第34話
「あまり手出しをするのは好みではないのですが……王の命令ですから」
「おいおい、兎族がなんのようだ? 獣族は関係ねぇだろ」
兵士の一人が声を荒げると他の兵士も怒りを露わにしていた。
「そう言われましても王が興味なさりまして……王は敏感ですから」
何をいいんだろうか……そして何故この場所がわかったんだ?
アリーヌならわかるかもと思いチラリと見るもピンときている様子ではない。
想定外……そう言わざるがならない状況であるのは間違いないようだ。
獣族、兎族その言葉通りにいま出てきた人物はそのような見た目をしている。
「まぁここであなた方と戦ってもよろしいですが、どうしましょうか?」
「やってやってもいいぜ?」
一部の兵士がそう口を開くが──
「やめておけこいつは獣族の王側近だ。ここで戦闘しても分が悪い」
兵士をまとめた団長らしき人が出てき、兵士に撤退を命じた。
何が起こったんだ?今の魔法もこの人が……。
「あの……」
そう勝手に声が出ていた。
なぜだがわからないが助けてもらえた……そう思っていいだろう。
その感謝をいいたい気持ちと興味心、疑問が湧いてきていた。
「あらなんです?」
「ありがとうございます……。助けようと思ったかはわからないですが……」
そういうとアリーヌも感謝を伝えた。
「あらまぁ王の命令ですから。私に言わんで王に言う方がいいわ」
そう言うとアリーヌは口を開いた。
「なぜ、、疑問に残ることがあるのですが……」
「うーん。色々と話してもいいけど……あんま時間がないので今度ね」
そういうとその人物は背中を向けて去っていた。
◇獣族の王視点
「これは面白いことが起きたわ」
そう口を開き、一面の空を見つめた。
私は獣族の王である。
王になるためには何が必要だと思うだろうか?
権力、生まれ、性別などそのようなことを思うだろうが一番は力と知性だ。
それらがあれば権力、生まれ、性別は関係ない。
その証拠に私は女性である。
類まれた能力を持たなければ王だと認められない。
だからこそ私は多くのことに気づく。
第六感というだろうか、私だけにしか働かないものがある。
他なら気づかないが私だけは気づく、今回もそのようなことだ。
「エルフ村……近くの人物」
でも今回は面白そうだ。
「この世界を変える……止まっていた時が動き出すような新たなことが起きる予感……」
まぁだが予感にしかすぎない。
絶対はない、しかしすごいワクワクするのはなぜだろうか
そしてもう魔法で部下にそのことは伝えてある。
「まぁこの直感がどう傾くのだろうね」
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