第12話 冒険者と対面

 空は青く澄んでおり、ダンジョンの前には前回と同じように冒険者の集団が集まりそれぞれ武器の整備やこれからの攻略に期待を膨らませて談笑している。

 その集団に向けてギルドマスターが手を叩き注目を集めた。


「よし。それぞれ準備はいいか?今回確認するのは新しくできたフロアの確認と成長するダンジョンなのか、もしそうならダンジョンボスがいるはずだ。討伐しろとまでは言わないが最低でも能力の確認をしよう!!」

「「「おう!」」」

「任せろ!」

「ダンジョンボスぐらいすぐ討伐してやる!」

「それよりも成長するダンジョンなら生かしていた方がいいんじゃないか?」

「理性のあるダンジョンボスなら対話もありだよな」


 冒険者それぞれが周りに話してこれからの未来に思いを馳せる。



 一方…ダンジョンマスターの堂島はダンジョン管理室にて冒険者が集まってこれから侵入してくるのを黙って見ていた。


「ガイド何かあったら報告を頼んだよ」

「もちろんです。いついかなる時も私はマスターの力になります」

「ふふっ…ありがとな!」


 そうこうしている間に等間隔で冒険者がダンジョンに入ってくる。しかも、前回と違い全パーティーが陣形を組みながら侵入してきているのだ。


「一度に相手する人数が増えるのか…どこまでやれるか分からないがそろそろ行くか」


 こうして堂島はダンジョン2Fに転移して冒険者を待ち受ける。



「本当に地下に続く階段があるな…」


 報告に受けていたが、以前攻略したと思っていた地点に確かに地下へと続く階段があったのだ。

 その階段はこれから訪れる悪夢を誘う地獄の階段に見えて仕方なかった。


「よし。1度ここで休憩しよう!各自アイテムの確認と装備の確認を怠るなよ。それと、各パーティーのリーダーは集まってくれ!」

「「「「了解!!」」」」

「さぁ、実際に1Fは前回と変わりがないようだがこの先をどうする?」

「慎重に進んだ方が良さそうね」

「間違いねぇ。それに、なんか嫌な予感もするからな」

「パーティーごとに前衛と後衛を分けてそれぞれ配置しながら少しずつ前に進もう」

「それがいいな。あと、念の為後ろにも前衛職は数人置いとこう」

「よし。じゃあ、その案でいくぞ!何も無いことを祈る!15分後には進むぞ!」


 こうして、冒険者たちも準備万端で堂島の待つフロアに足を進めるのであった。



「思ったよりも攻略のスピードが早いな…」


 堂島はダンジョン作成スキルで見れるフロアマップのモンスターの生死を確認しながら来たる冒険者を待っていた。

 このまま進めばこの広めに取っている空間に冒険者は来るだろう。時間としたらもうあと5分もないかな?


「やれるだけやってやる!それに、負けるのは嫌いなんでね」



「ギルドマスター!前方に扉があります!」

「何!?本当か!?」


 ここまで大した負傷やアイテムの消費もなく進んでいた冒険者の前に重厚な扉が待ち受けていた。


「これはダンジョンボスがいる可能性があるな。皆気を引き締めていくぞ!」


 そうして、堂島が待つ空間に冒険者が進むのであった。

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