第19話 国王の依頼
国王に言われて私を探したんだろうな。
「分かりました。私も行きます」
「おぉぉ!これでこそ私の娘だ!よく言ってくれたぞ!」
はぁ、手のひらクルックルじゃないですか。
まぁどうせおさらばしますので良いですが。
そのあと、私は馬車に乗って国王の元へ連れてこられました。
「おぉ、マルリ様。よくぞきた。そして、シュールト公爵も良くやった」
「ありがたき幸せ」
国王の前ではこんなにも大人しいのですか…。
いつもこんな感じだったら良かったのに…。
「来たばかりで申し訳ないが…この国の現状を知ってもらいたい…聖女の娘、いや英雄の娘である君だからこそできることがあるのでね」
「はい」
なんだ、やっぱり国王も英雄の娘って事ばかりじゃない。
あっそういえばブレディア商会の方に連絡し忘れてました。
新作の話もあるので、あぁやっぱ来なきゃ良かったなぁ。
いやいや、こんな事考えてて話聞いてませんでしたって言ったら私の首が飛んでっちゃうよね。
ちゃんと聞きますか!
「実はこの国、前までは魔王に侵略されかけていたのじゃ。だがその時、とても強い力を持った勇者と聖女が現れたのじゃ。そして、勇者様と聖女様の力により魔王は封印された。だが、最近。魔王を封じた封印の力が弱まってきているのじゃ。そこで、英雄の娘であるマルリ様の力をお貸しいただきたいと思う次第であります」
「...?」
え?
無理。むりむりむりむり!私にそんな力はないから!
娘というだけで力なんてないから!
てかその封印ってお母様とお父様の命をかけてした物でしょう?
それをこんな私に触らせたら逆に危なくなりますって…!
むりむり!
「どうかしましたか?マルリ様」
どうしたもこうしたもないですよ!
こういうのはすぐさま断って…
「いえ、私にできる限りのことをさせていただきます」
え?えぇぇぇぇ!
待って、私のバカ。大馬鹿者!
何言っちゃってんの?何、国王前に緊張して出来もしないことを言っちゃってんの?
「おぉ、それはそれはありがたい!では、明日。魔王が封印されし英雄の墓所に参りましょう」
「分かりました」
やらかしちゃった~よ~
もう、むりだ…
私の作戦だと、国王の依頼をすぐに達成してこれが私の力です。みたいな感じで今までされたことを言ってあなたの元には帰りませんみたいなことを言おうとしていたのに…
なにそれ?封印?どうしてそんなに早く弱まっちゃうのさぁ~
でも、言っちゃったものは言っちゃったもの。
諦めるしかないですか。
ハァ…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます