2-13 黒飛竜と剣士殿


 ティアン・メグリンドの小屋を後ろに、マップ上の見える範囲では赤い丸いマークが10個ほど見える。

 近い場所に4つ。もう少し先に行って6つ。歩いているだけでとくにこれといった動きはない。


 赤丸のマーク4つは狼と狐だ。近いのもあるが、《遠視》のおかげか、はっきり分かる。

 ちなみに《遠視》の説明文は「遠くのものがよく見えるようになる」だ。そのままやんけとツッコむ気にはもうならない。

 狼は普通に灰色がかった黒のオーソドックスな狼なんだが、狐は驚くことに尻尾が2本ある。クライシスでは特に狐はいなかったと思うが、上位個体になると9本とかになりそうだ。

 ニーナちゃんは注意すべき動物というか魔物に、狼とゴブリンしか挙げなかったので、脅威の存在ではないのかもしれない。狐は一応肉食だった気がするけどね。


 俺は今、メイホーの三つに分かれた道のうち川の字の1画目の端にある高さ5メートルほどある樹の枝で、村の周囲を観察している。


 魔力屋のバーバルさんと会ったあと、本当は徒歩で直接森に向かおうとしたのだが、入り口付近で警備兵の人たちがうろうろしていたので普通に出るのは控えた。村を出るのに納得される、いい理由が浮かばなかったからもある。

 じゃあということで村の隅にある高い木に遊び心で登ってみたら、1回の跳躍で枝に飛び乗れたのはもちろん、案外見晴らしがよかったので、現在枝の上にいるというわけだ。もちろん人の少ない場所を選んだ。たぶん見られてないと思う。


 それにしても、木の枝の上で偵察ってなんか忍者にでもなった気分です。足の裏に魔力集めて、だってばよ忍者的なこと出来たりしないのかな。

 試しに足に「何か」を集める。何かとは魔力なのだが、もちろんそんなことのできる感覚器官は本来人間は持たない。ただ今の俺は現実の俺であって俺じゃない。残念だが……人間でもない。


 インはホムンクルスは優秀だと言っていた。魔法に秀でていると言っていた。

 なぜ優秀足り得るのか、つまり体内でどのようなことが起こっているのかの具体的な情報はもらっていないが、そもそも魔力というものが存在してそれが魔法の行使に用いられるなら、ホムンクルスでなくとも魔力を感知し、操作もできてしまう感覚器官も神経もありそうなものではある。


 そこいらの魔導士よりも魔法に長けた存在を造るなら、創造主はその前提条件である内部構造はわざわざ外さないだろう。つまり、魔力の収集や定着または増幅など、魔力の操作に使われる器官ないしなにがしかの機能をだ。


 どっちにしても魔力の操作方法は今のところは分からない。なので踏ん張ってひたすら血液よ足に集まれ、枝に注げと念じてみるしかない。ついでに、足の裏が枝に固定されるイメージも。

 なぜ血液なのかというと、インが治療魔法をかけてくれてたとき、体内で何かが循環していく感覚を覚えたからだ。あれで「魔力感知」のスキル覚えていたようだしね。

 体内を循環しているといったら血液だ。魔力が体内を巡っているなら血液ないし血管を媒介にして、という推論を元に実行してみたわけなのです。


 ……結構やってたと思う。少し我に返ってきた。

 真剣に何してんだろうな、俺。子供かよ。いや、子供に戻ってるんだが……。というか、やってみるなら裸足になった方がずっといい気はするね。


 ふと、足の裏で新しい感覚があった。なんか、じんわりとだが、温かい。血行が悪くなったわけではないようで、この温かさを感じる感覚はなくならない。


 集中してみた。


 温かいが……弱々しい。でも優しい感じがある。理由は分からないが、感じていると穏やかな気分になりそうだ。ん? なんか……もう一つある? こっちはもっとはっきりとした存在感だ。なんか、俺の意志に連動しているのか、足の中で右に左にとついてくる。


>スキル「体内魔力操作」を習得しました。

>スキル「マナオステム」を習得しました。

>称号「マナと通じる者」を獲得しました。


 ……おぉ? なんかそれっぽいのを獲得した……。知らないスキルだ。


 体内魔力操作は分かるけど、マナオステムって何だろ。

 あれか、マナを世界設定として活用しているファンタジー諸作品を当てにするなら、マナはたぶん自然エネルギー的なものだよな。称号でも通じるとあるし。

 木と面し、木にアクセスしようとしている今の状況にも合う。だとするなら、このスキルにより自然エネルギーに干渉することができますよ、って解釈でいいのだろうか。


 一応説明欄を見てみる。「魔素(マナ)を操作することができる」とある。うん、やっぱりそうらしいね。ということはこの足の裏のが魔素か。


 早速LV10に……と思ったけど、ちょっと怖かったのと魔素がどんなものか気になったのでLV5に留めておいた。

 LV5からちょっとずつあげていけば、魔素がどんなものかより明確に分かると思う。体内魔力操作の方も同じような理由からLV5で止めておいた。


 さ、どうかな?


 目をつぶる。踏ん張る。集める。イメージする。

 さっきよりもはっきりとした感覚で、足の裏が温かくなってくるのを感じる。なんか、うどんっぽいというか、ムーミンのハティフナットみたいにうねうねしている……。

 それとは別に、もう一つの温かい何かが足の中でゆっくりとぐるぐる巡回したり大きくなったりしているのも感じる。ぐるぐると巡回しているのは魔素らしきものと違うようで、明確なエネルギーの奔流と存在感を感じる。

 血液のように細いもののようにも感じるし、一つの大きなエネルギー体のようにも感じる……。いまいちまだ曖昧だが、たぶんこれが魔力だと思う。


>スキル「体内魔力感知」を習得しました。


 そのまま、今度は集まった魔力を木の枝に注ぐイメージをしてみる。木の枝にある魔素を足の裏に引っ張ってくるイメージも。

 足に溜まった魔力が少しずつ減っていくのを感じる。注ぐ。注ぐ。しばらくすると、足の裏からニョロニョロな魔素が少しずつ侵入してくる感覚を覚えた。

 魔力より暖かくないし、断然小さい。その上細いし、弱々しい力だ。でも優しい感じがある。さっきよりもはっきりと分かる。ただ、感知しようとすると先が途方もなく長いようで、底が知れない。

 つまり、これがこの木の持つ魔素なんだろう。実際に見ているわけではないのだが、なんとなく淡い緑色のイメージだ。《マナオステム》をLV6、LV7とあげてみるが、あまり感知の程度は変わらない。


 ある程度足の中に魔素が集まったところで、魔素を魔力で絡めて包み込んでみる。

 魔素はちょっと俺の体を支えるには頼りないようにも思えるので、そのまま魔素に少し俺の魔力を注入してみた。注入というよりは結合に近い。

 植物が栄養を循環させる役割を担っている器官は維管束という管だったと思うんだけど、魔素は管を特に持たないようだからね。


 ゆっくりと俺の魔力を木の魔素に染み込ませ、侵入させる……。


 しばらく経って、俺の足と枝を通う、俺の魔力と木の枝の魔素が合体したものが出来上がった。俺の魔力と同じく、従来の魔素よりだいぶ存在の主張が強くなったエネルギー体だ。

 最初はうどんのようなものだったが、いつの間にか1本、というか1個にまとまってしまったようだ。

 目を開けてみる。おそるおそる足を上げてみる。


 おぉ? 軽く力を入れてみるが動かない。見た目の変化はないが、足が樹に固定されている。


 ……で? っと思う。


 木の高さは5mほどある。調べる場所を間違えたなと思う。ぶら下がるのは怖すぎる。うーん。


『銀竜様から言伝です』


 !?


 つい辺りを見回そうとして、足に力を入れてしまったらしい。左足がズルっと滑って、枝から落ち――


 ……ることはなく、右足は離れてしまったが、左足はしっかりと枝にくっついたままだった。くっついてる場所は枝の表面ではなく、枝の裏側だ。ベアリングだな……。


 いきなり落ちるのを懸念してもう一度左足に集中する。うん。しっかりくっついてる。


『ダイチ様、聞こえていますか?』


 ――ちょ、ちょっと待っててくれる?


『はい』


 戻り方が分からない。とりあえず離れた右足をゆっくり戻す……。もう1回魔力と魔素を絡ませるイメージをする。

 今度は時間がかからなかった。というのは、離れてしまったことにより切れてしまった既にある枝の中にある魔力と魔素の塊がすばやく右足へ伸びて、かと思えば、そのまま細く長くなっていき、俺の体を通って左足の下にある枝と再結合したからだ。

 その魔力と魔素の塊が下半身を通る際、腿と股間辺りがちょっとゾワっとした。足と枝で繋がっていただけだったが、今は「下半身と枝」で繋がり、強固になったようだ。


 驚くことに、逆さまの状態でも割と普通にしゃがむことができたので、両手で枝をもちながらぐるんと回って枝に戻った。うーん曲芸師だ。

 俺の足のあった枝の周りには小さな新芽がいくつか生えていた。こんなのあったっけ?


 ――えーと、大丈夫です。聞こえてるかな?


『聞こえています』


 淡々とした事務的な口調だ。若い……女性だろうか?


 ――お待たせ。君は誰だい?


『黒い飛竜ワイバーンです。銀竜様に紹介してもらった竜の一匹です』


 ――ああ、あのときの。


 黒飛竜の声は竜形態のときのインのように、エフェクトがかかっている感じだ。ただ、シカイプで相手がマイク不良の時のように、少々聞こえづらい。


『聞こえづらくて申し訳ないです。銀竜様の念話を森にいる私が受け取って送っているので、通常の念話よりも精度が低くなってます』


 つい忘れて心の声漏らしてた。中継機って感じか。黒飛竜の姿を改めて浮かべる。


 ――そっか。わざわざありがとね。それでインに何かあったの?


『銀竜様が少し遅れるとのことです』


 ああね。そういえば何かあれば連絡するって言ってた。


 ――了解。


 黒飛竜がでは、と言うと、聴覚がクリアになった。


 ふう。それにしても黒い飛竜は喋れたんだね。なんとなくそんな印象は持ってたが、予想よりずっとキャラが立ってたな。


 足の裏の魔素と魔力の連結を解除する。ほどけるようにするんと離れてくる。うん、結構慣れたな。

 その後何度か繰り返しつつ、レベルも振っていって、一連のスキルを三つとも10にした。


 座って幹に寄り掛かり、軽くマナオステムで木と接着する。接着すると、接面部分にクッションが挟まれたような感触がやってきた。

 日もほどよく当たるためか思いのほか気持ちがよく、落ちることもないだろうしで、そのまま昼寝をしてしまった。



 ◇



 30分くらい経ったと思う。気持ちのいい目覚めだ。


 習得したスキルを少し確認する。触れていなかった《警戒動作》と《遠距離警戒》は永続パッシブスキルのようなので、《疾走》《瞬歩》の二つのみをLV5にしておく。

 《疾走》と《瞬歩》をLV10にしなかった理由は、《マナオステム》を急にLV10にしなかったと同じで、スキルの具合を確認してからにしようと思ったからだ。どのくらい速くなるのか、気になったんだよね。


 木から降りる。散策とか錬金術の勉強もあるけど、今日の予定はひとまずあとはミュイさんのところで鞄のことを聞くことだったので、ゆっくり散策しながら向かおうと思う。


 と、そう思っていると、「きみ! そこのきみ!」と下から呼びかけられる。


 慌てて見てみるとやってきたのは茶髪の若い男性――警備兵だった。無精ひげを含めてひげ面が珍しくない村の中で、珍しくひげが綺麗に剃られている。25、6歳くらいじゃないかと思う。

 服装は他の警備兵と一緒で、紺色の金属製の胸当てをつけている。ただ肩にも鎧をつけているし、腰にはヴェラルドさんの店では見なかった、意匠が施された鞘に収められた長剣が下がっていて、立ち姿も様になっている。

 そしてイケメンだ。まだそこまで若い男性を見てきたわけじゃないが、たぶん見てきた顔の中では一番整っていると思う。会社にいたイギリス人ハーフの東くんとちょっと似てる気がする。

 ここの警備兵だとは思うのだが、警備兵の人たちはそこまでビシっとしている人はあまり見かけていなかったので、彼はちょっと異質な存在感がある。


「きみ今、この木から降りてきたよな??」


 げ。見られてたか……。


「……最初の枝まででもだいぶ高いぞ。足場にできるでっぱりも特に、ないな。よく登れたな? 大したものだ」


 東くん似の警備兵は、木に手を当てて素早く考察を発表してくる。


 俺はちょっと吹き出しそうになった。東くんと剣士殿の言動がよく似ていたからだ。

 東くんも気になったら場所を弁えずに即調べて発表するような男で、俺がちょっと変わった店にいくと、店員に必ず質問攻めして困らせていた。

 それだけならいいのだが、なまじ顔がいいからか若い女性店員だと話がすぐには終わらないこともあり、やり取りの内容にはなるほどと思いつつも、話を中断させる役目を俺は結構担っていた。ほっとくと聞いていた店員の方がめんどくさくなっていることがあったのがご愛嬌か。


「ん? なんだい?」

「いえ、何でもないですよ。知り合いに似たのがいまして」


 笑ったつもりはないのだが、顔に出てしまったらしい。ダメだね、若さってのは。感情がすぐに出るよ。


「ふうん? ……おや。きみも剣を? なんだ、短剣か。……いや、若いのになかなか鍛えているようだ」


 と、俺の肢体に軽く視線を通わせて感想を述べる剣士殿。うん、俺もそう思うよ。腹筋しっかり割れてるし。山道で急にダウンしたりする不安はあるけど、力はあるし、体力は割と底知らずのようだし。


「いえ、そんなことはないですよ」

「そう謙遜するな。ちょっとどうだい。俺は抜かないから」


 そう言うと、彼は手を鞘に当てて軽く膝を折った。打ち合おうということらしい。

 なかなか好戦的というか、これはあれだね、純粋に剣が好きな人な気がするね。


「剣はまだまだ未熟なので……」

「ほう。短剣だけでなく剣もやってるのか? いよいよ楽しみだ。ま、気にするな」


 ああ、短剣は剣扱いじゃなかったか……。


 避けるのは出来ると思うけど、剣を振るのは超がつくド素人だよ。あ、でも《片手剣術》をLV10にしてあるから、やっぱり結構な腕に見られるのか……? ヘイアンさんからもなんか見抜かれてたしなぁ。


 そんなところに、「アリオー!」と、別の男性の大声が入り込んだ。いいタイミング。


「ここにいたのか。休憩もう終わりだぞ。……お? 君はヴァイン亭にいた」


 やってきた男性はたぶん年齢は近いと思うが、剣士殿と違って、無精ひげで、無造作にめくりあげた袖にちょっと惰性の感じられる所作にと、見慣れた平和にたるんだ警備兵の風貌だ。


「ヴァイン亭? はぐれゴブリンの件か?」

「ああ、例のニーアちゃんを助けたのが彼だよ」


 さすが田舎。知られるのが早い。というか、警備の人はその話を聞いて昨日から動いてるはずなので、田舎も何もないか。


「そうなのか。ニーアちゃんを助けてくれてありがとう」

「いえ」


 彼の薄い笑みは爽やかでとても似合っていた。ここの警備兵っぽくはないけどね。


「それならなおさら剣を交えてみたいが。詰め所には訓練場があって木刀もあるしね」

「ん? 忘れたのか? この子は剣士じゃなくて武術家だぞ? 最近この村にやってきた子だというし、短剣は護身用か食料を切るのに差しているだけだろう」

「そうだっけか? 武術だけには見えないが……」


 情報ウインドウが出てくる。


< アリオ LV19 >

 種族:人族  性別:オス

 年齢:26  職業:警備兵

 状態:健康


< ライリ LV16 >

 種族:人族  性別:オス

 年齢:26  職業:警備兵

 状態:健康


 剣士殿はアリオというのか。レベルがヘイアンさんの次だ。ライリもなかなか。さすが兵隊。

 ふうん。同い年か。仲がよさそうだ。


「それより休憩終わったぞ。隊長にどやされるぞ? 俺まで怒鳴られるのは嫌だからな」

「分かった分かった。じゃあ俺たちはそろそろ行くよ。そこに詰め所があるのは知ってるだろ? 暇だったら来てくれよ。まあ昨日ああいうことがあったけどさ、基本暇なんだよ、ここの警備ってさ」

「よく言うよ。隊長に言いつけるぞ」


 去りながら、ライリがアリオの腰を肘でつく。仲いいねぇ。


 本通りに戻ると、アリオたちが戻った詰め所から、威勢のいい声と掛け声がきこえてくる。アリオたちと絡む気はとくになかったが、訓練の風景がちょっと気になったので塀から立ち見する。


 詰め所の真ん中では、素振りをしている若い子が数名と、藁で巻いたカカシのようなものに木刀と先を白い布で丸くした訓練用の槍らしきものを叩きつけている若い男性が数名。

 誰も彼もが真剣に武器を振るっている。どの一撃も鋭く、重い一撃に見えて、食らったらひとたまりがないように見える。

 リアルに武器を振るう姿なんて、現実世界じゃそう見ないもんなぁ。剣道くらいか? 剣にせよ槍にせよ薙刀にせよ、各地に道場自体はあるらしいけども。

 巨漢の偉そうな男が彼らを観察していて、ときどき激しく声を荒げている。あれが警備隊長だろうか?


 訓練の様子はすごいなとは思う。

 この世界は魔物がいるので、剣の練習は魔法の練習と同じでとても実りのある訓練だろう。現代ならパソコンやITの知識や、外国語の学習、経済の勉強と同じくらい価値あるものじゃないだろうか。

 でも彼らの剣の訓練風景は、あまり好きでなかった剣道の光景をも思い出させた。あまりいい気分にはならない。


 田舎の学校に通っていた頃、体育の授業の一環で剣道を習っていたことがある。

 とはいえ、剣道着が汗くさいのと、先生は人が変わったように怒鳴り、剣道部員のクラスメイトは幅を利かしだすし、そういった授業の雰囲気が嫌になって俺は後半はほとんど仮病で休んでいたのだったが。柔道ほぼ休んでいたのでもっとひどかったが。


 やったらやったで、相手の胴や腕以外の場所に竹刀を当ててしまい、結構な確率で相手に痛い思いをさせてしまっていたのも好きでなかった原因の一つだ。

 今思えば、初心者に竹刀を持たせて、さらには動き回っている中でいきなり特定の場所に打てというのもなかなか無理な話だ。

 この訓練場と同じように、まずは剣道着も試合も抜きで、カカシに竹刀を打たせれば良かっただろうにと思う。男子の多くは「剣を振るって物に当てる」のが大好きなんだから。人に当てて本気で喜ぶのは小学生までだろう。


 カカシに木刀を振るう若い子に指導していたアリオが俺に気付いて手を振ってくる。

 なかなか無邪気な男だ。東くんと似ていると思ったが、それほどでもないなと思った。もちろん、友人として付き合う分には全然問題ない。

 この世界の俺にはまだそれらしい友人がいない。転生前もそう多くはないが。

 ライリと一緒に、美味しい酒の飲み方があったりするなら是非教えてもらいたいね。


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