第4頁 上空からの落下物X
なんとか湖から魔動機を引き上げた一行。
怪我をしたメンバーをレインが神聖魔法で回復した後、レンジャー技能を持つフーリィが魔香草を使ってレインの魔力を回復した。
フーリィのこの薬草の知識は、幼い頃からよく山で怪我をするニトライドを治療するために学んだものだが、このメンバーの冒険においても、今や欠かせないものだ。
フーリィ:「ふぅ…こんなもんか」
レイン:「ありがとう、フーリィ」
アミラ:「結構疲れたけど…なんとか引き上げられたな!」
バーバラ:「レイン、魔動機を調べられるかい?」
レイン:「もう見てるよ!」
レインが魔動機の外観を調べてみると、扉と思わしき部分に魔動機文明語で文字が書かれているようだ。
アミラ:「この文字はわたしも読めるかもしれない…!」
その文字によると、扉を開けるためのボタンがすぐ横についていることが理解できた。
レイン:「これは、もしかして…」
PL/アミラ:何も言わないで押していいですか…?(笑) ポチッ
GM:(笑)…じゃあプシューと扉が開きます。
アミラ:「開いたぞ!」
レイン:「!…アミラすごいね!じゃあさっそく中に入って…」
魔動機の扉が開くと同時に、その中から何かが腐ったような強烈な臭いが漂ってきた。
フーリィ:「うっ…」
ニトライド:「あ~、オレ無理!入れない!無理無理無理無理」
アミラ:「ひどい臭いだな…」
バーバラ:「どうなってんだい、こりゃあ」
レイン:「い、行くしかないよ…」
フーリィ:「ニトは外で待ってろ」
魔動機の内部に入ると、その床には人型で毛むくじゃらな死体が転がっていた。また、床には既に凝固した真っ黒な液体が広がっている。
フーリィ「これは…レイン分かるか?」
PL/レイン:魔物知識判定。(ころころ)…14。
死体はひどく腐っており、原形を留めているとは言い難い有様だが、外見的特徴から恐らくはボルグの一種であろうことが予想できた。
レイン:「…これはひどい有様だけど…多分ボルグの一種だね」
フーリィ:「なんだって死んでんだ?」
バーバラ:「こいつが操縦してたのかい?」
PL/フーリィ:何か外傷的なものは分かりますか?
GM:うーん、これは見識判定かな。
PL/レイン:(ころころ)…15。
GM:では、恐らく自分の持っていた武器か何かが、体に刺さって死んだのだろうということが推測できます。
レイン:「これは自滅だね…」
アミラ&バーバラ:「自滅ぅ?」
フーリィ:「蛮族がそんなことするか?」
レイン:「正確には自滅とは違うかもしれないんだけど、自分の持っていた武器が刺さったように見える」
アミラ:「何かの衝撃で刺さっちゃったんじゃないか?」
レイン:「そうだね、空から墜ちたのなら…あるいは」
バーバラ:「逆にそれが刺さったから墜ちたということもあるんじゃないかい?」
フーリィ:「誰かに…殺されたとか?」
レインが死体を調べている時に、死体の近くに『紙きれ』と『眼鏡』が落ちていることに気がついた。
レイン:「これは…」
PL/レイン:といって拾います。
GM:紙は白紙で何も書かれていないようです。眼鏡は金縁の派手な眼鏡です。
レイン:「センスが悪い眼鏡だ…」
フーリィ:「レイン似合うんじゃないか?掛けてみろよ(笑)」
レイン:「嫌だよ!せめて洗わせてくれ!」
PL/レイン:宝物鑑定判定(ころころ)…15。
GM:これはルールブックⅠに載っている『ひらめき眼鏡』というアイテムですね。
GM:効果としては、見識判定と探索判定に+1のボーナス修正を得るものですが、噂によると隠された文字を読むことができる機能も持っているとか、いないとか…?(詳細は『エピックトレジャリー』を参照だ!)
レイン:「これは…『ひらめき眼鏡』だね。名前のとおり、身に着けるとひらめき力が上がるものさ」
フーリィ:「じゃあレイン掛けなよ」
レイン:「汚いけど…」
バーバラ:「もしかしたら何か見えるようになるかもしれないよ?この紙とか」
レイン:「たしかに!」スチャ
PL/アミラ:すぐつけた(笑)
GM:眼鏡をつけてみると、さきほどまで白紙に見えた紙に、建物内の地図のような絵が描かれていることに気が付きます。(地図を表示)
レイン:「うわぁ!凄い!これは凄い!」
バーバラ:「何が見えたんだい?」
レイン:「いや建物の地図みたいな絵が描かれているんだけど…!眼鏡をつけないと見えないみたいなんだよ…!すごいなこの眼鏡!」
フーリィ:「へぇ~、この魔動機の地図なのか?」
GM:この魔動機の内部は、ギリギリ5人が乗れるぐらいのサイズしかありませんね。
レイン:「いや違うと思うな、この魔動機の大きさ的に」
フーリィ:「やつらこの地図の場所から来たとか…ここに向かうとか、なのかね?」
レイン:「いや、何も文字が書いてないからちょっとわかんないなぁ」
フーリィ:「裏とかにも何も書いてないのか?」
レインが地図の裏を見ると、予想通り何らかの文字が書かれていたが、妖精や村人を含め、この場にいる全員が読むことのできない文字であった。
アミラ:「んー、これはわたしも読めないぞ?」
フーリィ:「蛮族が書いたものだから蛮族の言葉なんじゃねえの?」
レイン:「ごめんね、勉強不足で…」
アミラ:「まぁ何かに使えるかもしれないし、とりあえず持っといた方がいいんじゃないか?」
バーバラ:「そうだねぇ、じゃあレイン持っといてくれ」
レイン:「わかったよ。この魔動機はもう壊れてるのかな?」
GM:チカチカと光っている箇所がところどころありますね。
PL/アミラ:何か文字とか書いてあります?
