使徒

 深夜、キュールグラード南方の監視塔。

 使徒護衛騎士長ヒューズは、遠方の大河へと接近する一人の魔族を『遠見』のレンズ越しに目視した。


「あれが『悪魔』なのか? ……あんなガキを殺すためだけに、使徒を戦線から引き抜くとはな」


 ヒューズの口からぼやきが漏れる。

 頭を過るのは、七年程前に始まった聖教国を二分する内乱だ。

 宗教国家である聖教国の権力を掌握していた教会に、当時の王族たち――王統派が反旗を翻す形で起こったそれは、周辺諸国を巻き込み勢いを増している。

 今は自領に篭る魔族を攻めるより、目下の反乱を鎮めなければ自らの喉元が危ないとヒューズは知っていた。


「お前の言うことも理解できる。女神様の御言葉を疑う王統派は、すぐにでも滅さねばならん。だが……よく見ろ」


 人間味の無い冷たい表情をした壮年の男が、弓を構えて呟く。

 ――使徒。

 神の操る弓、『神弓』と称される男。

 女神の加護を受け強化されたその男の目は、肉眼で遥か遠方にいる少女の姿を捉えていた。

 ヒューズはその視線の先にいるはずの魔族を、再び『遠見』のレンズ越しに視る。


「……おい、嘘だろ」


 人間十人分以上もの重量がある戦闘ゴーレム。

 それが、竜の尾に薙ぎ払われた小鬼のように空を舞っていた。

 一体や二体ではなく、十数体がまとめてだ。


「あんなのが、今、魔族にはゴロゴロ産まれてるっていうのか」


 報告には聞いていても、実際に目の当たりにすれば背筋に寒気のする光景。

 ……もし軍同士の野戦であの『悪魔』が一匹でも混ざっていれば、その一撃だけで勝敗が決まる可能性もあるだろう。

 何度も人族連合の一員として出征した経験のあるヒューズは、とある一人の魔族を思い出す。


 ――魔王ディルグ。


 二十年前に開始された十ヵ国以上にもわたる人族の大連合からなる奇襲侵攻は、確実に魔族どもを根絶やしにする勢いと戦力を兼ね備えていたはずだった。

 それを図抜けた個人武勇と統率力でひっくり返したのが、魔王ディルグだ。

 女神様の寵愛を受けた使徒すら屠った、一騎当千の魔族の王。

 かつて最優先の目標として暗殺しようとしたこともあったが、魔鉄鋼すら貫く『神弓』の矢を手掴みで受け止めた化け物である。


 既に奴は五年前に勇者が命に代えて討伐したが、遠目に見た少女の攻撃の威力は、かつて見た魔王を彷彿とさせた。

 ……いや、既にその魔王も、超えている可能性すらあるだろう。


「女神様は魔族の根絶やしを求めている。それを阻む障害であるアレは、まさに『悪魔』だ。ガキであるというのなら好都合、かつての魔王のように手がつけられなくなる前に殺すべきではないか。お前は護衛騎士として、黙って周囲の警戒をしていろ」


