第11話 英雄の墓所
何者かなんて言われましてもただの平民ですし…
「あの、私何か変なことしちゃいました?」
「「「はっ?」」」
「え?」
「いやいや、初めての戦いでそんなのあり得る?ちなみに今のスケルトンはcランクのモンスターなんだよ?」
「cランク?えっ?初心者になぜそんな敵を…」
「いや、君が倒したいと言っていたから何かあった時はすぐ助けられるし良いかなと思ってね」
あっそうでした。まぁチャレンジしてみるのも良いですよね。
あぁ、恥ずかしい!
「それにしても、実戦の初心者であり話し方や態度からして元貴族のマルリがどうしてこんなにも力を?」
「あっそうだ!謎の強い力を持つ少女。力というのは神に与えられ、真相を知るのは2人の英雄と神のみ!ってなことで聖女様達がいるところに行ってみましょう!」
「聖女様のいるところ…?」
お母様はもうとっくのとうに亡くなっておられますし、お墓のことでしょうか?
「そう!聖女様達が身をていして魔王を封印したと言われているところよ!」
「え?」
「あれ?マルリちゃん知らないの?ここよりも西の所にね聖女様達が眠る墓所があるの。そこは元々魔王城があった所でね。聖女様と勇者様は凶悪な魔王を、自分の持っているさまざまな力を代償に封印したと言われているの。そして、さまざまな力を失ってしまった勇者様と聖女様はそのまま亡くなったんだって。2人は最後、笑顔で、そしてどこか不安そうな顔で亡くなったといわれていて、愛し合う2人で最後を共にできたことによる喜びとまだ幼い娘を置いて行ってしまってこれから大丈夫か不安だったのではないかしら」
「幼い娘…」
「英雄の娘はそのあとどこかの貴族に預けられたらしいのだけどそれからは今のところ何も分かっていないの。でもきっと何一つ不自由のない生活をしてるんじゃないかしら」
何一つ不自由のない生活?いいえその逆ですよ。不自由でしかない生活でしたよ。
殴られ、蹴られ、罵倒され。そんな生活しかできませんでした…。
「マリーさん…違いますよ。英雄の娘はそんな夢のような生活をおくれていませんよ。自分を認めてもらいたくて一生懸命努力しても最後に返ってくるのは罵倒ばかり、そして婚約者からは婚約破棄…やってられませんよ…」
「マルリちゃん…」
あ、つい話し過ぎてしまいました。バレてしまうでしょうか。
ですが、話したらスッキリしましたし良いでしょう。
「マルリちゃん!墓所に行こうよ!行ってみようよ!わたし前から行ってみたいって思ってたんだ!」
「そうだ!そうだな、行ってみるのも良いかもしれない。おし、そうと決めれば早速準備だ!墓所にみんなで行こう!」
え?早くないですか?ですが、お母様達のお墓になんて行けてないですし…
行って、お墓参りをしましょうか!
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