高三壱級メンバー集結
現れたのは赤のインナーカラーにサラサラの黒髪の赤い瞳の男の子と顔とインナーカラーが瓜二つの黒髪ロングの女の子が部屋に入って来た。
うわぁー。
2人共、可愛い顔してるな…。
男の子に可愛いって失礼だよね。
「あー、任務明けで寝みぃ。」
「美月(みつき)、しっかりしてよね。」
「野々山(ののやま)。任務帰りか?」
智也さんが二人に話し掛けた。
「あー理事長、お疲れ様でーす。ふわぁぁ。」
美月と呼ばれた男の子は欠伸をしながら智也さんに挨拶していた。
ふと、女の子と目が合った。
「理事長。その子ですか?」
「そうそう。紹介しとくな、この子が鬼頭聖だ。」
「ど、どうも…。」
あたしは女の子に軽く頭を下げた。
「三年の野々山雛(ののやまひな)です。んで、こっちが野々山美月。うち等双子なの。」
「どーも美月でーす。」
「通りで!!お顔が似てますもんね。」
ガチャッ。
再び扉が開いた。
「チィース。」
ダルそうに入って来た黒髪の金メッシュで黒と黄色のオッドアイの男の子の後ろから、黒髪パッツンパーマの黄色の瞳の女の子が現れた。
「あれ、任務終わったんだ雛。」
「玉ちゃん。」
どうやら野々山雛さんの知り合いのようだ。
「ほらお前等、鬼頭に自己紹介しとけよ。」
後ろから佐和先生とジュリエッタ先生が現れた。
「あ!この子が?初めてまして三年の玉村でーす。玉ちゃんって呼んでね。で、隣にいるのが犬山。」
「犬ちゃんって呼んでね。同じく三年だよ。」
「鬼頭聖です。」
「さ、メンバーも揃った事だし始めるぞ。」
智也さんの声と共にそれぞれが席に座った。
「では壱級集会を始める。佐和、情報の報告を頼む。」
「はい理事長。先日ジュリエッタと共に北海道に任務行って来ました。眠っている雪女の封印が解かれ神主と巫女が惨殺されました。そこで、現場にコレが落ちていました。ジュリエッタ出してくれ。」
佐和先生がジュリエッタ先生に合図した。
「この液体が入ったビンが落ちてました。」
紫色の液体が入ったビンを取り出した。
「「「「!?」」」」
あたし達は驚いた。
だってあの液体は…。
「八岐大蛇の血…。」
あたしは思わず声に出してしまった。
「鬼頭達の初任務で沼御前が飲んだ物と同じ物が落ちていた。憶測ですが…八岐大蛇は自分の血を妖怪に与え力を増幅させている可能性が高い。あの神社の周りにいる妖怪達は四級の雑魚ばかりだったはず。」
佐和先生の話している途中にジュリエッタ先生も口を開いた。
「惨殺された死体の周りにコレと同じ中身の入っていない瓶が何本も落ちていました。進ちゃんの推理
は正しいと思います。」
「野々山達の方はどうだった?」
智也さんは双子達を見た。
すると、雛先輩が口を開いた。
「各地に眠っている妖怪達が封印されている祠(ほこら)を二手に分かれて調査しましたが佐和先生の持っている物と同じ物が落ちてました。」
「雛と同じく俺等の所にもあったぜ。」
犬山先輩も瓶を出して来た。
色んな場所で八岐大蛇の血が見つかってるなんて…。
どう言う事?
