第36話 着ぐるみNPCは仮の姿だった!




 安全地帯の中央の大樹から、例の如く薬品交換券と修繕チケットを回収する。水汲みクエも今日の分が受けれるみたいだ、これも早速受けて報酬を貰おう。

 ポーションに加えて、これで聖水と万能薬が増えてくれた。今日はパウダー系も貰えたし、薬品類の補充はバッチリかな? MP回復役は、あまり使わないから良いケド。

 HPが100超えした現在、ポーションの大瓶も無駄にならないと言う。


 ポーション(大)で、丁度HP100回復だからな~。いつの間にかって感じだ、最初はこんなの無駄に勿体無いって戸惑っていたのに。

 装備の修繕も無事に終わって、これで戦闘中に武具が壊れる悪夢も回避出来たと思う。物凄い強敵が出て来て、戦闘が1時間近く続くとかなら話は別だけど。

 その時は多分、装備より先にライフが尽きてると思う。


 それから長い事未クリだった『NPC3人との会話』クエ、ようやく終わったよ! 長かったよ、本当に……そのNPCの中に、あの憎たらしい騎士団の連中が入ってるのが業腹ごうはらだけど。

 クリア報酬が良かったら水に流そう……んむっ、冒険スキル『交友』ってのが貰えました。効果は交友関係が拡がり易い……ってほっとけ、どうせこっちは魅力度低いよ!

 壊滅的だよ、ステの不足はスキルで補えってか!


 別に良いよもぅ、俺にはファーがいてくれるし……師匠だって、ちゃんと師匠になってくれたんだ。街に行けたら即売ろう、二束三文でも構わないから。

 そして今回も、マップ補完クエはクリアさせて貰えないと言うね。どんだけ精密にマップを埋めればいいんだよ、1週間歩き回ってんだよ、こっちはっ!?

 むうっ、素知らぬ顔をされてしまった、やるな着ぐるみ。


 もちろん皮集めも全く進んでいない、山羊は西の断崖にしかいないようなので。ドロップ確率アップ週間が終わった今、簡単に枚数が集まる保証も無いし。

 大トカゲと水ヒルの討伐も、全く進んでいない。あれっ、水ヒル……森ヒルは確か北の樹海にいたよね、水ヒルは湖の近く? それとも海辺かな、いた記憶は無いけど。

 湖の近くなのかな、後で確認してみよう。


 大物クエストである、NM1匹討伐も未クリである。あれだけ倒した一昨日の偉大な記録は、昨日のインには全く活かされていなかった様子、残念。

 甲虫の甲殻も集まってないね、コイツも生息は北の樹海だったかな? 海岸の洞窟にもいたような、もっともそいつは手甲の材料にしてしまったけど。

 ふむぅ、素材系で使えるなら狩りに行くのもいいけど。


 今日の予定は既に決まっているので、今はパス。ってか、クリア出来そうなのは鳥の羽根の交換だけみたい。確か矢束が貰えるんだっけ、タイムリーではあるけど。

 師匠のクエ依頼と被っているので、これもパスだなぁ。


 新しいクエ依頼は、今回たった2つだった。クラフト系の『手製の武器製作』依頼と、意味不明の『手合せ:単数』と言う依頼……なんだろう、ちょっと怖い。

 武器製作も、深読みしたら完成度で報酬が変わるのかも知れない。いや、良く分からないけどね……でもどうせなら、攻撃力の高い物を作ってみたいかな?

 出来合いのモノなら、木の槍とかあるんだけどね。


 それを提出してオシマイは、ちょっと物足りないと言うか手抜き感が激し過ぎる。丁度作りたいなと思っていた、大腿骨を使った両手棍を試してみようかな。

 提出して戻って来なくても、骨の武器なら別にそれでも良いし。骨製の物を使うのって、ちょっと勇気がいる。ぶっちゃけると、蛮族感が出て恥ずかしい。

 だってそうでしょ、骨の武器で相手を殴るって……。


 それはともかく、クエ依頼書で貰った『手合せ:単数』の効能がとっても気にはなるんだけど。依頼の出所は、猫のマークだから猫の着ぐるみNPCだなぁ。

 手合せしちゃうの、いきなり? 不安だから、取り敢えず先にクラフト依頼を済ませちゃおうか。ついでだから、お試しに精霊に貰った“時の狭間の香木”を使ってみよう。

 効果は確か、20分間の時間の停止だったっけ?


 いつも工作をする安全地帯の隅っこで、いそいそと工具を広げてクラフト準備。それから取り出した魔除けの香炉に、例の香木をくべてみる。

 そしたらあら不思議、本当に時間が止まっちゃったよ! 驚いた表情のファーが、悪戯でも思い付いたのか着ぐるみNPCの方へと飛んで行こうとしたけど。

 途中に壁みたいなのがあるらしく、阻まれてしまった。


 なるほど、恩恵を受けれるのはこの香炉の範囲内だけっぽいね。それでも凄く便利には違いない、特にクラフトをする際には重宝しそう。

 アバターのスキルビルドとかで悩む時は、別にオフラインでも構わないけど。何かを造ろうと思ったら、もちろんオンラインで時間は過ぎて行く。

 4時間縛りの限定サーバでは、本当に強力なアイテムには違いなく。


 ファーは思うように飛び回れなくて、ちょっと不満そうだけど。俺がクラフトを始めたら、楽しそうにそれを眺め始めて。途中で、以前に造った妖精の巣箱を出してくれとのリクエスト。

 どうやら寝転がって、リラックスしながら眺めたいらしい。片手間に造ったモノだけど、有効利用してくれるなら俺も嬉しいかな。

 そんな事を考えながら、まず1つ目が完成。


 と言っても、最初に手掛けたのは手甲の改装だったんだけどね。お手軽な作業でまずはウォーミングアップ的な感じ、ちなみに改装部分は手甲の裏側。

 そこに針金を使って、投げナイフの鞘みたいなモノを取り付けてみたのだ。ポーション瓶もそうだけど、鞄から薬とか交換武器を取り出すのはそれなりに時間が掛かる。

 戦闘中は、そのタイムラグが手痛い結果を招くので。


 それを解消するために、投げナイフを手に取り易い場所に括り付けた格好だ。ナイフはポーチに入れる訳には行かないので、まぁ次善策かな?

 一応2本持っていたので、2本ともセットしてしまったけど。バランス的にも良い感じ、簡易鞘だけど使い勝手は悪くないと思う。

 さて、次は骨を使った棍棒を作ってみようか。


 つまりは本番だ、元が棍棒サイズなので加工はナイフで削ったり持ちやすくしたりがメイン。ついでに尖った骨を先端に括り付けると、蛮族感が溢れ返らんばかり。

 これは丈夫な木の蔦と精霊に貰った松脂の余りで、無理矢理にくっ付けた感じ。普通は養生の期間を置くんだけど、今回は納品する予定だからいいよね?

 それにしても、我ながら野蛮な武器を作ってしまったな。


 妖精のファーも、これは無いわぁみたいなゼスチャーでの批評。うん、これは無いな……自分で使うのは、ちょっと躊躇われるレベルのワイルド感だ。

 これはもう、戻って来なくていいや……鑑定した結果、攻撃力は12もあって割と良い感じなんだけどな。両手での使用だと、何と15と言う傑作品である。

 う~ん、このフォルムじゃなければ自分用に取っておくんだけど。


 悩みながらも時計を見ると、香木の効果時間はあと5分ほど残っていた。ここは有効利用に、もう1品作ってみよう。何を作るかは、もう既に決めてある。

 師匠の畑を守るガーディアン、その名も“案山子かかし”である。ただ突っ立っているだけ、程良いコストパフォーマンスの孤高の戦士……うん、ちょっと良く言い過ぎた。

 案山子は案山子だ、それ以上でもそれ以下でも無い。


 棒切れを十字に括り付けて、まずは骨組みを完成させる。顔はいらない布地を丸めて作成、そしてもう使わない装備を選んで適当にコーディネイトして行く。

 これには寝転んで見学していたファーも積極的に参加、コレを使ってとかコッチの方が可愛いとか熱心に意見を述べまくる。仮にも女性だからな、意見を無下には出来ない。

 そんなこんなで、なかなか素敵な案山子が完成。



 時間はちょっと過ぎたけど、何とか目的の3品は出来上がりを見せた。案山子はコボルト並みの大きさで、持ち歩くには凄く不便だけど。

 何とか魔法の鞄には収納出来て、そこはホッと一安心。良い出来でもあんな奇抜な人型の物体を、持ち歩きたくなどは無い……妖精のセンスは、やはり常識の枠からはみ出してたね。

