第17話
「ちょっと、こら! 英次君なの!? 悪戯なんかしちゃ、ダメだぞ!」
和子ねえちゃんは顔を真っ赤にして、ショーツが丸見えになったスカートを手で押さえると、すぐ元に戻した。
なんと怒られてビンタされるどころか、前屈みにしゃがみ込むと角畑の視線まで降りてきてくれたのだ。
そして困ったような……、むしろ嬉しそうな表情で鼻先を人差し指でつついてきた。
「学校でスカート捲りが流行ってんのかな? 男の子ってホント困るわね~」
なんと満面の笑みを、ポカンとする少年に捧げてくれたのだ。
角畑が行き場のない視線を足元に落とすと、今度は大迫力のしゃがみパンチラが両眼に突き刺さった。
ムッチリとした両ももの間から見え隠れする白い三角地帯は、ふっくらとしており、まるで神々しい何かを放つかのようである。
もう少年は鼻血が噴き出す五秒前の状態となったのは言うまでもない。
「英次君、女の子には優しくしないとモテないぞ。それじゃ、バイバイ」
そして和子ねえちゃんは気が済んだのか、垂れた三つ編みを背側に回すと、何事もなかったかのように颯爽と家路に着くのだった。
「………………」
角畑は暫く透明感がハンパない彼女の後ろ姿を見送っていたが、強烈なパンツの余韻に浸るでもなく、こみ上げてくる感情を爆発させた。
「うおおおおおお! スゲええええええ! ビハイヴううう!」
興奮冷めやらぬガッツポーズからの、次なるターゲットが角畑の脳裏に浮かんだ。
当時すぐ近所にあり、まだ営業していた新しい銭湯である。
もはや、この状況を堀田や森井にモニターされているかもしれない、という考えは吹き飛んでいた。
「次は女湯だ! 待ってろよ~!」
ビハイヴの中で少年となった角畑は、その精神までもが相応に若返ってしまったのだろうか。
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