「封印は解かれ、陰陽師達の惨殺死体。陰陽師の数を減らされている可能性がありますね。」
総司さんは顎に手を添えながら呟いた。
「じゃあ意図的にやってるって事かよ!」
隼人が机を軽く叩いた。
「八岐大蛇の封印が解かれ百鬼夜行のメンバーを集めに掛かっている。それを止めなければ東京が乗っ取られるぞ。」
「次に封印を解かれそうな所を張るしかありませんね。理事長の予想は何処ですか?」
蓮が智也さんに尋ねた。
「鴉天狗(カラステング)の眠る和歌山市御坊市(ごぼうし)にぬらりひょんの寝る岡山県へ二手に分かれて任務をして貰う。和歌山には野々山双子に鬼頭、田中と早乙女。そして岡山に佐和にジュリエッタ、犬山と玉村、楓に行って貰う。今回は結界師も連れて行く。本城は東京でいつでも医療班を出動出来る様に手配をしといてくれ。」
「了解しました。」
智也さんの言葉に総司さんは頷いた。
あたしは野々山双子達と行くのか…。
蓮達もいるから良かった。
「出発は一日後!出来るだけ急いで欲しい。悪いな皆んな。」
「理事長の所為じゃ有りません。それじゃ俺達は準備に行きますから先に失礼します。」
「お先です。」
そう言って佐和先生達は先に部屋を出て行った。
「宜しくね聖って呼んで良いかな?」
不意に雛先輩に話し掛けられた。
「あ、はい!宜しくお願いします雛先輩。」
「いーなー!俺もそっちが良かったぜ。」
犬山先輩は頬っぺたを膨らませていた。
「仕方ないでしょ!理事長の指示なんだから。気にしないで聖ちゃん。」
玉村先生が犬山先輩の頭を軽く叩いた。
「早乙女と任務は初だな。」
美月先輩が隼人に話し掛けていた。
「ウッス。今回は宜しくお願いします。」
「おう、二人共宜しく頼むな。」
美月先輩ってフランクで良い人だな。
隼人も敬語使って居るから尊敬しているのかな?
「それじゃあ今日は解散する。お疲れさん。明日に備えてくれ。」
あたし達は智也さんの言葉を聞いて部屋を出た。
陰陽師達の惨殺…。
八岐大蛇の力はそれ程までに強いって事か…。
「姉ちゃん。」
楓に引き止められた。
「楓。どうしたの?」
「今回、俺は姉ちゃんとペアにならなかったけど無理だけはしないでくれ。」
楓は真剣な顔をしてあたしを見た。
「早乙女。マジで姉ちゃんの事頼む。」
その視線は隼人にも向けられた。
「あぁ、分かってる。ちゃんと守るからお前も無理すんなよ楓。」
隼人はそう言って楓の頭を撫でた。
楓が隼人に頼み事するなんて…。
「僕もいますから。少しは安心して下さい。」
蓮も楓の肩を優しく触った。
その光景を野々山双子が見ていた。
「雛。」
「何、美月。」
「お前、気付いてるだろ?」
「何を。」
「あの男の事。」
野々山雛の視線の先には本城蓮がいた。
「行くよ美月。」
野々山雛は本城蓮を背に向け歩き出した。
「確信に変わるのは早いだろうから…。」
そんな会話をしているのをあたしは気付いて居なかった。
同時刻の本城家ではー
本城克也 四十八歳
コンコンッ
俺はアサミ(聖様の母上)がいる部屋を訪れた。
「誰。」
「克也です。部屋に入っても宜しいですか。」
「克也?」
ガラガラッ
アサミが扉を開けて来た。
長い前髪から見える顔立ちは、痩せ細っていても綺麗だと思ってしまった。
「何。」
「お食事を持って来ました。」
「ありがとう…。」
「どうして聖様にお会いにならないのですか。」
俺がそう言うと彼女の動きが止まった。
そして俺の持って来た料理を叩き落とした。
ガシャーン!!
食器の破片が頬を掠った。
「あの子は呪われた子よ!!?あんな…あんな子に会いたいなんて思わないわ!!あの人の……わりなのよ。」
「!?」
俺はアサミの言葉に驚いた。
「そんな…まさか…嘘だろ…。」
「調べたら分かるわよ。調べてご覧なさいな。私は…。産むだけの女なのよ…。」
そう言って扉を閉めた。
「まさか聖様が?」
俺は廊下を走り急いである場所に向かった。
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