第9話 ダンジョン攻略②
「(意外と嫌らしいところに罠があるんだな)」
ギリーズはFランク冒険者ということもあり、わかりやすい罠であれば回避することが出来た。
「(なるほど。スライム三体とは初心者向けのダンジョンか?)」
とにかく得た情報はすぐさまパーティーに伝えるため来た道を戻ろうとした。すると…
(…グルルルゥ)
「(!?ハウンドドッグもいたのか…)」
ハウンドドッグはすごく獰猛で動きも早く鼻が利くため倒すには少しコツが必要なモンスターである。
「(ここで隠れていてもバレるだけだ。今はまだハウンドドッグは1匹だけだし何とかなる)」
ギリーズは片手に小剣を持ちハウンドドッグが近づくのを待った。そして…一歩一歩近づいてくるハウンドドッグの脇腹に深い傷を負わせトドメを刺すことなく、仲間のいる方へ駆けていく。
「ダン!敵はスライム三体と瀕死のハウンドドッグだけだ。少し危なかったが今のうちに来てくれ!」
ギリーズが戻ってきたや否やパーティーメンバーは足早にギリーズが来た方向へと駆け出した。
「ギリーズとブーマーはハウンドドッグを頼む!俺とジェームスとセラはスライムを処理するぞ!」
「「「「了解!」」」」
素早く二手に別れてスライム達を取り囲む。
「ブーマー後方から魔法で援護してくれ!俺はあいつを抑えるから合図したら打ってくれ!」
「わかったわ!」
「1人1体ずつでいこう。ジェームスは左を、セラは右のを牽制していてくれ。俺とジェームスが終わり次第援護に向かう」
「任せとけ!」
「わかりましたわ!」
スムーズに指示を出し終えるとそれぞれが自分の役割を認識し上手くモンスターを処理していった。
「ふぅ…危なかったな…」
「さすがにハウンドドッグに会った時は生きた心地しなかったわ」
「でも、これくらいなら私たちでもこのフロアは行けそうね」
「そうだな。少し休憩してから先に進もうか」
「よっしゃ!セラ!弁当くれ!」
「ギリーズさんどうぞ」
「これがGランクとFランクの違いか…」
「大体の強さはこれくらいだと思われます」
「戦闘はスムーズに出来ていたし罠もすぐ分かるみたいだな」
「日々命を賭けて稼いでいるので経験として肌に染み込まれているのでしょう」
「少し舐めていたな…もう少し難しくしないとダメージを与えることすら出来なくなるな」
「今回は初披露ですから仕方ないですよ」
「ガイドありがとう。これからどんどん成長させていかないとな」
「はい。よろしくお願いします」
堂島は次のフロアにどんな対策を取るのか考えるのが楽しみで仕方なかった。
そうして10分おきに冒険者たちが次々と攻略していき、日が暮れると一行は帰っていくのであった。
「ふぅ…今日はどっと疲れたなぁ…」
「初めての開場お疲れ様でした。まさかマスターが現れてダンジョンを開場することが出来るとは思っていなかったので、ありがとうございます。この後はゆっくりおやすみくださいませ」
「こちらこそ今日までたくさん手助けしてくれてありがとうな!そして、これからも支えてくれると嬉しいかな」
「もちろん誠心誠意お支え致します」
「ふふっ…じゃあ風呂入って寝るわ!おやすみ!」
「はい。おやすみなさい」
こうして、転移してからおよそ1ヶ月ほど経ったがようやく堂島のダンジョンが開場した。
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