閑話2 称号、会議、方針
神様が神殿に転移してきたそうだ。
私たちは全員で神殿へ移動する。
昨日のお姫様とおじさん、魔導士のような人も同行する。
騎士は同行しないが、要所に立っている。
お姫様の名前はマリエリさん、第一王女。おじさんは宰相でミシオルさん。
魔導士のような格好の人はやはり魔導士だった。宮廷魔導士筆頭のムクタンさん。
ちなみに、神様の名前はリリエラ様。
これから、ステータスをチェックするらしい。異世界転移の定番である。
どうやら召喚されたものは転移者というらしいが、この転移者は特別な存在なので神様がステータスチェックに立ち会うそうである。
神様が立ち会うと良い称号やスキルが貰えるらしい。ある程度、相談しながら決めることができるそうである。
私、中川明日香が勇者、橘幸宏が賢者、茅場美波は料理人、笹本賢一が剣の達人、服部華が忍者、山本圭太が槍の達人、楽山由紀子が委員長、若本すみれ先生が統率者。
他のクラスメイト達も良い称号または本人の望む称号を貰った。
完全に神リリエラの自由になるわけではないらしいので、私のように望んでもいないのに勇者なんて称号をもらってしまったものもいるわけだ。
勇者の称号をもらえる可能性があるのが私しかいなかったので仕方がないのだ。
スキルについてはまだ把握しきれていない。
これから会議である。
リリアーナ王国からはマリエリ姫、宰相ミシオルさん、宮廷魔導士筆頭ムクタンさんの3人、私たちからは、若本先生、楽山さん、橘君、私の4人だ。
本当は茅場さんと笹本君、華や山本くんあたりにも出席してほしかったのだが、茅場さんがそれだと多すぎると反対してこの人数になった。
この会議にはリリエラ様も加わった。
この国についての情報と隣国についての情報を教えてもらった。
神様、リリエラ様について教えてもらった。
私たちの取る方針を決めた。
私たち全員のレベルを10まで上げることが当面の目標。
最終的な目標はもちろん日本へ帰ること。
レベルを上げるのは私たちも魔物と戦って魔力を貯めるためである。
しばらくの間は外出するときにこの国の騎士などが同行するが、慣れたら自由に行動してよいことになった。
今のところ、戦争には後方支援で協力することになっているが、この国の現状を把握したのちに方針を変えても良いことにもなった。
ただ、会議で一番驚いたのは楽山委員長の発言だった。
私たち全員の称号とスキルを、この会議のメンバーとクラス全員で共有しよう、という意見である。
どうやら、この意見は山本君が発案したらしく、すでに会議に出ていないクラス全員の同意も得ているらしい。
クラスでは結構、橘君や私に対抗意識を持っている様子のあった山本君である。ちょっと意外に感じた。
委員長の発言には驚いていたが、橘君も賛成なようだ。
確かに、全員のスキルが分かると行動の方針が立てやすいだろう。リリアーナ王国側としても、強力なスキルを持っている私たちがどのようなスキルを持っているか把握したいだろう。
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