第7話 開場しちゃったわ...
しばらくダンジョン内を好きなようにカスタマイズしていたところ…
「とりあえずモンスターと宝箱はこれでいいかな?ガイドどう?」
「はい!大丈夫です!開場しますか?」
「お?ようやくか!!」
罠や宝箱などを配置してて予測はしていたが、このダンジョンはまだ完成してないから地上に繋がってなかったのか…
「開場致しますとこのダンジョンを地上へと開放すること出来ます。冒険者というダンジョン攻略を生業にしているもの達がやってくるはずです」
「なるほど…ん?でもここはどーなる?」
「こちらのマスタールームは2Fへと移動可能です。移動しますか?」
「あぁ…頼む。」
そう宣言すると、目の前にあった複雑な構造をしていた土壁は消え去り最初に見たあの何も無い空間が現れた。
「(メニュー…やっぱりか)」
フロアマップを確認すると先程まで右上に1Fと表示されていたのが2Fと変わり今まで設置していた壁や罠、配置していたモンスターや宝箱は無くなっていた。
「じゃあ開場してもらえるか?」
「はい。かしこまりました。」
ーーモントーヤ帝国
ここは人間大陸の中でも1.2を争う武力国家で多くの冒険者が滞在している。
そんなモントーヤ帝国のすぐ近くで突如地面からダンジョンが出現したのだ。
「国王様!申し上げます!我が帝国のすぐ側でダンジョンが出現した模様です!」
「何!?それは本当か?」
「はい。近くを通りかかった農夫たちが発見しております」
「直ちに冒険者を派遣して確認させてこい!」
「ははっ!すぐに手配してまいります」
ここ数百年新しいダンジョンの出現はなかったため、国王は新しい財源に心浮かばれていた。
そして、冒険者ギルドでは...
「国王様から直接依頼が来たぞ!報酬は破格だ!参加人数に制限はないからどんどん参加してくれ!」
「よっしゃ!俺は参加するぞ!」
「これはすごいな!俺たち翡翠の狼も参加させてくれ!」
「私ら美少女も参加させてよ」
たくさんの冒険者たちが堂島のダンジョンへと乗り込もうとしていたのである。
「マスターよろしいでしょうか?」
「ん?どうした?」
「はい。私が見た限りではダンジョン管理室に1度も入っていない気がしまして...」
「ダンジョン管理室?そんなのどこにある?(だから、そもそもそんなのマニュアルにも書いてないし、聞いてないんだが??)」
「廊下突き当たり右手にある紫色の扉になります」
「あぁー!あの開かなかった部屋か!でも鍵はないぞ?」
「そちらの部屋はダンジョンマスターだけが開けることができ、メニューウィンドウの項目に解除キーというのがあるのでそちらから解錠可能です」
「へぇー行ってみるか!(あとでまだ聞いてないことないかガイドに確認しておいたほうがいいな)」
堂島は以前開かなかった紫色の扉の前に来た。
「(解除キー…あった!)」
(…ガチャ)
「お?開いた!」
中に進むといかにも管理室らしい量のモニターとボタンがたくさんあった。
「マスター左手にスイッチがあると思いますので全ての電源を入れて頂けますか?」
「これかな?」
(…パチッ)
すると全てのモニターに電源が入り前に作った1Fの様子が映し出されていた。
「すげぇなこれ!これで管理できるのか!」
「はい。こちらで冒険者の様子をご覧頂きながらたくさんの対抗策をご考察いただければと」
「ガイドありがとな!(もう少し早く言ってくれると助かる!!)」
「いえ、とんでもございません。私はマスターを支えるのが役目なのでお礼など勿体ない言葉です」
ここ数日過ごしていくとガイドが堂島にとってなくてはならない存在になっていた。何かわからないことや次にすべきことを提示してくれるのはすごく有難いことだと痛感していた。
「(それでも教えてくれるだけありがたいことだよなぁ…こんな優しい上司がいたら、あっちでももう少し楽に仕事できたのかな?)」
「マスター。敵を検知しました。表示しますか?」
「敵!?見せてくれ!!」
すると、モニターが映り変わりたくさんの冒険者がダンジョンの入り口に集まっているのが見えた。
「え!?なんでこんなにたくさんいるの!?」
「恐らくここしばらく新しいダンジョンは作成されていないので冒険者たちも新しいダンジョンに興味があったのかと」
「これはまずくないかい!?まだ1Fしか出来てないしすぐに踏破されちゃうんじゃない!?」
「いえ、踏破されることは問題ないです。踏破されたからと言ってここが無くなるわけでもありません。我々はいかにダメージを与えれるかが問題なのです」
「ん?と言うと?(ほら。やっぱりまだ聞いてないことあるよね…)」
「はい。ダンジョンptの取得方法がまさしく敵つまりダンジョン侵入者へのダメージになるのです。ダメージ量が多いほど獲得できるptは多くなります」
「なるほど…じゃあどんどん人を呼び込んで冒険者達にダメージを与えればいいのか」
「左様でございます。なので、人数が多いほど我々としては有益なことなのです」
「じゃあ、このままどんな風に攻略するのか観察しますか!」
観察されてるとも知らず冒険者はぞろぞろとダンジョンに向かっていくのであった…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます