第48話 鍛錬の間
やっぱり時間ボーナスはあったようだ、こういう読みが当たると気分が高揚するね! 扉を出た途端にクリアボーナスの表示、そこそこ良いモノが貰えた様子。
半分は素材系なので、本当は良く分からないけど。とにかく報酬として、
色々と何だろうね、取り敢えずは貰っておくけど。
この竜宮城で、かなり鞄の中身がすっきり出来たのが大きい。それから短槍の新調で、通常戦闘が以前より断然楽になった。
そしてアスレチックエリアの踏破、バーチャゲームの醍醐味も味わえたし面白かった。クリア報酬もそうだけど、エリア内でも貴重なアイテムを拾えたし。
歓待の間に続いて、修練の間も充分に楽しめたかな。
そんな訳で地上に戻して欲し……あっ、やっぱり次の扉を選ばなきゃ駄目? とは言え、残されたのは『鍛錬の間』と『職業斡旋の間』の2つのみ。
訳の分からないのは後回しで、それじゃあ鍛錬の間って事で。
俺の読みだと、1個はガチバトルが入るんじゃないかな? レア種と戦って勝利せよみたいな、単純明快で分かり易い部屋が1つはありそう。
それがこの『鍛錬の間』じゃないのかなと思ったんだけど、予想はどうも外れっぽい? ここは六角形の造りの部屋で、入り口近くに小さな案内テーブルが。
そこに鎮座しているのは、白髭の
サイズは小型だ、まぁA4原稿サイズ程度だろうか。だけど否応にも関心を惹くオーラを放っており、何と言うか小さい割には抗えない存在感を漂わせている。
ここの部屋の主なのかも、ってか部屋には他の生き物の姿は全く無い。だからと言って、戦闘行為が無いとは限らない。不自然な広さと静けさが、かえって怪しいかも。
油断なく構えていると、ようやく亀が口を開いた。
「よく来たな、若いの……ここは鍛錬の間と銘打ってあるが、気分的には歓待の間と変わらぬ流れじゃて。そんなに緊張せんでも良い、ここはお主の欲望が何でも叶う間じゃ。
何でも願うが良い、儂の手腕の許す限りお主の要望を形にして進ぜよう……最高の防具でも鞄に入り切らぬ富でも、忠実なるパートナーでも絶世のスキル技でも、はたまた絶倫のステータスでも唯一無二の魔法でも何でも構わぬぞ?
……ただし、この間の看板を汚さぬよう、少しばかり鍛錬はして貰うがの?」
驚いた、ようやく話が出来るNPCが出て来たよ! てっきり着ぐるみ達と同じ扱いと思ってたけど、さすがにこの存在感で話が通じないは無いか。
まぁ鯨モドキも普通に話していたし、そんな驚く事でもないのかな? そしてその老亀の口にした内容の、まぁモノの見事に
思わず鼻をつまんでしまう程だ、実際にやると怒られそうだけど。さて少し考えようか、この話の裏と表を……まずはこの老亀仙の、実力は一体
実際に、望んだ事を実現出来るか否かが問題だけど。
出来るのかも知れないな、ゲームのシステム的には可能な気がする。ただしそれをするとバランスが思いっ切り崩れてしまうから、何か枷が入るのは想像の内だ。
この亀モドキが最後にポロッと口にした、鍛錬の内容が気に掛かる。ひょっとして、こちらが相手の口車に乗って埒外の要求を返す程に、鍛錬の度合いも酷くなる仕組みなのかも?
いかにもありそうだ、欲深い奴は痛い目を見る的な。
「……どんな内容でもいいと言っても、上限はある訳でしょ? 例えば俺が100個の願いを叶えて欲しいって言ったら、それも可能なの?」
「もちろんじゃとも……もっとも願いは数でも良いし、強さでも良い。ただし具体的に言って貰わないと、儂の主観で決めさせて貰う事になるからの?」
「ふむふむ……ひょっとして数と強さで、鍛錬の内容も変わるとか?」
「ふぉっ、ふぉっ……お主、全くの
やっぱりそうらしい、上げといて落とすとか
アバターのリメイクをする機会と捉えれば、またと無い好機なのかも知れない。だからと言ってハイリスクは避けたいし、さてどうしたモノか……。
そうだ、それならこんな手は通用するのかな?
「それじゃあ、交換ってのも可能なのかな? こちらもステータスやスキルを犠牲にするから、別のモノを代わりに貰うってのは?」
「ふぬっ、お主……見掛けの割に若さが無いのぅ! 若い内はもっと強欲に、煩悩のままに欲しいモノを欲張らんか! お主の貧相な防具では、この先きっと苦労するぞ?
どうじゃ、儂が最高の防具を見繕ってやっても良いぞ?
