第11話 さて、準備はできたぞ!

(…バタンッ!)


「ギルドマスターはいるか!!」


 大きい声をあげながら勢いよくドアを開けてきたのはフェニックスパーティーであった。


「そんなに焦ってどうしたんだ?ニコラスよ」

「この前行ったダンジョンに地下へと続く階段があったんだよ!」

「何!?本当か!」

「間違いねぇ。ちゃんとみんなで確認したからな!」

「わかった。再度捜索隊を出すからフェニックス達も参加するか?」

「もちろん参加するぜ!」

「わかった」


 こうして、再びダンジョンへと捜索隊が組まれようとしていた。




「国王様!申し上げます!」

「どうした?」

「先程、ギルドマスターのワトリングよりダンジョンに地下へと続く階段が発見されたとの報告があり緊急で捜索隊を出すとのことです」

「何!?それは真か?」

「はい。もし、本当ならこのダンジョンは成長するダンジョンの可能性があるとか」

「報告を急ぐよう明日にでも再探索するようワトリングに伝えておけ!それから別途また報酬を出すから緊急任務として取り扱うように!」

「ははっ!」




「ガイドなんか他にやる事あるか?」

「宜しければ、スキルや魔法のレベルを上げるのはいかがでしょうか?」

「確かにそうだな…(最近ダンジョン作ってて熟練度上げてないからやっておくか!)」


 それから活動の半分は鑑定して本を読み、さらに半分は魔法を土壁に打ち続けた。すると…


(…ピコン!)


「ん?何だ?」


 久々にあのノートが光っていてそのページを開けてみると…



<目標>

・2Fにてダンジョンpt5000収集

・初級魔法(火・水・土・光・闇)レベル3達成



 いきなり目標が2つ増えていたのだ。


「おぉー!しばらく見てなかったけど、目標が増えてる!ガイド1Fで獲得したダンジョンptっていくつ?」

「1Fにて獲得したptは830です」

「そういえば、ptの内訳って何?」

「敵(ダンジョン侵入者)の心肺停止で150、敵(侵入者)の体力値半分を超えるダメージで50になります」

「なるほど…1Fでそれくらいだと2Fで5000貯めるのはだいぶかかりそうだな…」

「他に方法があるとしたら、マスターが2Fで冒険者を殲滅するという手段もございますよ?」

「え?そんなことしていいの?」


 まさか自分がモンスターとなって対峙することが出来るとは思ってもみなかった。


「もちろんです!そのためのスキルや魔法訓練だと思っていたのですが…」

「いや、これは翔太さんがおすすめしていたからで…」

「それでしたら本日は1日しっかり休んで明日から2Fにて迎撃してはいかがでしょう?」

「そうだな!魔法のレベル上げとしてもそれはいいな!」

「はい。それでは本日はお休みくださいませ」

「わかってるよ!おやすみ!(この前の不眠不休でダンジョン作ってから口酸っぱく休むよう言われるな)」


 ガイドの心遣いを嬉しく思っていた。また、ダンジョン内であれば冒険者が死んでも復活できることから殺すことに躊躇はなかった。

 こうして、堂島が2Fで迎撃する日と再探索の日が被ることになるとは誰も思いもしなかったのである。

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