第3話『とてつもないくらい非日常』

しばらくすると、涙目の母さんとリアがやってきた。

ぼくを刺した人がーとかその後どうなったーなどとお医者さんが教えてくれるが一向に頭に入ってこない。

さっきまで異世界転生しててなんかすごい人がぼくの中にいて、情報量が多すぎる。

やっと話し終わったのかお医者さんと両親が病室を出て行った。

すると、リア口を開いた。

「ごめん,,,」

何で謝るんだ?

「あのときアタシは何もできなかった。

 シズクが刺された時も、周りの人がいろいろしてくれてる時も、*****」

やばいシリアスな雰囲気になってきた。

(ちょっと!この子泣いてるわよ!

 何か優しい言葉とかかけてあげて、えーと,,,なんとかしなさい!)

何とかできるならもうしてるわコノヤロー!

えーと、とりあえず、

「大丈夫だから、な?

 だから泣くな、頼む、泣かないでくださいお願いします。」

「んえ?ん、分かった。

 じゃあ、今度また来るから。」

「お、おう、またな。」

ずいぶんアッサリしてるなー。

これが巷で噂の塩対応ってやつなのか?

ていうかもう夜じゃんお外真っ黒、

等と考えつつ、一人でぼ~っとしていると

(ねぇ、もう出てきていいの?)

(おう、いいぞー。

 え?出てくんの!?)

そしてぼくの中からサーっとあの人が出てきた。

うわぁすごい,,,,,

「それじゃあ改めまして、私はフェーカ。

 魔物の長を務めるものよ。」

ほうほう魔物の長,,,,,え?こっちに来るのやばくね?

「そうなのやばいのよ。

 最悪向こうの世界の魔物全部死んじゃうかも,,,,,」

「ぼくの名前は神崎シズクです。

 全部ってどういう事ですか?

 あと向こうの世界のこといろいろ教えてください。」

「それよりも!」

おー声でかービックリシター

「私が向こうに帰る方法を見つけなくちゃなんないのよ!

 だから、シズク,,,だっけ?

 あなたにも手伝ってもらうわよ!」

そうだこの人は人の話を聞かないタイプだった。

言うだけ言って「ここ分かんないからとりあえずあなたの中にいるわ。」などと

自分勝手にぼくの中に入っていった。

あ~ぼくの日常がとてつもない非日常になってしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る