 師匠からクレームが出ないと良いけど、そこだけが心配。


 動き出した時間の中で、さてクエ依頼を消化しようと着ぐるみNPCに近付いて行って。いつも修繕してくれるクマの着ぐるみに、造ったばかりの骨の棍棒を奉納する。

 クマNPCは、手渡された武器をいろんな角度から眺め始める。それからしばらくして、満足した表情で頷いてくれて。クエクリアの音楽が鳴り響き、どうやら満足して貰えた様子。

 そして報酬には、なんと骨の素材セットを貰えたっぽい。


 まぁ見た事の無いアイテムばかり、奇妙な頭蓋骨に野蛮な大腿骨、三色珊瑚に白い甲羅、骨の欠片はスケルトンが結構落としていたけど。

骨の矢束は攻撃力5の消費アイテムだけど、これが20本のセットで貰えた。極めつけは『骨工ギルドの推薦状』で、つまりは渡した武器の素材の結果でそうなった?

うわっ、失敗したかな……自分的には木工が本命だったのに。


 骨の細工とか、全然興味が無いんですけど。木工だったら、消耗品の矢弾の製作とか需要はあったのに。でもまぁ珍しい素材も貰えたし、良い事にしておこうか。

 いや、待て待て……ひょっとして木製の武器を渡していたら、珍しい木材の素材を貰えていたとか? うわっ、勿体無かったなぁ、攻撃力を求めたのが裏目に出ちゃったよ。

 ちなみに、納品した骨の両手棍は戻って来ませんでしたとさ。


 お次は用途不明な『手合せ:単数』だけど、渋々ながら猫の着ぐるみに手渡して遂行の意志を告げる。どんな結果が待ってるのか、それは割とすぐに判明した。

 ネコの着ぐるみ……どころか、着ぐるみズ全員が立ち上がって移動をし始めて。無理に連れて行かれた場所は、大樹の丘の麓の拓けたスペースだった。

 そこで着ぐるみ達に囲まれて、どうやら闘いの序章的な雰囲気。


 中央で待ち構えているのは、クエ依頼書を渡したネコの着ぐるみだった。何故か手に錆びれたサーベルと手斧を持って、どうやら相手は二刀流らしい。

 ……ってか待て、その武器どっかで見た覚えがあるぞ。安全地帯で放置しておいて、いつの間にか消失した俺のアイテムの一部じゃないのか?

 犯人はお前かっ、その辺を追求しようとしたけど。


 ちゃうちゃうと、推定犯人は盗難の事実をれっと否定。違わないだろ、でも話が進まないので仕方無くその件は流す破目に。それよりやっぱり戦闘なのね、タイマンの流れらしい。

 対するのはネコの着ぐるみ、二刀流のスピード戦士なのかな?


 俺が着ぐるみズの作ったフィールド内に入ると、フワッとした不可視の幕が周囲に出現した。バトルフィールドの感じかな、ちゃっかりファーも入り込んでるけど。

 そして闘いは唐突に始まった、ってか目の前のネコの着ぐるみが豹変した。頭部の大きなマスクが真っ二つに割れて、本来の頭部が出現。

 それは野性的で、全体的に筋肉質の豹人間の姿だった。


 本当にいつの間にだ、しかも錆びた武器が新品の輝きを取り戻している。インチキを目の前で見た気分、そして相手がスピードファイターの推測は間違いなかった様子。

 あっという間に懐に入られて、戦闘はなし崩し的に始まっていた。オープニングヒットを相手に取られ、しかもそれが結構な威力と来たもんだ。

 しかもしかも、二刀流の自然な連続アプローチが酷い。


 初めて二刀流使いと対戦するけど、かなり厄介だな。スピード戦士の戦いには相性が良いのかも、左右の連撃が繋がるととてつもなく捌くのに骨が折れる。

 とにかくまず、コイツのあしらいに慣れないと不味い。ついでに、完全に出遅れたこちらの強化もしておきたい。恒例の《フラッシュ》で相手を怯ませて、稼いだ時間で《炎テンション》と《風属性付与》の重ね掛け。

 更に嫌がらせで、《Dタッチ》で暗闇のプレゼント。


 こちらは減った体力の回復だ、しかし連続の魔法使用をすると詠唱時間の間が気になるなぁ。もっと素早く連続で魔法が唱えられないモノか、MPコストは仕方ないけど。

 豹人間は、本当の名前を“豹マン”と言うらしい。オレンジネームなので、どうやらUMユニークモンスター扱いみたいだけど。今は暗闇付与のお陰で、やたら滅多羅あちこちに攻撃を繰り出している。

 そんな攻撃を喰らう程バカな事は無い、慎重に近付いて短槍でこちらも連撃を喰らわせる。とっさに反撃を貰うけど、半分は手甲の盾でブロック。

 盾の使い方も、練習して行かなくちゃね。


 それにしても強いな豹マン、ステの高さもあるのだろうが、こちらのレベルに対して標準的と言うか。久々の強敵だからそう感じるのか、ヤリ応えのある対戦相手だ。

 とにかく相手が弱体している間に、出来る限り弱らせておかないと。なんて思っていたら、不意に豹マンがこちらに正対してラッシュを仕掛けて来た。

 どうやら目晦めくらまし効果は切れたらしい、そして怒りの《野生ラッシュ》の爆発。


 思いっ切り吹っ飛ばされたのは、対NM戦を並べてみても初かも。海賊船長NMの時は、こっちが勝手に滑り落ちたんだっけ。とにかく凄いパワーを受け止めきれず、吹っ飛ばされる俺のアバター。

 HPも一気に半減しちゃって、そんな俺に何の気兼ねもせず踏み付けに掛かって来る豹人間。着ぐるみの下の真の姿は、完全に戦闘マシーンの様で情け容赦無し。

 こちらもごろごろ転がって、逆に癖の悪い足に斬りつけてやったり。


 ギャンとか悲鳴を上げてます、それなりに効果はあった様子。その隙に体勢を立て直し、膝立ちになって相手を睨んでやる。向こうも睨み返していて、再び距離を置いて対峙する2人。

 豹マンのHPは、ようやく3割削れた程度。こちらは回復の時間を貰えず、HPは半減以下の4割。ちょっと不味いな、いざとなればパウダーを使うけど。

 とか思ってたら、ファーが戦闘区域の隅っこにポーション瓶を用意してくれてた。


 それを見咎みとがめた着ぐるみNPCの1人が、何やらクレームを付けてるけど。元気にやり返す妖精、こっちでも闘いの火蓋は切って落とされるのか!?

 いやいや、体格が違いますから無理しないでファーさん! ってか、こっちも呑気に視界の端っこを眺めている暇は無い。《野生パンチ》が飛んで来て、それを辛うじて盾でブロック。

 しかし続いての《野生キック》で、見事に再び吹っ飛ばされて。


 ところが怪我の功名、飛ばされた場所がファーの用意してくれたポーション瓶の真ん前だったと言う。思わず礼を言っての一気飲み、これで体力が6割まで回復した!

 しかもそれを阻止しようと突っ込んで来た豹マンに、カウンターでの《二段突き》が炸裂。これで体力的には逆転、相手の方が体力半減の憂き目に。

 イケイケの逆転劇に、乗っかってここから猛攻開始!


 ってか、単純に体力の削り合いに移行した感じだろうか。2度目の《Dタッチ》もレジスト気味、暗闇に掛かってくれないイケズな豹人間。

 相手の必殺技は、直接喰らうと不味いレベル。特に要注意なのが、物凄いパワー技の《野生ラッシュ》だろう。このモードに入ったら、とにかくわき目もふらずに逃げ回る!

