第8話 ダンジョン攻略
ダンジョン前に集まった冒険者たちは数十人となっていた。
「最終的な点呼をとるから、各パーティーのリーダーは集合してくれ」
大声をあげて冒険者たちをまとめているのが、モントーヤ帝国のギルドマスターを任せられているワトリングだ。
彼は冒険者の最高ランクSランクを取得し、国王の親友ということもありながら若手育成のため現役を退きギルドマスターへと就任しているのである。
「ギルドマスター!この人数でダンジョン入って大丈夫か?」
「それは私も思ったんだが、中がどんなダンジョンかもわからないからな。少しでも人数が多い方がいいだろうも国王様の判断だ」
「まぁ、報酬はたくさん貰えるし悪いことはないんだからいいんじゃないか?」
「あ。でも…1ついいですか?」
「ん?君は…」
集まった各パーティーのリーダーの中でも見た目が若く13歳ぐらいの男の子が手を挙げていた。
「挨拶遅れて申し訳ありません。フェニックスパーティーリーダーのニコラスです。私たちは素人なので先にベテランの冒険者方が入られると宝箱や経験値が獲得出来ないので先に入らせて欲しいです」
「んー、それは一理あるな…でも初めてのダンジョンだからどれくらい危険かわからないから順番は申請順にしようと思う」
「わかりました。確かにその方が揉め事はないですよね。発言失礼しました!」
「いや、若いのに堂々と発言できて素晴らしいと思うぞ!」
「じゃあ、そういうことだからまずは…」
ギルドマスターが各パーティーリーダーに入る順番と約束事項、報酬について最終確認し解散となりいよいよダンジョン攻略へとなるのであった。
「お?各自順番に入っていくのか…そりゃああんなにたくさんの人数全員で入るわけないよな」
「そうですね。一番最初は男女2人組の冒険者ですね。もしよろしければモニター越しに鑑定を使ってみてはいかがですか?」
「そんなこともできるのか?(鑑定!)」
するとモニターに冒険者たちの情報が反映される。
・エリース/11歳/女性(Gランク冒険者)
スキル…なし
魔法…初級魔法・水魔法
・デイ/11歳/男性(Gランク冒険者)
スキル…鉄壁
魔法…なし
「人に使うとこんなことまで分かるのか…」
「はい。もし宜しければ今後入ってくる冒険者がいましたらスキルとリンクして瞬時に鑑定致しますか?」
「よろしく頼むよ!」
「かしこまりました」
そんなことを話している間に2人の冒険者は…
「エリース周りを警戒して!」
「わかったわ!とりあえず敵はいなさそう…」
「ちっ!ここは行き止まりだ!引き返すぞ」
(…カチッ)
「!?エリース周りを…」
デイが声をかける前にエリースの心臓に矢が刺さっていた。
「エリース!!今、回復薬を…」
「デイ…大丈夫…私の分まで生きて…」
するとエリースの体が白い粒子になり消え去った。
「良かった…ここはリスポーンできるのか…」
まだ初めてのダンジョンであったため、リスポーンできるダンジョンなのか分からなかったため不安でしょうがなかった。
「エリース…今行くよ」
そう言うとデイは自分の心臓に矢を突き立てた。
「な!?こんなトラップでやられるのか…」
「まだランクの低い冒険者ですので警戒が足りなかったのかと」
「そして、リスポーン可能であれば自害してダンジョン入り口に戻るのか…(何の躊躇もなく自害するから驚いた…)」
「はい。なので、冒険者はいつでも死ぬ覚悟が出来ているのでダンジョン攻略が出来るのです」
「これは、拾ったアイテムはどうなるんだ?」
「もし、自害などでダンジョンの入り口に戻った場合取得した半分は持って帰ることができもう半分は元に戻ります」
「まだまだ分からないことだらけだな…お?次は5人組か」
そんなことを話していると次の冒険者が入ってきていたようだ。
・ジェームス15歳男性(Fランク冒険者)
スキル…気配察知
魔法…なし
・ギリーズ14歳男性(Fランク冒険者)
スキル…隠密
魔法…なし
・ダン14歳男性(Fランク冒険者)
スキル…鉄壁
魔法…強化魔法・剛
・セラ13歳女性(Fランク冒険者)
スキル…なし
魔法…回復魔法・癒
・ブーマー14歳女性(Fランク冒険者)
スキル…身代わり
魔法…中級魔法・火魔法
「これは知らない魔法とスキルばっかだな」
「この世界に存在するスキルと魔法の数は未だに全容が掴めていないのでマスターがご存知ないのも無理はないかと」
「ガイドありがとうな!じゃあ観察していくか…」
まだ知らない魔法やスキルがこれから見れるわくわくさを隠しきれず少し語尾が上擦ってしまった。
「ジェームス、ギリーズ何か異常があればすぐに知らせてくれ」
「了解!」
「セラは後方の確認と何かあれば回復魔法の準備を」
「わかったわ!」
「ブーマーは俺が耐えきれない攻撃がきたらダンジョンの壁に身代わりを、敵が出た場合は隙を見て魔法を頼む」
「任せといて!」
「ダンこの先に生物反応が3つある」
「わかった。ギリーズ確認に行けるか?」
「俺を誰だと思っているんだ?すぐに確認してくるよ!」
「気をつけて行ってくれよ。リスポーンが可能なのは分かっているが死ぬとこは見たくないからな」
「分かってるって!じゃあ行ってくるからちょっと待っててくれ」
「頼んだぞ。ギリーズ!」
すると、ギリーズが発していた気配などがなくなり意識しないとギリーズが居ることを確認できなくなっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます