして、誰も彼女のことは知らない様子だ。広場の話し合いも止まり、広場にいる彼らも俺たちのことを目に留めてくる。


「……あなたたち北部駐屯地から?」


 女の子はいくらか不安げに俺たちの顔ぶれに目線を泳がせてくる。

 俺たちの誰を見て不安になったんだろうという素朴な疑問。そんなに人相悪くないけど、ベイアー辺りか? ヒゲもっさりだし、圧もあるからなぁ……。


 答えようとしたところで、ベルナートさんがそうだよ、と先に答える。


「意外とすごいのね……」


 と、少女は俺やインを見てそうこぼした。彼女の表情には不安はなくなり、驚きがある。


 すっかり忘れていたが、俺もインも鉄の鎧はまだ脱いでいないし、姉妹も革の装備をつけたままだ。武器も携帯している。

 なるほどと思う。確かに自分と同年代もしくは年下の子が兵士として戦っているのは驚かれるポイントだな。インに至っては鎧こそつけているが、中学生にいってるかいってないかの背丈だし。


「ねえ、もしよかったらなんだけど……少しお話しない? 私、ダークエルフって初めて見たの。ずっと喋ってみたいなって思ってて……」

「おい、アルルナ」


 俯き加減にそうお願いする彼女の興味はディアラとヘルミラにあったようだ。少女はアルルナと言うらしい。突拍子もないお願いではあるが、かなり勇気はいったものだろう。

 顔立ちに関しては分からないが、二人とも黒髪だし、さきほど口論していた男は彼女の身内だろうか?


「悪いな、兵士さんたち。いや、攻略者か? 引き止めちまってよ」

「いや、構わないよ」


 ため息をついた口論男にそう答えつつ、ベルナートさんが「どうする?」と含みのある眼差しを送ってくる。俺は時間が押しているわけでもなし、とくに悪いものはない。村人の少女がダークエルフに興味があるってだけだしね。

 基本的に俺たちの意志に任せて同行者然としているベイアーやアレクサンドラをはじめ、インも似たようなものだ。姉妹も悪いものはないんだが、ちょっと戸惑った様子を見せていた。


「話したいってさ」

「はい……」


 姉妹の俺にうかがうような眼差しに、そういう反応にもなるかと納得する。俺も主人一行の従者とかだったら、自分のせいで歩みが止まってしまったこのような状態は少々申し訳なくなるように思う。

 とはいえ、ダークエルフに好意的なアルルナという少女――ちょっとニーナちゃんを思い出した少女の話しかけた勇気をないがしらにする気持ちもまた特にない。


 まあ、ちょっと話したところで姉妹も別に悪い気分にはならないだろう。


「じゃあ、少しだけね」

「ほんと??」


 アルルナは俺にそう言いつつも、ベルナートさんやベイアーの方に視線を寄せた。確かにこの中で主人ないしリーダーは俺にはならないよな。


「ダイチ君がそう言うなら。別に急ぎでもないしね」


 そうベルナートさんが気さくに言うと、アルルナは顔を綻ばせて、「座って座って」と俺や姉妹を広場の長椅子に座るよう促した。アルルナはディアラとヘルミラを隣に座るように促した。


「本当に耳長いんだね」


 座ってすぐにアルルナが興味深そうに二人の長い耳を注視する。


「あ、はい。でも構造は人族の方と同じですよ」

「へえぇ……触ってみてもいい?」

「あ、触るのはちょっと」


 ディアラがさっと耳を軽く両手で覆った。アルルナは手をあげかけていたが、その様子にピタリと止めて、慌てて膝の上に置いた。


「あっ。ごめんね?」

「いえ」


 うんうん。耳に興味がいく気持ちは分かるぞ。


「悪いなあ。アルルナはこういう奴でな」

「子供のうちは元気なのが一番ですよ」


 口論男がちょっと怪訝な顔をする。あ、しまった。つい。


「ま、座ってくれよ」


 広場の長椅子に俺たちは適当に座った。長椅子は結構な数があり、俺たち一行と彼らを合わせても、椅子を埋めるには足りない。

 村の人を集めての会議とか祭りとかはここでするのかもしれない。


「北部駐屯地から来たんだってな? ということは警戒戦に参加したのか?」

「ええ。今日はもう終わったので、フィッタの宿に泊まりにきました」

「なるほど。……っと、俺はダゴバートっていうんだ。ここの警備兵をやってる。あ、ベルガー伯爵の方じゃないぞ? 七影のホイツフェラー家の方だ!」


 ダゴバードは胸を手でドンと叩いて誇るようにそう言った。七影が育ててるってことだろうか?


「なるほど。道理で普通の警備兵と違うわけだね」


 というベルナートさんの言葉に、ダゴバートは「だろう?」と鼻を高くする。違いあるんだ。今は武器とか持ってないようだけど。休憩時間かな?


「で、さっきも言ったけど、こいつはアルルナ。俺の妹だ。……で、こっちが妻のグンドゥラだ」


 ダゴバードの隣から控えめに顔を出して、グンドゥラは軽く頭を下げた。

 小顔で目鼻立ちが整っているしで、なかなかの美人だが、幸薄系な感じの人だ。というか、年齢的にダゴバートが若く見える。


「グンドゥラさんの方が年上ですか?」

「おう。まあな」

「ダゴ兄さんは昔からグンドゥラさんのこと気にかけてたんだよね」


 気恥ずかしいのか少しそっけなく俺に同意したダゴバードだったが、妹の言葉には「うるせえよ」と乱暴に言葉を投げた。

 一方のグンドゥラの方はまんざらでない微笑を浮かべている。割とお似合い夫婦のように見えるが……気にかけてたとか言うあたり、同性にいじめられたこととかありそうだ。……いじめってあんのか? いやまあ、ありはするだろうけど。


「そっちのうるさいおっさんはベノ、隣はコンスタンツェおばさん、その横はウィンフリートだ」


 各々と目を合わせて軽く挨拶しあう。


「うるさいは余計だ」

「事実じゃねえか」


 ベノさんは眉をしかめながら、ため息をついた。仲がいいんだか悪いんだかってやつかね。


 ベノさんは白髪交じりの長めの無精ひげをはじめ、服の裾が伸びきっていたり、とくに仕事服といった感じでないのに服には染みがあったりでちょっと垢抜けない人なのだが、ダゴバートと口論していたように眼光は鋭く、意思瞭然としたものが顔にはある。

 コンスタンツェさんは性格の良さそうなやや小太りのおばさんで、ウィンフリートは商売でもやってるのか、俺ほどの体格で、兵士の類には見えない知的な雰囲気の青年だ。


 遅れてウインドウが出てきた。

 ベノさんは商人、ウィンフリートは商人見習い、コンスタンツェさんは亜麻織工とのこと。商人って言っても色々あると思うんだが……ベノさんは58歳の年齢的に、小ぶりな商売をしてるってところか。この村は力仕事多そうだし、とくに若い方が職にありつけそうだしなぁ。


 俺たちの方も軽く自己紹介する。いつもとは違って駐屯地へ救援にきた攻略者といえばいいので楽だった。

 ちなみにインの「だの言葉」には、彼らはこれといった反応を見せなかったが、グンドゥラは微笑していたので、ちょっとうけたものらしい。確かにかなりざっくり言うならインはダゴバート系統ではあるように思う。


「それにしてもよ。そっちの3人が警戒戦に行ってたってのは分かるんだが、ダークエルフの2人もまあいいとしてよ、……君らも参加してたんだよな?」


 そっちの3人はベルナートさん、アレクサンドラ、ベイアーのことで、「君ら」というのは考えるまでもなく俺とインのことだ。内心苦笑しつつも、してましたよ、と頷く。

 ダゴバートは、ふうん、と腕を組んで俺のことをじろじろ見だした。彼の言動がストレートなのはすぐに分かったが、あまりそういうのはよくないと思うぞ? まあ、気持ちは分かるけどさ。


 インが大きなため息をついた。そうして細い腕をあげて、魔法陣を3つ出した。インはこらえられなかったものらしい。


「私は一流の魔導士だぞ。ダイチもな。ダイチ、この愚か者に《魔力弾マジックショット》でも見せてやれ」


 愚か者ね。インはそう言う割に、少し得意げに見える。水戸黄門の紋所ならぬトリプル魔法陣の見せびらかしがすっかり板についたものらしい。ロウテック隊長はべた褒めしてたしな。

 それにしても昨日は俺の力量に関して、ベルナートさんとアレクサンドラに「アレクサンドラに辛勝した」ことにしたばかりなんだけど。


 インの作った魔法陣の凄さを分かってるのか分からないがぽかんと見ている5人に、もう俺がしなくてもよくないか、と思いつつ、手のひらに短い剣を作った。地面にも軽くザクザク刺した。


「あ……いや……怒らせちまったか? すまん! あまり魔法の方は詳しくなくてな」


 一転して慌てて謝るダゴバートに、インが「分かればよい」とうんうん頷いて、魔法陣を消した。

 ベルナートさんが苦笑していた。ベルナートさんが俺に気付く。


「君たちの旅路の難儀さがよく分かった気がするよ」


 毎度のこととはいえ、やれやれだ。アレクサンドラとベイアーも苦い顔をしていた。


「どうしましょうかね。そろそろ本気で考えないといけないかも」


 今回は戦いに参戦するにせよ、鎧を着るにせよ、年齢的に若すぎるあるいは肉体的に心もとなさすぎるということでこういう誤解を生んでるんだろうけど、どうしたらいいかなぁ。体つきはどうしようもならないし、なんか高そうな服でも着とくか~? というか、俺そんなに覇気とかないんだろうか……。アメリカに渡るプロ野球選手じゃないが、筋トレでも始めるか?


 ダゴバートがまだ申し訳なさそうにしていたので、「まあ、あまり見た目で判断しない方がいいかもね」と返す。「肝に免じる!」とずいぶん実の入った言葉を返された。背筋も伸びている。ベノさんが、お前の悪いところだな、とやり返しとばかりに鼻で笑った。


 ダゴバートはトーク力あるっぽいし、ひっこんでもらうと少し場が困りそうなので話題を投げることにする。


「そういえば、さっきは領主様とか愛人とか言ってましたが」

「ん? ああ、いやな。なんか朝方に女と子供が伯爵の家にやってきてな。連れてきた子供が伯爵の子供だって言うんだ。伯爵はちょっとケプラに出てたし、衛兵はつっぱねてたんだが、そのうちラフラ様とぱったり出くわしちまってなぁ……。ラフラ様はその女を連れてギルドの方に一緒に入っていったんだ」

「私はちょっと見ただけだが、子供は幼い頃のヨシュカ様にそっくりだったな」

「私も見たけど、髪の色と目の色以外はほんとそっくりだったわ」


 ベノさんとコンスタンツェさんが頷き合う。顔が似てしまっていたら言い逃れは難しいな。

 アルルナはこの話にあまり興味がないようで、声は落としていたが、姉妹のダークエルフの里がどこにあるのかと姉妹に質問し始めた。ヘルミラと目が合ったので、話し相手を頼むよといった意で眉をあげておいたら、頷かれる。


「ラフラ様って伯爵夫人ですよね」

「そうそう。結構嫉妬深いお人でなぁ……。今ほどギルドに入りたくない時間もねえな……。それでよ。さっき伯爵も帰ってきたところなんだがな。たぶん女のことを聞いたんだろうな、難しい顔してたんだ。な、ウィン?」

「そうだね。あれはちょっと……大変なことになりそうだった」

「だよなぁ。来た女はグンドゥラみたいないい女だったし」

「気も強そうだったね」

「だな~」


 ちらりとグンドゥラを見てみれば、半ば俯いて恥ずかしそうにしていた。


「血は争えんというやつだな。アレクシア様も若い頃は女の使用人をいじめてたもんだしな」

「え、嘘だろ? アレクシア様は慈悲深いお人だったじゃねえか」

「若い頃だと言っとるだろ。先代領主様と少し話してるところを見かけると、問い詰めてたらしいぞ。先代領主様と和やかに話してた日には鞭叩きしてたと聞いたな」

「マジかよ。ベノさんなんでそんなこと知ってんだよ」


 ベノさんが軽く息をついた。


「私より若いのにもうボケたのか? 私が駐屯地でラッパ吹きをやっとった前にベルガー家の公示人やっとったことを忘れたのか。まあ、そんなに長いことはやっとらんかったが……」


 そうだったそうだった、とダゴバートが苦笑する。ラッパ吹きに公示人ね。ロウテック隊長は号令で土魔法を使ってたものだけどあれは特別かな。


「そのうちホイツフェラー家の人たちに影響を受けて先代当主様の性格が明るくなった頃には、アレクシア様の嫉妬深い気質も収まっていったのよね」

「うむ。幼い頃は疑り深いところのあるベルガー家の者が、磊落なホイツフェラー家と付き合うにつれて快活な人柄になる。腕っぷしはあるが無鉄砲なホイツフェラー家が、ベルガー家の利発さに影響を受けていって段々と賢くなる。長らく続いとる両家のしきたりみたいなもんだな」


 二人の話にダゴバートとウィンフリートがうんうん頷いた。


 フィッタの領主とホイツフェラー家は代々刺激を受け合っているものらしい。いい話のようにも聞こえるが、愛人と子供がどうなるのかも気になるところだ。

 ……というかあれか。いわゆるざっくり言って陰キャ気質のベルガー家は、陽キャ気質のホイツフェラー家の人たちに触発されて浮気に手を出しちゃった感じじゃないか? いやまぁ、陰キャでも浮気はするか。

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