 スピード型と思ってたけど、このモードだと思いっ切りパワー戦士なのは狡い!


 ちょっと卑怯だとも思わなくもないが、そのモードと斬り結ばない俺が文句を言う筋合いも無いのか。相手は息切れも早いので、そしたら懐に入って逆ラッシュ。

 何となくヒット&アウェイ戦法が身について来た、パワー型相手だと妙に嵌まるかも。豹人間は元がスピードタイプなので、たまに追いすがられて二刀流での逆襲に遭うけど。

 そんなこんなでこちらも再び、体力が危険区域に突入。


 向こうも余裕は全くない、俺と同じ程度にはHPが減っている。コイツはやっぱり足癖が悪く、不意を突かれて《足払い》で転がされたりするし。

 そこからの踏み付け技と、こっちの足への斬りつけも毎度の応酬。学習しない奴だな、畳み込まれる訳には行かないから、当然こちらも逆襲するに決まってる。

 ってか、逆に相手も尻餅をついて転がってますけど?


 これは思わぬ効果、足への攻撃が擬似的に足払いみたいな感じで決まったのか? 戦闘は位置取りが大事、相手より上を制すのはかなりのアドバンテージだ。

 俺は転がって避けたけど、豹マンは両手が武器で塞がっているせいかグランドでの動きは鈍い。そこをすかさず《落とし突き》で串刺しに、思いっ切り体重を掛けてやる。

 そして訪れる、不意の戦闘終了の合図。


 豹マンのHPはまだ2割程度は残っていたけど、止めを刺さないでも良かったみたい。そう言えば、殺し合いで無くて“手合せ”だったような気もする。

 なるほどね、そんなバランスだったのか。


 いつの間にか戦闘フィールドは解除され、豹人間も元の着ぐるみに戻っていた。変わり身の早さはピカ一だな、しかしちゃんとドロップとか勝利報酬は貰えたみたい。

 苦労して倒した甲斐があったよ、良かった良かった。


 ――野蛮なサーベル 耐久7、攻+14、筋力+3

 ――野蛮な手斧 耐久7、攻+13、筋力+3


 そして貰えた武器がこれ、さっき豹人間が使ってた奴ですな。飛んで来たファーとハイタッチしつつ、お互い闘いの奮闘を讃え合って。

 周囲の着ぐるみNPCからも、おざなりな拍手が貰えたけど。そんな事より報酬チェック、まずはスキル2Pは強敵だったにしては少ない気もする。

 ユニーク種だったし、仕方が無いのかな?


 装備では『野蛮な腕輪』ってのが貰えた、ステ増加付きのかなり性能の良い品だ。それから魔石(中)が1つと、良く分からない『豹柄のマスク』と言うアイテム。

 マスクは装備で無いっぽく、耐久値も防御力も記載されていない。説明文を読むと、どうやら変装用らしい……変装用って、悪さする時に身バレを防ぐ時の用アイテム??

 良く分からない、触れない様にしておこう。


 ――野生の腕輪 耐久4、防+3、筋力+6、敏捷+2


 野生の腕輪はこんな感じ、筋力の上昇が凄まじい良品である。逆に耐久値と防御力は、今使ってる奴の方が良い位だけど。でも交換だな、コッチの方が当然価値が高いし。

 最後にビックな報酬が、冒険スキル『野生』ってのがドロップ。これは野性に順応出来るスキルらしく、説明文によると“生肉も食べれる”ようになるらしい。

 どんだけ野生なんだ、ってかそれは既に野蛮ではっ!?


 まぁ使うかどうかは別として、もっと大事な案件が発生してしまった。何と今の手合せで貰えた経験値で、レベルが15へと上がってしまって。

 それによって、俺のアバターがジョブチェンジ可能になったらしい。さっきから告知がうるさい、そして大量に入手した新ジョブ候補のカード類……。

 これでどうしろと、俺にどうさせたいんだ?





 ――ってか、このソロ仕様の森の中で職替えは可能なの?




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