第4話

「あ。」

噂をすれば影。タイミング悪いとはこのことだ。


「旬く~ん!待ってたよぉ!」

「遅いじゃぁん!今日会えるかと楽しみにしてたんだよぉ。」

お目当てのイケメンの登場に一気にテンションが上がる。

旬くんが空いている私の前の席に座った。と思ったら私を無言のままじっとみてくるのでたまれない気持ちになる。なんか気まずい。


「旬くん。気を悪くしたならごめんね。悪くいうつもりはなくて‥」

笑顔をむりやり作ってとっさに謝罪の言葉が出たが、悪くいうつもりはないなんてウソだ。

雰囲気が悪くなったから空気変えようとしている自分なりのウソだ。


旬くんは腕を私の方に伸ばしてきた。指の先にはビニール袋。

「差し入れ。」 

「あ、ありがと‥」

遠慮がちに中を見るとアイスクリームが何種類か入っていた。


私は席をこれさいわいに立つ。

「旬くんからの差し入れでーす!!ありがとうございます!!溶ける前に配っちゃいまーす!どれでもいいよね?!」


「「「ありがとうございまーす!!」」」

「旬くんホントに気が利く!やることもイケメンだよね!」


そう。この横木旬は非の打ち所ないイケメンだ。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

(仮)キミトノキズナ こうもりあやこ @ayapui

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