「その見返りに、俺は何をさせられるのかな? 例えばこの部屋の真ん中って、まるでバトルフィールドじゃないか……それって、戦って勝ち取れってパターンでしょ?」
「ぐぬぬっ……まぁ、その通りじゃ……」
あらら、あっさりと認めてしまわれました、悔しそうな表情の老亀仙さん。確かに欲にまみれた冒険者を引っ掛けて、慌てふためく姿を見ると言う悪趣味を見透かされた訳だが。
だからって、そこまで急にヤル気を無くす事も無いじゃんかよっ!? こちらは交換の内容と回数を問われ、取り敢えずは安全マージンをとって4回と答える。
すると長寿亀、前ヒレでやはり部屋の中央を指し示し。
こちらの推測は大当たり、この戦闘で勝ってようやくのご褒美らしい。さてさて敵の種類と強さは……何だ、小型の亀が1匹だけとか超余裕じゃ無いですか。
ここは短槍よりもハンマーの出番かな、ってかほんの2回殴れば小型の亀モンスターは敢え無くぺっしゃんこ。酷いな俺、まぁ敵の行く末なんて気にしても仕方ないけど。
続いて出て来た亀型の敵は、もう少しだけ大きかった。
そして恐らく、もう少しだけ強かったのだろう。ようやく手応えを感じたのは、4匹目の跳び箱2段サイズの亀からだったけど。
時既に遅しな感じ、興が乗り始めた時には敵は同じく丸潰れ。粒子と化して戦闘終了、思わず顔を見合わせる俺と老亀仙……。
しまったな、忠告通りにもう少し欲を掻いても良かったかも?
「……このままじゃ、儂も面目丸潰れじゃわい! 仕方が無い、追加のこの敵を見事倒せばお主の願いにオマケを追加させてやっても良いぞ?
負けたらペナルティで、願いは半分じゃ!」
ちょ、勝手にルール変更とかズルくないっ!? 全く勝手なご老人だ、いや亀だけど……しかし号令と共に出現した新たな敵、ソイツもやっぱり亀だった。
顔付きがやけに厳つくて肉食系ではあるけどね、しかもサイズはいきなり2倍近いとか。例えるならコタツサイズ、甲羅は思い切り堅そうだ。
取り敢えずは、さっきは手抜いてた強化魔法を掛けてと。
魔法で付与された分は、甲羅に当たってもダメージにはなってくれている様子。いや別に、狙って甲羅を叩いている訳では無いんだけどね?
俺だって剥き出しの顔部分を攻撃したいのだが、意外と素早く引っ込んで行く厭らしさ満載の防御。亀を飼った事のある人なら知っているだろう、奴らは意外と素早いのだ。
瞬間的な噛み付きとか、移動の際だって早い時がある。
難なくやっつけた4匹目と、体力の差こそあったものの。こちらが右回りでコツコツと周囲を廻り込みながらの攻撃にシフトすると、その動きについて来れなくなった様子で。
敢え無くご臨終、最後の闇魔法で撃沈なさった模様。
そんな感じで何とか無事に戦闘終了、そして俺の勝ちっぷりに満更でもなさそうな老亀仙。何故かご機嫌そうで、お褒めの言葉まで頂いちゃって。
ところがギッチョン、報酬の交渉に入ると俄然勢い付いて、こちらを丸め込もうとする海千山千の
いやまぁ、俺も確たる理想の戦士像なんて持ってないんだけどね?
「そうさな、最初はステータスでも弄ろうか……ふむぅ、お主は人間ベースなのに妙に偏っておるなぁ。なるほど、最大種族ミックスか……」
「いや別にステータスは、特に不満など無いんですけど……」
「よしっ、最低値の魅力を差し出すが良い! その分、他のステータスを上げてやろう!」
聞いちゃいない、何だその罰ゲームはっ!? 魅力と幸運値はなかなか上がらないってのに、それを削るとかどうかしてるゼ!
えっ、これはサービスで回数には入らないって? う~ん、魅力値が8⇒7に減っても、そんなに変わらないか……いざとなれば、魅力の減るマントを交換すればいいんだし。
よしっ、それじゃその方向で……えっ、交換は2Pからってどんな後付けルール!?
酷いな、強引にステータス弄られてしまった……まぁいいや、幸運値とか素で20になっちゃってるよ! 他も軒並み40前後、知力と精神は30手前だけど。
アバター強化にはなったのだろう、そう思う事にしよう。
さて今度こそ、こちらのペースで交渉させて貰おう。最初の交換は短剣と片手棍のスキル1Pだ、これは何と言うか全く必要が無い死にスキルなので。
他の武器に割り振って欲しいと頼むと、あっさりと承認されてしまった。凄いなこの老亀仙、やっぱり高位の精霊なのだろうか……?
