第3話ルートA 刹那と瞬間




 勢いよく降り下ろした。

 

 罪は断たれた。

 地に残るは肉体のみ。


 今までと同じだ。何も変わらない。


 ただそこには少しのつまりがあった。

 心?だろうか。


 娘の落ちた首は、生前と変わらず美しかった。


 しかしそれは命を持っていたときとは違う、薄い美しさだ。


 

 刑吏は刹那に恋をして、罪人は瞬間で死に跳んだ。


 

 反逆することはできなかった。

 受け入れているものの意思をおることはできなかった。


 真実は永久に隠蔽され、ただ平穏だけが閑古と鳴いていた。


 

 酒のせいか、頭が少し痛んだ。





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