「……あぁ」


 ヒューズは、目を閉じ神力を練り上げに入った『神弓』から視線を外し、改めて周囲に気を配る。


 不審な魔力の反応はなし――魔法を使った罠や、転移陣は存在しない。

 広範囲の『感知』を使い、近隣に自分たち以外の大型の生命反応がないことも確認する。

 伏兵はない。

 既に確認したことだが、状況は常に変化する。

 用心深く何度も、様々な方法で異常を探った。


 そんな中、ふと気づく。

 様子のおかしい騎士がいる。


「騎士シェルパ、何を震えている」


 この作戦には『神弓』の他に、護衛騎士が十人同行している。

 発見される確率を下げるための少人数であり、万一魔族に見つかった際は盾となって『神弓』の撤退を援護するためだ。

 そのため選ばれた騎士は、選りすぐられた精鋭である。


「……間違えた。力量を、計り損ねた」


 ヒューズの前で震え続けている騎士シェルパは、護衛騎士の一人が事故で大怪我をしたためにその穴埋めで入ることとなった騎士だ。


 ――すぐに察した。

 騎士シェルパも、『遠見』の魔道具で『悪魔』の力を見たのだろう、と。

 普段から使徒と同行していない騎士は、その力の凄まじさを知らない。

 ならば、あんな化け物に敵うはずがないと考えるのも道理である。


「そう怯えるな。俺は『神弓』と共に二十年近く従軍して、何度も汚らわしい魔族どもを殺し、街ごと灰に還してきた。あんなガキなど、一撃で頭を吹き飛ばして終わりだ」


 ……励ましの言葉をかけるが、シェルパの震えは止まらない。

 そもそも、声かけに気づいてすらいないと、ヒューズの目には見えた。

 まるでここではないどこかを見るように、シェルパは虚空を見つめる。


「そもそも全てを読み違えていたのだ。……ディルグ様が生きていて、しかも今日この日に目覚めるなど、誰に予想がついた」


 理解不能な独り言。

 だが、引っかかる言葉もあった。

 ――ディルグ。

 それは、かつて魔領を統べていた魔王の名だ。


「シェルパ、お前……何を言って」


 ――その瞬間、魔領方向から大きな魔力の波動を感じた。

 ヒューズの心臓が跳ね上がる。

 即座に放たれた魔法の種類を判別し、『神弓』の居る方向に振り返りながら叫んだ。


「『感知』!? まずいぞ、おそらく魔族の斥候に補足された! とっとと『悪魔』のガキを殺せ! 撤退の準備、を……」


 しかし振り返った先に、『神弓』は見えなかった。

 その代わり、いつの間にか、一人の魔族が立っている。

 ……目にした瞬間、その魔族が誰なのか、理解してしまった。


 ねじくれた二本の角。

 人間より軽く一回りは大きい、筋肉質な体格。


 それは、二十年前に始まった魔領侵攻において、真っ先に滅ぼされた牛鬼族の肉体的特徴だ。

 しかし最初に狙われた牛鬼族は、長い戦役の中で少数の生き残りも既に死滅し、生き残っている個体はほとんどいない。


 ヒューズが知るのは、勇者が討伐したとされる最も有名な一人の牛鬼族のみ。


「魔王、ディルグ……」


 ――暗い森の中、魔王の赤い瞳が輝く。


「この魔王ディルグの前で魔族のガキを殺す算段か!! 良い度胸をしているな、貴様らッ!!」


 ビリビリと響く怒声に、気づけば膝が折れていた。

 ヒューズの周囲の騎士も、皆がことごとく膝をついている。


 ――魔力威圧。


 攻撃されたわけではない。

 ただ怒りの感情を籠めて、魔力をぶつけられただけ。

 だというのに、身体が奥底から怯えて竦む。


「魔王ディルグだとっ……!? し、死んだはずでは……!」


「転移陣などどこにもなかった! どうやって現れた!?」


 止めようのない動揺が護衛騎士に広がる。

 しかし、一人だけ……騎士シェルパだけは、ゆっくりと魔王ディルグへ向かって歩き始めた。


「騎士シェルパ! あれが本当に魔王だとすれば、容易い相手ではない! 迂闊に近づくな!」


 静止も効かず、騎士シェルパは魔王の前へ立つ。

 そして――ドロリと溶けた。


「……は?」


 騎士シェルパだった"何か"が、ぼこぼこと身体の形を変え、見知らぬ女へと変貌していく。


「ま、魔王様……。魔王様の意に沿わぬ勝手な行動をとったこと、どうか御許しを……!」


「馬鹿なっ……魔族、だと!?」


 ――ヒューズの皮膚が泡立つ。

 あれはハイスライム……高度な変身能力を備えた魔族だ。

 護衛騎士に魔族が混ざっていた。

 それの意味するところは――この作戦自体が、魔族による罠だったという可能性である。


 『神弓』は魔王に睨まれ、弓を構えたまま動けていない。

 今こそ護衛騎士が命を擲って、使徒を本国まで撤退させなければならない時だ。


「シャルミア。幸いなことに、貴様がやろうとしたことはまだ未遂だ。そして五年をかけて聖教国へ潜伏し、こいつらを釣り上げたことに関してだけは評価してやろう。貴様に一度だけ、処刑を免れる機会をやる。雑魚をやれ。罪を免じるだけの、自らの価値を示してみせろ」


 魔王がハイスライムの女にそう声をかけると同時、ヒューズは身体が少し軽くなるのを感じた。

 威圧が解けたのだ。

 魔王は騎士よりも、『使徒』の方を警戒している。


 ヒューズは覚悟を決めて、剣を抜いた。








 心にあったのは、シャルミアへの怒りではなく――間に合ったという安堵だった。

 前ハイスライム族長のように、裏切りで大きな被害を出せば、どうあっても処刑しか道はない。

 だが、今回は事前に介入できた。

 俺が目指すのは、『新世代』『旧世代』に囚われない、魔族全てを従えた強大な魔王軍だ。

 元魔王軍副官であるシャルミアは、その象徴として新制魔王軍再建に協力してもらわねばならない。


「魔王様、慈悲に感謝をっ……! 魔王様のように一騎当千とはいかずとも、騎士の十人足らず、問題なく蹴散らしてみせましょう!」


「クッ……! ハイスライム如きが!! 一人で我らに敵うと思っているのか!」


 シャルミアが感謝を口にしながら前に出る。

 相対する騎士たちも剣を抜くが、使徒でないならシャルミアに任せて問題はないだろう。

 元々シャルミアは、弱体化した『神弓』を不意打ちで殺した後、残りの騎士を相手取ることを想定していたはずだ。


 シャルミアや人族の騎士どもから意識を離し、弓を持った一人の男を警戒する。

 その男からは、人族が『神力』と呼ぶ魔力と似て非なる力を感じる。

 間違いない、あれが使徒『神弓』だ。


「貴様が使徒か」


「……」


 男は何も答えない。

 敵意……いや、強い苛立ちを感じさせる表情で、俺を睨みつけている。


 弓の弦は既に引き絞られており、いつでもこちらを撃てる状態だ。

 神力によるものなのか、矢からは白色の燐光が迸っている。

 ……シャルミアがこいつを殺すために搦手を使おうとしたのも、わからないではない。

 この一撃は、魔王である俺すら直撃すれば危うい程の威力を秘めている。


「それがこれまで多くの魔族を屠ってきた必殺の矢というわけか。だがこの間合いならば……貴様にできる勝負はたった一度きりだな」


 女神の加護についてはまだわかっていないことが多いが、こいつの放つ矢は、意志を持ったように狙ったものに必ず当たる。

 『必中の加護』――かつて翼人族族長ファルコも、この矢を魔法障壁で受け止めようとして、直前でそれをすり抜けるように動きを変化させた矢に射抜かれたのだ。

 ……目に見える範囲でありながら、助けることができなかった。

 だが今、ようやくその仇がとれるというわけだ。


 ――背後で剣戟の音が響く。

 シャルミアが護衛の騎士たちと戦っている。

 だが、少しでもこいつから意識を逸らせば、奴は俺の頭を射抜きにくるだろう。


 ……不意に、風が吹いた。


 ろくに整備もされてない監視塔の屋上。

 積もった砂が舞い上がり、視界を悪くする。


 ――勝敗は一瞬でついた。


「……『化け物』め」


「弓手がこの距離に迫られた時点で、負けだったのだ」


 隙を突くように放たれた矢を、俺の頭が弾け飛ぶ前に握りつぶす。

 いくら『必中』の加護といえど、矢さえ潰してしまえば、その効力は失われる。


「っ……」


『神弓』の腹を拳で撃ち抜き気絶させ、両腕をへし折った。

 ……だが、まだ殺しはしない。

 使徒を捕獲できる機会など、滅多にないからだ。

 ここは魔領へ持ち帰り、持っている情報を吐かせるだけ吐かせるのが得策だろう。


「フン……コソコソと隠れ潜む暗殺者など、目の前に引きずりだしてしまえばこんなものか」


