第4話 誘い
ここが、換金屋さんですか。
初めて入る王都のお店。とっても楽しみです。
「いらっしゃい」
「どうも」
挨拶していただけました!
換金屋さんの店主さんは優しいおばあさんです。
「どれを換金したいんだい?」
「あっえぇっと…」
一番大事な事を忘れていました。
収納魔法の中から持ってきたドレスを出して渡しました。
すると…
「あんた...それはもしかして収納魔法ってやつかい⁈」
「はい、そうですが…」
もの凄く驚かれました。
一体どうしたのでしょうか?
「それはそれは、あんたその事はあんまりいろんな人に言わない方が良いよ。収納魔法が使える人は商人の道具にされちまうからね」
「そうなんですか⁈教えていただきありがとうございます」
どうやら、王都の皆さん全員が優しいという訳でもないみたいです。
道具として使われるのは嫌ですもの。
「それで、このドレスねぇ。あんたこれどこで手に入れたんだい?」
「それは…えぇっと確か…」
確か、このドレスはレルト様が社交会の時に渡してくださったものでしたっけ…?
いやいや、もう私は平民ですから関係ないのです。
「とある人から貰ったんです。今ではもう関わりはありませんが…」
「そうかい、いろいろあったんだね。まぁ、あたしから言えることはこのドレスかなりの上物だよ。本当に売っちまって良いのかい
?」
上物をレルト様が?私に?そんな事ありえるのでしょうか?
いや、きっと特別な意味などないのでしょう。
「いいですよ。もう私には関係ありませんから」
「そうかい、分かったよ。それじゃあ、いうとこのドレスは末端金貨32枚と換金だよ」
「金貨32枚⁈しかも末端価格で⁈」
金貨32枚と言ったら一般的な家を余裕で立てるほどの大金じゃないですか⁈
王家ってそんなに高いのを普通に買えるなんて凄いですわね。
「どうする?もっと欲しいかい?」
「いや、もう充分です!ありがとうございます」
「あら、そうかい。ところであんた見る限り家を追い出されたんだろ」
「えっ⁈なんで...」
まさか、バレてしまったのでしょうか?
だとしたらなんで…
「あんた、本当に分かりやすいねぇ。今なんで?って思っただろう。教えてあげるよ。私の得意スキルは[鑑定]。つまりあんたの事を鑑定したって訳さ」
わ~やっぱりスキルって凄いですね。
「そこで、あんたに話があるんだ」
「話?」
「私の友人にギルドマスターがいるんだよ。とはいえ、3人しかギルドメンバーはいないんだけどね。そこで」
「そこで?」
「あんたにそのギルドに入ってみるのはどうだい?って言う誘いだよ。見ると、あんたかなりの魔力と才能を持っているね」
「ギルドっですか」
たしかに、仕事をしないままでいるのも駄目ですし。
「私!ギルド入ります!」
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