GM:文字が書いてあって、起動ボタンと推測できるものがあります。
PL/アミラ:押します!ぽちっ!
GM:すると、スクリーン画面が色んな所で光って、そこに文字や画像が映し出されます。
レイン:「でた!すごい!」
PL/アミラ:その画面の内容は分かりますか?
GM:アミラがそのスクリーンを見ると、この魔動機は空を飛ぶための魔動機であり、行き先が指定されているようだということが分かります。
アミラ:「ふーん、場所が指定されてるみたい…あ、でも動きそうだぞ?」
フーリィ:「じゃあこれで行きたかったところに行ってくれるんじゃねぇのか?」
アミラ:「行ってみるか。でも、一旦この死体を降ろして…」
バーバラ:「そうだね、ちょっと臭いから降ろそうか」(笑)
アミラ:「あ、ゴーレム乗れないんじゃないか?」
PL/バーバラ:ゴーレム乗れますか?
GM:ゴーレム…。
※
依然としてゴーレムは2メートル越えの巨体だと思われているため、ゴーレムが魔動機の中に乗れるのか判断に迷うGM。
PL/フーリィ:乗れる、乗ーれーる。乗れるって、な?
PL/アミラ:上とかになんとか…。
PL/バーバラ:魔動機の外面ついている梯子につかまっておいで!どうかな?
GM:まぁ、やってみてもいいよ(笑)
PL/バーバラ:やってみるか(笑)
魔動機の内部を軽く掃除した後、蛮族の死体はアンデット化防止のため、村人に埋めてもらうことになった。
フーリィ:「じゃあ村人さん、あたしらはこれに乗ってちょっと手がかり探しに行くから」
GM/村人:「え、これに乗っていくんですか!?」
アミラ:「行き先が指定されてるみたいだからちょっと行ってみるよ」
GM/村人:「それ大丈夫ですかねぇ~…わかりました」
レイン:「じゃあニト、乗って!」
ニトライド:「やっとか。待ちくたびれたよ~」(笑)
アミラ:「まぁ中はまだ臭いままだがな」(笑)
レイン:「空飛ぶぜ~!」
ニトライド:「じゃあ乗ろうか…あ!何そのメガネ、すげーかっこいいじゃん!」
レイン:「センス悪いね、ニト」
ニトライド:「えぇ~…開口一番それかよ…」
一同:(笑)
GM:では、アミラは機内に書かれている文字によって、出発する方法がなんとなーく理解出来ます。
アミラ:「じゃあいいか?」
レイン:「早く…!アミラ早く!」
アミラ:「よーし出発!ぽちっ」
魔動機は『ギュイーン』という稼働音をあげると、地面に大きな風の波紋を広げながら空中に浮き、ゆっくりと速度を上げながら空へと昇っていった。
PL/一同:おぉ~!!
バーバラ:「と、飛んだよ!」
アミラ:「ほんとに動いた…!」
フーリィ:「やば、これ、わたし、ダメかもしんない…!」
レイン:「これが空かー!」
GM:魔動機はほぼ一直線に上に昇っていきます。
バーバラ:「おぉ~!だいぶ高いところまで浮くんだねこれは」
レイン:「フーリィ何しゃがんでんだよ!見てよこれ、すごいよ!」
フーリィ:「いや、ちょっと、話しかけんじゃねぇよ…」
レイン:「えぇ~すごいのになぁ…」
フーリィ:「ここにぶちまけられたいか!?」
レイン:「えぇ…やだ…」
ニトライド:「なんで脅してるんだ姉ちゃん」(笑)
アミラ:「でもまぁ、もうこの中結構臭いし大丈夫だよ」(笑)
フーリィ:「そうか…」(笑)
ニトライド:「確かにオレもちょっと気分悪いなぁ。いやぁでも綺麗だなぁ、外見てたら結構楽だよ姉ちゃん。うぇっぷ」
PL/バーバラ:お前もか(笑)
バーバラ「いやぁゴーレムは大丈夫かねぇ」
PL/バーバラ:と言ってゴーレムの方見ますけど…
GM:ゴーレムも何とかしがみ付いてますね(笑)
一同:(笑)
バーバラ:「頑張ってねゴーレム!」(笑)
GM:魔動機はどんどん昇っていって、雲と同じくらいの高さにまで到達しようとしてます。
レイン:「おぉ~!」
バーバラ:「どこまで行くんだいこれ?」
魔動機がとある大きな雲の中に入り込んだ頃、突如として魔動機内が赤く点滅し、けたたましい警告音が鳴り響いた。
真っ赤なスクリーンには大きく短い文字が表示されている。
PL/フーリィ:え、エラー…?