 ここまで来るための転移にエーテルは使ったが、戦闘は通常の身体強化だけでこと足りた。

 エーテルの使用上限も、『感知』の一秒、『転移魔法』の二秒、あと二秒は余裕を残している。


「「「「ディルグ様、こちらも片付きました」」」」


 振り返ると、人族の護衛騎士十人近くが俺の方を見て、『シャルミアの声で』喋っていた。

 ……一瞬面食らうが、シャルミアは分体の生成能力を使って本当に十人力になったというわけだ。

 あえて敵の騎士に変身することで、同士討ちや攻撃の躊躇を誘ったのだろう。


 シャルミアの方は捕獲するつもりもなかったようで、本物の人族騎士たちは全員既に血の海に沈んでいる。


「……やはり貴様、フェルナに負けたというのは嘘だろう」


「ご想像にお任せいたします」


 周囲には、最早なんの気配もない。

 あっけないが、これが実力の差というものだ。

 そして撤収を始めようと考えた時……不意に『神力』を感じた。

 それから、声が響く。



 ――魔族如きが、よくも我が駒を。



 怒気の篭った、女の声だ。

 それが、耳を通り越して、直接頭の中に届くかのように聞こえてくる。


「シャルミア、今のが聞こえたか」


「……はい」


 すぐに異変は起った。

 気絶していたはずの『神弓』が、目を大きく見開く。

 そして、狂ったように頭をかきむしり始めた。


「め、女神様! 何をっ、おやめください、や、やめっ! やめてくれぇっ!!!」


 使徒の身体から、火花が散る。

 そして一瞬でその火勢は増し――真っ白に燃え上がった。

 瞬く間に使徒は灰となるが……そこに、強力な神力だけが未だ残っているのを感じる。

 明らかに異常な事態だ。


 使徒が死に際に叫んだ言葉。

 それが、脳裏で反芻される。


「……なんだこれは。それに、女神だと?」


 目の前の『神力』の塊から、再び声が響く。



 ――大人しく、滅びを受け入れよ。



 神力は使徒が使っていた弓矢へ移り……その弓矢は、空中へと浮いた。

 弓が独りでに引き絞られる。

 反射的に弓矢を破壊しようと身体が動いた。


「チッ……!」


 破壊できたのは、弓の部分だけだった。

 矢は一瞬の差で放たれ、それは北の方角へ高速で飛んでいく。


 ――地面を蹴り、放たれた矢を追う。


 あの方向は……大河の方角。

 フェルナがゴーレムどもを蹴散らしている場所だ。

 どうやら人族の女神とやらは、よほどフェルナ――『新世代』を排除したいらしい。





 ――森の中を駆ける。


 白色の燐光の軌跡を残し、先を飛び続ける矢。

 着地の瞬間、エーテルで足に一瞬の強化をかけて、大地を爆発させる程の勢いで追いすがる。


「面倒な動きをっ……!」


 矢はまるで意志があるかのように木々をすり抜け、俺を後方へ置いて行こうとしている。


 ――しかも、速い。

 弓矢の速度と、フェルナまでの距離を考えれば――到達までは、およそ五秒。

 転移魔法が脳裏を過るが、間違いなくあの矢には『意志』がある。

 フェルナが確実に無理となれば、あの矢は引き返してシャルミアの頭を弾き飛ばすだけだろう。


 エーテルの使用上限は、あと二秒。

 無理をすれば上乗せもできるが、今後の魔領統一を考えれば、二週間も休むことになる一秒ですら躊躇する。


 常にエーテルを使うわけにはいかない。

 だがエーテルを使わなければこれほどまでに高速で飛行する矢には追いつくことができない。