その割には、負けず嫌いで人の意見を聞かないけれど。
とにかく短槍と両手棍、それから何故かスキルの低い盾と投擲にも1Pずつスキルを貰えてしまった。死蔵のスキル2Pと交換に4Pの報酬、いいじゃない太っ腹だねぇ!
ひとしきり持ち上げると、ファーも思い切りそれに乗っかって来る……って、本当に老亀仙の甲羅に乗っかるんじゃありません、いや爺様も嬉しそうだしいいのか?
とにかく交渉は、相手の浮かれている隙に限る。
そんな訳で次なる交換は、長槍スキル《四段突き》を短槍用にとの希望である。これは思い切り切実な問題、何しろ同じ槍なのに長さが違うだけで使えないと来ている。
そんな俺の訴えは、何の脈絡も無く叶えられてしまっていた。あれっ、
まぁいいや、貰えたのなら俺のモノ、もう返さないもんね!
次は魔法じゃなとか、呑気にのたまう爺様だけど。魔法に関しては特に弄る所は無い、そう返したら俺の乱れ取得を見て思い切り笑われてしまった。
いや、だからってご老亀の頭を叩いたらダメだよ、ファーさん。一向に気にしていない老亀仙、俺の鞄の中のアイテム群まで観察し始めちゃってますけど。
そして幾つか気になる装備と、取得前の魔法を見付けた様子。
ふむぅ、護りの腕輪《硬化》と水魔法の《マナプール》、それに闇魔法の《影縛り》ですか……確かにいつか使いたいなと思いつつ、放置してた前の2つだったり。
《影縛り》に関しては、束縛系は《風の茨》があるので出来たら他の魔法と交換したい気も。でも特に候補に上がる魔法も思い至らないし、どうしようかねぇ?
《マナプール》は便利そうだけど、特に急いで覚える気も無い。
「この《硬化》の魔法は便利じゃぞ、特にお主のような軽戦士は装備が薄いでな……なぜ覚えようとせん、怠慢で身を滅ぼすのは愚の骨頂ぞ?」
「いやだって、もう6種類も魔法覚えてるのに更に土魔法とか……それに今の腕装備、筋力アップも付いてて使い勝手がいいからなぁ」
「ふん、下らんな……倒される前に倒すなどと粋がっても、お主の実力では夢のまた夢ぞ? まずは防御じゃ、ほれ……貸して見ろ、儂が良いようにこーでぃねいとしてやる」
随分と熱く戦闘理念を語るけど、要するに亀さん的には防御ありきの闘い方が正義なのだろうか。そしてファーさん、俺の悪口を言われたからって、老亀の頭をペンペンするのは止めなさい。
結局俺の腕装備2種は没収されて、野生の腕輪に関しては跡形も無く分解されてしまった。酷いな、お気に入りのステ強化装備だったのに。
そして護りの腕輪は弄りまわされた挙げ句、『
うおっ、これは凄い装備かもっ!?
――霊亀の腕輪《硬化》 耐久10、防+10、時々攻撃反射
――転換の札(筋力+6、敏捷+2)
耐久値と防御力は申し分ない、そして時々攻撃反射の危険過ぎる追加効果とか。後は土スキルさえ伸ばせば、《硬化》の魔法も唱えられると言う良装備である。
粉々にされた野生の腕輪だったけど、どうやら
これは凄いな、普通に自作で神装備とか出来ちゃう未来が視えるんですけど!?
まぁ、そんな装備を作れるようになるまでには、凄く大変な修行と時間が必要なのだろうけど。夢だけは見ていようか、いつか自作の神装備でユニオンボスを倒すとか。
いいね、高過ぎる程度の夢の方がワクワクするじゃない?
などと一人悦に浸っていると、いつの間にか老亀仙がテーブルにカードを4枚並べていた。指すら無い前ヒレで器用だな、そしてどうやらその中から1枚を選べとのお達しで。
簡単に説明して貰った所、1枚だけ外れカードが紛れているらしく。それを引いたら俺の負けで、それを合計4回行なわせてくれるそうなのだけど。
貰えるのは土スキルとの事、4回成功で4Pとなっ!?
これは是非とも、最後までクリアせねばっ! そんな訳でファーの鋭い観察眼を取り入れつつ、俺も勘を働かせて
こちらの悩む顔を見て、老亀仙が楽しんでるのが微妙に腹が立つ。それでも悩んだ甲斐はあった、見事に4回すべて☆マークの当たりカード。
そしてスキル4Pゲットの末、新しく《ストーンウォール》を修得。
そして《硬化》も使用可能に、ますます魔法が増えてしまった。まぁいいや、ってか《ストーンウォール》も足止め魔法らしいから《影縛り》がますます被って来るなぁ。
そう言ったら、老亀仙は暫し考えて、もう1度オマケ付きの闇魔法修得を薦めて来た。ただし《影縛り》は没収されて、代わりに《影
またも4回クリアして、見事覚えて見せろとのお達し。
《影纏い》は割と特殊な魔法らしい、本来は防御寄りに使用されるけど、他の使い方も存在するのだとか? 良く分からないが、くれるのなら貰っておこう。
って言うか、スキルPが増える事案の方がずっと嬉しいイベントだ。そんな訳で、今回もファーと協力してのカード捲り大会である。
微妙なのが、今度は3枚から選ばないと駄目になってる事。
つまり外れを引く確率が、25%⇒33%と増加している訳である。そうすると疑心暗鬼な心の揺れ幅も、前回よりは大きくなってしまって。
それでもファーの第六感は凄かった、ひょっとして隠しスキルで持っているのかもと思う程。結局前回と同様、見事完璧に4回クリアを果たして。
無事に《影纏い》を修得、影魔法はこれで4つと最多である。
これで全ての交換案件は終わった、オマケして貰ったとは言え我ながら満足の行く結果だと思う。ところが老亀仙、まだ俺のアバタービルドに不満があるらしい。
いやいや、そりゃだって始めてまだ一週間ちょっとの初心者キャラだし? 色々と至らないのは、充分に承知してますよ……えっ、また例のカード捲りさせてくれるって?
それは嬉しいけど、今度は何を貰えるんだろう?
これが最後と銘打って、出されたカードは2枚のみ。つまりは当たりと外れの半分こ、外れを引けばもちろん即終了だ。当たりは水スキルのポイントを貰えるらしい、そして魔法カードの《マナプール》を取れとのお達し。
どうやら《影纏い》とセットで覚えて欲しいみたい、理由は良く分からないけど。とにかく最後の賭けである、ファーも初っ端から思い切り悩んでいる様子。
でもまぁ、オマケのオマケなんだから気楽に行こう?
そんな感じで独断で捲ったカードは、見事に☆マーク、やったね♪ 老亀仙が妙に嬉しそうなのが気掛かりだ、そして次に差し出されたカードは何故か3枚。
……当たりは1枚だけらしい、なるほど確率はどんどん下がって行くのね。
「これを意地悪と取るでないぞ、難関な試練を突破してこそ本当の喜びがあ……」
「捲ったぞ、出たのは☆だ……やったね♪」
本当は親切に☆のカードしか入ってないんじゃと思う程の引きの強さ。ファーも飛び上がって喜んでいる、現実世界じゃそこまで運は強くない筈なんだけどな。
だとしたら、やっぱりステの幸運値のお陰なのだろうか。良く分からないが、老亀仙の笑顔がより凶悪になったのだけははっきりと窺えた。
こういう勝負が楽しくて仕方が無いらしい、まぁ気持ちは分からないでも無い。
3度目のカードは、やはり1枚増えて4枚になっていた。とうとう25%の当たり確率かと思ったら、どうやら“大当たり”が1枚含まれているらしい。
是非引いて見せろと、その目は語っているけど。
ファーはどうも右端の2枚にアタリを付けている様子。そこでウンウン悩んでいる、まぁこう言うのは下手に悩むより直感だ。一番右端のカードに手を遣り、おもむろにひっくり返す。
うぬっ、見た事無い印だ……☆じゃないし、これは失敗したか? ところが老亀仙は大爆笑を始めてしまった、そして俺を手招き(前ヒレだけど)して来る。
近付けた俺の額に平手打ち、それで補正スキル《集中》が覚えれたっぽい。
ビックリした、脳内アナウンスがそう告げているから間違いはないのだろうけど。この補正スキル、その名の通りに集中力が増すスキルらしい。
補正スキルなので、勿論常時効果が発揮される筈。具体的には、魔法詠唱で攻撃されての中断が起きにくくなる等の効果があるらしい。
もちろん他の、集中しての作業にも効果アリだとか?
つまりはコレ、魔法系の補正スキルなんだろうねぇ。どうでも良いけど、何か良さそうなモノを貰っちゃった……お礼を言いつつ最後のカードを捲るも、敢え無く外れの×カード。
あらら、最後の最後で失敗しちゃったか。まぁいいや、ファーは本気で悔しそうだけど。満足そうな表情の老亀仙、こちらも同じくとっても満足だ。
何しろ短槍スキル《四段突き》を、早速覚えてスロットにセット出来たのだ。これだけでも大変な戦力アップ、今後相当活躍してくれるに違いない訳で。
良い爺様だったな、ちょっと田舎の祖父を思い出しちゃったよ。
――そんな感じで、俺達は老亀仙にお礼を言って、鍛錬の間を後にしたのだった。
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