第3話

引くのかな、と思った山吹くんだけど。

全く引かなかった。


藤島くんは高身長で超のつく男前男子。

威圧感ある。


そんな蛇に睨まれたカエルじゃないけど、

小柄な山吹くんは大して動じず、

飄々とこう言ってのけた。


「美人なダンス部顧問の先生に取りいることに

するかな...」


「入部届け、先生に再提出するわ。

まさか、今みたく、拒まれることはないだろうからさ...」


最初から顧問の山田先生に提出してれば、

良かったんだと、山吹くんは気がついたみたいだった。


鼻歌を歌いつつ、

部室から出て行った。


その山吹くんの背中に、

藤島くんは机を蹴り飛ばしながら吐き捨てるようにこう言った。


「マジで入ってくんな...底辺の陰キャが...!」




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