 足場が悪く障害物が多い森の中では、めまぐるしい着地と回避、瞬間的なエーテルの使用不使用の選択を強いられる。


 ――枝葉を身体で吹き飛ばし、吹き飛んだそれが落下するよりも早く、次の足場へと飛ぶ。


 刹那の瞬間の中で、縮まっていく距離と、残りの距離を考えて計算する。

 ……間に合う。

 このまま追えば、矢よりも俺の方が速く、フェルナの前にたどり着く。

 身体強化に使うエーテルも、小刻みな使用ならばなんとか持つだろう。


 大樹の側面を蹴る。

 岩石魔法で作った足場を蹴る。

 障害物を避けて最短でフェルナへ飛ぶ矢の軌跡を完全にトレースしながら、更に距離を詰めていく。


 あと少し。

 もう少し。

 矢との距離が、徐々に縮まっていく。

 森が終わるのか、視界も開けてきた。

 そして――疾走しながら矢へ手を伸ばしたところで……不意に足場がなくなった。



 ――崖。



 浮遊感。

 何かを蹴って前に進もうにも、足場が存在しない。


 自由落下による着地までの時間は――推定三秒。

 あの矢がフェルナの頭を弾き飛ばすまで、もう二秒もない。

 空を真っすぐ飛び続ける矢と、距離が引き離されていく。


 ――ふと、頭にいくつもの光景が蘇る。

 使徒『神弓』に狙撃され、将官たちの頭が吹き飛ぶ過去の光景。

 その中に、フェルナの父親であるファルコの姿もあった。

 このまま落ち続ければ、間に合わない。

 まだガキのフェルナすら、ああなるだろう。


 ならば――。


「『極地重力』」


 フェルナが使っていた大出力の重力魔法を、角度をつけて自分自身にかけた。

 隕石のような勢いで、地面へと墜落する。

 骨が軋むが、『身体強化』で強化した肉体は折れてはいない。

 転がるように立ち上がり、再び地面を駆けた。


 ――かかった時間は、およそ半秒。

 残り一、五秒。

 

 森を抜けた。

 ついに、遠目にフェルナと、彼女に迫る白色の矢が見えてくる。


「――え?」


 開けた場所まで白色に光る矢が来たことで、ようやくフェルナも気づいたらしい。

 フェルナは目を見開いて、自分に迫る矢を見て固まっていた。


 着弾まで、あと一秒。

 岩鎧竜の奇襲すら防げなかったフェルナに、アレを防ぐことは無理だ。


 これまでのペースでは間に合わない。

 だが……先ほどの森の中と、この場所は違う。

 今、俺とフェルナまでの間を遮る障害物は、存在しない。



 つまり――もう加減せず、全力で走れるというわけだ。



 身体強化の効果は、元の肉体の強さに比例する。

 魔領において随一の肉体を持つ俺がエーテルで身体強化をかけたなら、それは俺の知覚すら超える。

 森の中では出せなかった速度が、今、ここなら出せる。


「『身体強化』」


 ――蹴った地面が、クレーターのように爆散した。

 次の瞬間、フェルナの顔がすぐ先にあった。


 ――予想外の存在が現れたことへの驚きか、フェルナの瞳孔が僅かに開く。


 その瞳に吸い込まれる寸前の矢に、手を伸ばした。

 俺の手を回避するように矢が動く。

 フェルナの父、翼人族族長ファルコを殺した時と同じ、回避の動きだ。


 ――だが、それはもう見た。


 グシャリ、と。

 回避を先読みし、矢を握り潰す。

 崩れた矢の破片から、取り憑いていた神力が霧散していくのが、ぼんやりと見えた気がした。

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