GM:なんか…画面一面にこう…。
PL/フーリィ:やばいやばいやばい(笑)
PL/バーバラ:まずい!やばいってこれ!
フーリィ:「何の音だ?耳障りだなぁ…」
バーバラ:「なんて書いてあるんだい?」
GM:アミラがスクリーンを見ると、画面いっぱいに『ERROR!ERROR!』といった意味の文字が表示がされていますね。
アミラ:「なんか緊急事態かもしれない…!」
フーリィ:「墜ちるんじゃねぇか?ほら、重量オーバーなんじゃねぇの?」
突然、赤い点滅と警告音が鳴り止んだ。
が、それと同時に、飛び始めてからずっと聞こえていた魔動機の駆動音が『フゥーーン』と、まるで息を引き取るように小さくなり、やがて機内は無音となった。
フーリィ:「あ、やば」
アミラ:「あー…これはまずいなぁ」
一同:(笑)
レイン:「皆、衝撃に備えて…」
ニトライド:「不吉な事言わないでよ!」
バーバラ:「衝撃に備えたところで何とかなるのかいこれ!」
アミラ:「とりあえず何かに捕まった方がいいかもしれない!」
GM:ぴゅーーーー!(コミカルな落下効果音を鳴らす)
アミラ:「あぁ~~~!!」
PL/ニトライド:うそ、こんな音で!?
一同:(笑)
PL/フーリィ:また湖に…?
機内が浮遊感に包まれる。魔動機が飛行していた高さから推察するに、長い時間落下が続くものと思われたが、その予想に反し、機体が地面に衝突する瞬間はすぐにやってきた。
ズドン!!
アミラ:「うわぁ!」
バーバラ:「あいててて…」
ニトライド:「あれ!?でも痛い!」
GM:全員、9点の落下ダメージで受け身判定を行ってください。
PL/ニトライド:13 → 0ダメージ
PL/フーリィ:13 → 0ダメージ
PL/レイン:10 → 0ダメージ
PL/アミラ:5 → (金属鎧ペナルティ)8ダメージ
PL/バーバラ:8 → 1ダメージ
PL/フーリィ:アミラ(笑)
PL/アミラ:あ、でも防護点が7あるから1ダメージか。よかった。
フーリィ:「いたた…。皆、大丈夫か?」
バーバラ:「なんとか大丈夫だよ。ゴーレム!?ゴ-レムは大丈夫かい!?」
一同:(笑)
GM:ゴーレムは普通に9点のダメージを受けてください(笑)
PL/バーバラ:あ~~!
ゴーレムHP23→14。
バーバラ:「ゴーレムは半分ダメになったね、これ。【アース・ヒール】を一発撃っとくよ」
ゴーレム HP14→21。
GM:魔動機の扉はぷしゅうと音を立て、勝手に開きました。
フーリィ:「高く上がったわりには落ちるの早くなかったか?」
アミラ:「そうだなー。やっぱちょっと壊れてたのかも」
レイン:「いや、明らかにおかしいよ」
フーリィ:「ここは、どこだ…?」
バーバラ:「まさか、雲の上に山があっただなんて言わないだろうねぇ」
ニトライド:「面白いこと言うな」
PL/レイン:辺りをキョロキョロします。
辺りを見渡すと、ここは薄らと緑に覆われた渓谷のようで、彼らはその谷間に落下したようだ。ただ、高所であるためか周囲を濃い霧が漂っており、この位置からではその全貌を窺い知ることはできない。
ふと、霧の隙間が見える。この渓谷を進んだ先に、ここより更に下を見渡せそうな崖があることに気が付いた。
PL/レイン:みんなで、見ます。
崖下に見えた光景は、まるで大海原のように見える白い雲と、その遥か下に広がる大地。そして、今彼らが見下ろしている崖の側面は、ある地点より下が存在していなかった。
つまり、彼らが立っている地面はただの山などではなく、空に浮かぶ大きな島だったのだ。周囲に漂う濃い霧は、まさしく島を覆っていた雲そのものであった。
一同:「すっげー!!」
アミラ:「これのおかげでそんなに落ちずにすんだんだな」
フーリィ:「いや、そうだけど、浮いてるんだぞ…?」
バーバラ:「へぇ~本当に雲の上に山なんかあったのかい」
ニトライド:「圧巻だなぁ!」
レイン:「これ…本で見たことがあるよ。浮遊島だ!」
フーリィ:「父さんが言ってた、空には島があるって…!これが…ラ、ラピュ…」
一同:(笑)
ニトライド:「何言ってるんだ姉ちゃん。オレらの父さんそんなこと言ってたっけなぁ」(笑)
フーリィ:「そっか…ニトは知らねぇんだ…」
PL/ニトライド:ボケすらエモくするな(笑)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます