STARTING OVER

烏丸千弦

prologue. ルカ・ブランドン単独インタビュー

――こんなふうに、おひとりでインタビューを受けられることって、けっこうあるんですか?


Luka Brandonルカ・ブランドン (以下L):まあ、あるよ。俺ひとりだけっていうより、ひとりずつ順番にってことのほうが多いけど。単独で取材を受けるのは俺よりも、ユーリとかテディたち、楽器を弾くメンバーのほうが多いね。やっぱり専門誌があるからね。


――なるほど、そう云われればそうですよね。でも、今日のように女性誌などだと、やはりルカ、あなたがクローズアップされることが多いのでは?


L:そうだね。俺がフロントマンだからね(笑)


――モデルとしても活躍されていて、最近では映画にご出演されることも増えてきましたね。しかし今日はそういった、音楽や映画など以外についてお話を伺っていきたいと思います……このインタビューが載る号は、ちょうど恋愛特集号なんですよ(笑)


L:ちょうど? ってどういうことかな(笑)


――そういうことです(笑)


L:俺、恋愛経験はちっとも豊富じゃないよ。なにしろ初めてつきあった相手がテディだからね(笑)


――では、そこを詳しく伺っていきたいと思います(笑) あなたが彼と出逢ったエピソードはもう既にあちこちで語られていて、私もいろいろ読ませていただいているんですが……


L:じゃあもういいんじゃない?(笑)


――そういうわけには(笑) 初めてテディと会ったときの印象って、どんなでしたか? よく云われているのは、人見知りがすごかったって……


L:うん。最初は一言も口を利かなくて、ずっと俯いてる感じで、なんだか暗い奴だなって思ったよ。でも握手をするとき、一瞬だけ目が合ったんだ……そしたら、あの顔さ(笑) そのときは整ってるなーってだけで特になんとも思わなかったけど、あとからひょっとしたら一目惚れしてたのかもしれないって思ったね。


――テディのほうはどうだったんでしょう? 彼はいったいいつ、どんなことをきっかけにあなたに好意を寄せるようになったのか、訊いてみたことあります?


L:……さあ、いつかな。訊いてみたことはないね。


――じゃあ、自分たちがもう、相思相愛だなって感じた、最初に幸せいっぱいだったのはいつですか?


L:ははっ、相思相愛かあ。そんな時期、あったかな?(笑)


――もう、はぐらかさないで教えてくださいよ(笑)


L:うーん、そうだな……ひょっとしたら――


――うんうん(笑)


L:テディの奴がほんとに本気で俺に惚れてたことなんて、今まで一度もないのかもよ?





――ロンドン発、最新のファッションとカルチャーの情報誌

     〈CRAVELクレイヴェル〉 二〇一三年四月発売号より――

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