超弩級長編小説

設定自体はよくあるものだが、次の話が気になってワクワクする作品。
 
 好きなところ
・異世界に対する没入感
この話の1番の特徴だと思う。主人公周辺の日常パートにも多くの描写がなされてあるから、読者に「自分がもしこの世界に転生したら」といった想像をさせてくれる。
・主人公の行動の自由さ
この作品の主人公は、貴族になって国に縛られたり、王になって統治に明け暮れたりすることがない。主人公がある程度自由に、旅したり冒険者の依頼をこなしたりご飯食べたりといった作品は、ネット小説の中でも意外と少ないと思う。私は、せっかく異世界に転生して力を手に入れたのに、貴族に仕えて自由に動けなかったり成り上がったことで行動に制約が生まれたりするのが、うーんと思ってしまうタイプだったのでこの作品はドンピシャでした。
・主人公の強さ
転生初期からかなり強いけど、この作品の異世界にとって何でもできるバランスブレイカーになっていないのが良い。主人公、セト共に強さの伸び代があって成長を楽しめる。Sランク冒険者、Sランクのモンスターの強さが絶妙でいい味出してると思う。
・セトの存在
作者様がどこかでセトを人化させることは考えてなかったとコメントしていたが、正解だったと思う。話せないけど、言葉の理解はできるというのもいい。
・続きが読める幸福と毎日投稿
作品を一気に読んでしまうタイプの人は、気に入った作品でも短時間で物語の完結まで読んでしまって無情感を感じるっていうこともあると思うが、この作品はそれを気にする必要はない。ベスティア帝国内乱編あたりで普通の小説なら完結するくらいの分量だが、この作品は現在投稿されている話数の4分の1にも終わっていないことになる。だから安心して続きをガツガツ読める。また、この作品の作者様は、何年もの間毎日投稿を有言実行している。書籍化されているラノベでもしばらく新刊発売がご無沙汰という作品も多いことを鑑みればまさにレジェンドという他ない。更新が止まって、続きが読めないということにならないから、毎日更新された話を少しずつ読むというWeb小説特有の楽しみ方を、絶対的な安心感のもとすることができる。

 強いていうなら気になるところ
・説明の繰り返し
他の方もコメントされている通り。主要メンバーについての説明はもう少し削った方がいいかなと思った。レジェンド2の方の穢れの話についても、全ての出来事を描写するよりも、例えば「一週間後〜」みたいにカットした方が飽きが少なくできるように思います。ただ、丁寧な描写による異世界への没入感がレジェンドのいいところでもあると思うので、加減が難しいところだと思います。
・謎の未回収の多さ
ストーリーはすでに十分面白いのですが、伏線回収、事件の真相などの説明があった方がより面白くなるかなと思いました。例えば、聖光教の闇やスティグマについて、ゼパイル世代後なぜ魔術は衰退したのか、異界から出てきた目玉触手モンスターは何だったのか、どうやって異界を開いたのかなどなど‥
ただ、この作品がほとんど主人公視点で描かれているので、主人公の知り得ない事案の真相について明らかにする必要はないかもしれません。
その後又はすでに説明があったらすみません‥

いろいろ書きましたが、本当に大好きな作品です。市販されている漫画と書籍買ってささやかながら応援させていただいてます。
今後も更新楽しみに待ってます。