3-23 賑やかなメイホーで
ん……。
「――こ、こうか?」
「――うむ。よい塩梅だの」
硬めの枕が俺の頭の下に添えられる。弾力はあるようだが……。耳がつぶれたので、少しずれる。ちょうど溝に耳がきて自由になり、いい感じになった。
なんかちょっと前にも経験したような……懐かしい感じ。
「――悪くないな……。そ、そんな顔で見るな! ほんとにこれがダイチの国では普通の起こし方なのか??」
「――う、うむ。ダイチがそう言っておったからの」
うるさいなー……。
枕を抱き寄せるとすっぽりと顔を覆ってしまった。ちょっと硬いし高いが……温かい……。
「――っ! ……寝てる時は子供にでも戻ったようだな」
「――そうだのう」
……そうだ“のう”? インじゃないか。ああ、俺今ファンタジーな世界いるんだった。オルフェという国のメイホー村だ。隣町のケプラにも行った。うん、覚えてる。
目を開けると、へそ……腹があった。
腹。
肌は褐色で、下にはズボンがある。
褐色? インじゃない。
おそるおそる目線をあげると、ジョーラがいた。結わえられた、櫛の通らないようなくりんくりんした特徴的な赤い髪が首元から垂れている。
ジョーラはずいぶん母性的な眼差しをしていたようだが、俺と視線がかち合うと、表情を固めた。俺も一気に目が覚める。
横にはインもいる。だが、油が切れた機械のように視線を逸らされた。また変なことしたな?
視線をジョーラに戻すと、褐色なのに分かるほど鼻や頬が赤く染まっている。
「……おはよう」
言い終わるや否や、頭の下にあった膝がなくなってしまい、ベッドに頭を打ち付けられた。痛くはないが、もっと優しく。
「お、おはよう! べ、別に変なことをしていたわけではないぞ? ダイチの故郷ではこれが当たり前の起こし方とインが言ってたからであっ、あってだな」
落ち着け。……当たり前?? なわけないだろ~~。
ジョーラはスポーツウェアとかである、いわゆるへそ出しトップスのようなものを着ている。妙に現代チックだ。訓練着とかか?
机の前では、例によってディアラとヘルミラがこちら向きで仲良く座っている。二人にも軽く目線を逸らされる。耳が少し垂れている辺り、若干恥ずかしさがあるらしい。
ジョーラに憧れている君らじゃ止めようにも止めれないよね。そこまで感触を堪能できたわけじゃないが、まあ……いい体験でした。
>称号「膝枕をされるのが得意」を獲得しました。
はい。そこだけは主人公をしてるようです。ちょっと古い気もするけどね。
「落ち着いて。別に膝枕は当たり前ではないから」
「そ、そうなのか……?」
耳がしゅーんと垂れた。残念なのか?
「うんまぁ……当たり前ではないけど、愛人とか仲いい恋人とか夫婦とかがするっていうか……」
俺の歯切れの悪い言葉を聞くと、ジョーラは姉妹と同じように恥ずかしがりながら俯いたが、何やら思い出したようでインを軽く睨む。
インは完全に後ろを向いてしまい、どこ吹く風だ。全くこの母ちゃんは。どこから仕入れてんだよそういう情報。
「す、すまないな。変な起こし方をして」
「いや、別にいいよ。気持ちよかったし、安心するしで」
さすが七星の大剣というか、腹も膝も筋肉質でだいぶ硬かったようだけどね。
「……そうなのか? なら良かった」
まだ少し恥ずかしそうだったが、健気に微笑んでくるジョーラ。
外見的には20代なんだが……これが中身45歳の反応だと考えると、可愛すぎやしないか。からかいたくもなるから困る。
「失礼します! ダイチ殿起きておりますか?」
気恥ずかしさ漂う空間に、ノック音とともに馴染みある雄々しい声が外からかかる。
言葉が堅苦しいが、アリオだ。ノックするとか成長したらしいが、アリオに朝会うのもう3回目だぞ。俺が朝遅いのもあるんだろうけど……。
「起きてますよ。どうぞ」
「はっ!」
なんか堅いな。
アリオには似つかわしくない感じで、丁重にドアが開かれる。と同時に胸に手を当てて敬礼するアリオ。
「おはようございます! ジョーラ殿、下でハリィ殿がお待ちです」
「ああ、すまんな。ダイチも起きたし、すぐに行くと伝えてくれ」
「はっ!」
アリオはもう一度敬礼すると、静かに扉を閉めて去っていく。
どういうこと? ……ああ、昨夜は詰め所で泊るって話だっけね。国が誇る七星の大剣と辺鄙な村の一警備兵じゃ、やり取りはこうなるよな。
「アリオにはジョーラのこと伝えたんだ?」
「いやな、警備隊長以外には知らせるつもりはなかったんだが、奴は私の顔を知っていてな。別についてこなくてもいいとは言ったんだが……ついでにダイチのことも知ってるって言うものでな。知り合いかい?」
「友達みたいなものかな。な、イン?」
「そうだのう。ちとこうるさい奴だが、悪い奴ではない」
笑みを浮かべるジョーラ。
「あまり私の名前を呼ぶなと言っておかないとな。一応ここではジョルデとして通すと言ってはあったんだが」
「うーん……。その点に関しては人選間違えたかもね」
アリオは隠し事とかあまりできないタイプなんじゃないかと俺は思う。
「そうかもしれないな」
ジョーラはくすりと笑った後、立ち上がり、じゃあ先に降りてるから適当に下に来てくれ、と言う。
「稽古のこと?」
「いや、稽古もするが、そろそろハリィが王都に向けて出るんだ。出発の前に話をしておきたいんだとさ」
「また戻ってくるんでしょ?」
「まあな。ま、律儀な奴だし、ディディたちも残るから、よろしく頼むとか言いたいんだろうさ」
なるほどね。
ジョーラがドアに手をかけたところで振り返る。
「そういえばダイチ、もう少し早く起きた方がいいぞ。まぁ別に悪いことではないんだが。あたしも朝は特別強いわけでもないしな」
そう言われて、何時だろうかと思う。日はだいぶ上っている。時計がないのでなんとも言えないが……。おそるおそる聞いてみる。
「何時頃か分かる?」
「んー……昼にはまだなってないな。11時ごろじゃないか?」
ジョーラからも聞いて、改めて愕然とした。そうだよなぁ……。愕然としたのは、リアルで休日を寝休日にしたあの後悔と似た内容ではあるのだが……昨日何時に寝たんだろうな。0時か1時くらいだと思ってるが。
でもここまで寝てしまった心当たりはあるので、多少安心する。
「朝は苦手なんだ」
「そうらしいな。ま、ダークエルフでも寝れる内は元気な証拠って言うけどな」
ジョーラが下に行った後、俺は着替えつつなにげなくインの肩を叩いたあと「起きるの遅いのはやっぱり昨夜のことが原因?」と念話で訊ねてみる。
『《
やはりというか、だいたい考えていた回答だ。
部屋を出ようとすると、ヘルミラから寝癖を指摘される。
触ってみると確かに立っていた。こんな分かりやすい寝癖なんて何年振りだろう。中高生の頃はよく立ってたけど。
「ご主人様、座ってください。寝癖直しますから」
なんか……ヘルミラはちょっとだが、ぷりぷりしている感じがある。一方のディアラはそうでもないが、こちらを見ていて、いつでも手伝えそうなモードだ。最近二人の性格がよく出てきてるな。
座っていると、頭に手がかざされ、小さな青い魔法陣が出てくる。ずいぶん色味が薄い。
「《
「はい。《水射》を最小限の出力で霧状にしています」
器用だと言うと、「そんなことはないですよ。お姉ちゃんにもよくやってます」とのこと。色々と便利だな、《水射》。ちなみにこれは、ごく簡単な応用術式の一つだそうだ。
そのまま、ヘルミラは今度は櫛で梳き始める。
「俺が寝てる間、暇じゃなかった?」
聞けば、ディアラとヘルミラの二人はちょっと山に入っていたそうで――俺がかつてダウンしていた辺りらしい。あの辺りは道路のすぐ傍で、狼の森からも離れていて危険性はほとんどないが、一応インが防御魔法を付与していたのだとか――テーブルの上には実が入った瓶が置いてあった。
ソラマメくらいの大きさの薄緑の実だ。
ディアラが是非一つ食べてみてくれと言うので、口にしてみると、栗のような味わいだった。まんま「チェスナ」というらしい。
最初は薬草を探していたのだが、里ではあまり取れなかった美味しい実なので、つい集めてしまったらしい。携帯できるおやつ類は欲しかったところなので褒めると、二人とも耳をピコピコさせた。今日は朝から可愛いものばかり見てる。
◇
「ジョーラさんはここでは“ジョルデ”として通すので。くれぐれもそれ以外で呼ばないように」
「はっ」
「敬礼もしなくていいですよ。勘付かれるので」
「は、はい……了解致しました」
階下に降りて、ジョーラたちを確認すると、遅い朝食か早い昼食を取りに来ている客で多少騒がしい空間の中、そんな会話が《聞き耳》スキルにより鮮明に耳に入ってくる。
「ダイチさんたちにもです。彼らは我々の恩人ですが、我々のせいで騒がれて目立ちたくないとのことですから。普段の調子……友人の調子で話しかけるように。いいですね?」
「了解です」
さすがハリィ君抜かりないな。彼らの席に向かう。
「おはようございます、ダイチさんに皆さん。すみません、起こしてしまったようで」
「いや、いい経験したから構わないよ」
「いい経験?」
ハリィ君が不思議な顔をする。ジョーラに目線をやると、照れくさそうに逸らされた。ふっふっふ。
横のテーブルも取っているようで、薦められる。ほんと有能。その有能っぷりでいくらかバレない? メイホーの人、田舎の村人らしく結構適当な感じだよ?
「もうメイホーを出るのかい?」
「はい。部隊の者や七星の方々にジョーラさんの毒が治ったことを伝えに行ってきます。今回は本当にありがとうございました」
ハリィ君からペコリと軽く頭を下げられる。気にしないで、と言いかけて、昨夜のことを踏まえてちょっと助けたレベルではないので「いえいえ」に留める。
「ジョーラの経過は良好?」
「問題ないようです」
「ああ、全く元気さ。作ってもらった夜露草の甘い汁も美味いもんだよ」
「薬なんですから、朝食後と夕食後以外は飲みすぎないようにしてくださいね」
ジョーラが分かってるよと口を尖らせる。
この分だと1回か2回か別口で飲んだな。リンゴの果汁、蜂蜜、ヤギの乳ベースの青汁でそんなにクオリティ高くなかったけど……ま、良かった。作り方も分かっているから、仮に飲みすぎてなくなっても問題はないだろう。
ちなみに汁にしなかった夜露草は、持ち帰るそうだ。魔力が枯渇した夜露草は万能薬としての効力はほとんどないらしいのだが、そもそもモノが貴重なので、王都の研究機関で調べるらしい。
ニーアちゃんがやってきた。
「おはようございます、お寝坊さんのダイチさん!」
否定できないので、はい、お寝坊さんですと返すと笑いが起こる。
>称号「お寝坊さん」を獲得しました。
いまさらだが、称号システム絶対楽しんでるよな。妙に人間味ある感じだし、AIでも搭載してるのか? 俺も楽しんでるからいいけどさ~。アルバムというかちょっとした日誌みたいなんだよな、これ。
「ぎりぎり朝食はまだ出せますけど、何か食べますか?」
「じゃあ、軽いもの……パンとスープある?」
「ありますよ~。黒パンと、モール豆と豚肉のスープですけどいいですか?」
モール豆? 肉か~。いつものことだし、まあいいか。ここでの俺は若いし、いまだに胃腸は健康のようだし。
「うん、大丈夫。あ、あと
「は~い! 皆さん……は食べましたよね、アリオさんは?」
「私はいいよ。晩飯には来るかもしれないが」
お客さんに呼ばれてニーアちゃんが去っていく。
他に誰も頼まないのでいまさら気付いたんだが、俺たちのついている二つのテーブルには食事が一品もない。ハリィ君は飲み物を頼んでるようだが……なんか恥ずかしい。イン、旺盛な食欲はどうした。
「また引き返しにきますが、到着は早くて明日の朝になります。残る部隊の三名にはいらぬ世話はかけないようにとは言ってありますが、ジョーラさん含めよろしくお願いします」
「お前はあたしらの親か」
ジョーラが苦笑する。そういうつもりはないのですが、とハリィ君もまた苦笑する。いや、あながち間違ってない。金のやりくりとか家事面とか色々。たぶん。
「ディディたちは?」
「厩舎で待たせています。あまりぞろぞろと来るのもあれですからね」
まあね。見送りかな?
「あと、ハムラは時々山に入ってると思いますので、用事などがあるのでしたら見かけた時に申し付けてください」
「採集でもするの?」
「ええ、この辺は魔物が弱いし薬草が豊富だ、聖地だとかで……植物の研究ばかりで仕方のない奴ですが、今回ばかりは強くも言えずに」
結果的には俺が救ったが、一番の功労者だもんね。作戦の立案して、魔力枯渇状態に陥りまくって、エーテル飲みまくって、魔力を使いすぎ水分を取りすぎた結果トイレ行きまくってたハムラを自由にさせないのはなかなか酷だ。
「暇なときにディアラたちも一緒したらどう? ハムラは色々詳しいようだし参考になるかもよ?」
「ご主人様がよろしいならご一緒しますが……私はどちらかというと稽古の方が」
「ああ、ディアラはそうだよね。まあ、その時考えようか。レベル上げもあるし、時間もあるしね。ヘルミラもそれでいい?」
「はい」
ハリィ君がレベル上げとは訊ねてくる。もしやレベル上げの概念がない? と考えるが、ディアラたちが知っていてハリィ君が知らないということはないだろう。
「ちょっと森の狼を狩ろうかと思って」
「ああ、なるほど……。こちらに戻った後でいいのですが、もしよろしければお手伝いさせてください」
え、なんで?
「別にいいけど……」
「ダイチさんの実力を傍で見たいですからね」
ハリィ君がそう微笑む。あー……。
「ガルソンさんのところで見たんじゃ?」
「あれは……私には少々速すぎて。動きがほとんど見えてません。剣を抜く前に思考停止に陥ってしまいましたし……」
「対処速かったもんなぁ。久々に人間相手に慌てたよ、あたしは」
ジョーラが腕を組んで頷く。そのまま俺を見て、「化け物か、ってね」とほくそ笑んだ。いや……化け物扱いは嫌なんだけど。
「裏でやったっていうジョーラさんとの組み手、見たかったですよ? お二人の組み手ほど見たかった試合もありません」
「そう?」
「ですです」
目を輝かせて頷くハリィ君。久しぶりにというか、初めてというか、ハリィ君の童顔ジャニーズ系の顔立ちらしい言動に、なんだか若い社員に懐かれてる心地になってくる。
人懐っこい若い社員は結構いた。ただこういった社員は、割と皆早いうちに離職するのもまた常だった。先輩社員も感じていたものだが、なんでかねぇ。理由はまあ、聞く限りでは、取捨選択の意識切り替えの早い今時の若者らしい理由だったんだけど。
「まあいつでも見れるだろうて。ジョーラはしばらくおるようだしの」
「そうですね。鈍ってるし、私も手ほどきしてもらおうかな……」
「はは、最近は雑務と指揮ばっかりだったしな。ちょうどいいんじゃないか」
ハリィ君が神妙に頷く。回避しかできないし、ハードルあげるのやめてな?
「さて。じゃあ、私はそろそろ行くとしますね」
「あたしも見送ってくるよ。またすぐ来るから待っててくれな」
俺たちの「またね」や「お気をつけて」、ニーアちゃんの「また来てくださいね~!」を受けて、ジョーラとハリィ君が去っていく。もっと喋るだろうに、上官? 憧れの騎士の二人がいるせいか全く喋らなかったアリオも続いた。
間もなくして、料理が運ばれてきた。
モール豆と豚肉のスープは赤いスープだった。真っ赤な汁の中に、肉と野菜が顔を出している。
狼肉のシチューも赤かったし、この辺では赤いのが定番なんだろうかと疑問を持ったが、豆と豚と、そして玉ねぎなどの混じった香ばしい匂いがすぐにも鼻腔をくすぐり、その疑問を隅の方に追いやろうとしてくる。この赤さで全く辛くないのだから不思議だ。
「二人はこのスープが何で赤いのかわかる?」
「パプリカ粉だと思います」
パプリカ! 道理で。
「パプリカって粉にするの?」
「はい。パプリカは私たちの里ではあまり使われていなかった野菜ですが、オルフェではよく使われるようですよ」
そういえば狼肉のシチューも、味こそ疑似ハヤシライスではあったんだけど、パプリカが入っていた。ケプラのエリドン食堂で食べた料理にもパプリカ入ってたし、多いな、パプリカ。
なるほど、でもだから辛くないのか。インドネシアにはターメリックを入れたソトアヤムという黄色いスープもあったし、料理にも色々あるんだな。ティアン・メグリンドがそうだったように、錬金術師が料理を気にするのも道理かもしれない。素材と工夫次第で色んなものに化けるからね。
スープには、モール豆らしき白っぽい豆、豚肉、玉ねぎ、そしてニンジン。シチューの時もそうだったが、ニンジンはカレーに入れるサイズよりも大きいのがゴロっと入っている。
かじりつくことになりそうでなかなかインパクトがあるが、シチューと同じくしっかり味は染みこんでいるのだろう。
「美味い……」
色素がパプリカ由来なら当然なのだが、真っ赤な割りには相変わらず辛くなく、ただただ野菜と肉の子供にも好かれそうなまろやかな味わいが、舌鼓を打たせる。このまろやかな甘みはパプリカ由来か。
狼肉のシチューは甘さの代わりに肉の旨味が強く、ご飯が欲しくなったけど、こっちはパンが欲しくなる。
黒パンをちぎってスープに浸して口に入れる。うん、美味い美味い。大きめのスプーンで豚肉をよそう。……美味いな、豚肉。
「美味しそうですね」
と、ニコニコしてヘルミラ。
「だって美味いんだもん」
ちなみにモール豆は、グリーンピースほど甘味があるというわけでもなく、「うん豆だな」という感じでよく分からない。スープの味に豆本来の味が消えている感じもしなくもない。でも主張が少ないからこそ相性がいいのかもしれない。この手の豆は栄養価も高いだろうしね。
>称号「美食家」を獲得しました。
「むう……ニーア!! 私も食べるぞ!!」
「え? あ、はい! お父さん~お願い~!」
「はいよっ」
ヘイアンさんが裏に行くのを横目に、たっぷりスープが染みこんだ黒パンを飲み込む。パンがもう少し柔らかければなぁと内心で思いつつ、インに「朝は食べたんじゃないの?」と訊ねる。
「猪肉を出さずに寝まくっておったダイチが悪い」
「俺のせい?」
「うむ。それ以外にはない」
「え~~」
俺たちのやり取りを姉妹が生温かく見守る。
ちなみに、インは朝にこれを4杯食べたらしい。どんだけだよ。いまさらだけど腹どうなってんだよ。確かに美味いけどさ。
フォークで刺したにんじんをかじる。うん、柔らかいし、味が染みこんでる。美味いなぁ。
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