第八章の⑫:新聞用紙値上げ交渉の記事を見て①
さて、久しぶりの駄文執筆・・・皆様新年あけましておめでとうございます。今年は気が向いたときにだけ書くぞ!
と言うわけで、Twitterを流し読みしていたら色んなニュースで『新聞用紙2月から値上げ!』と記事が出ていたので、昔を思い出して書いてみる・・・
第六章『新聞屋時代の思い出』でも新聞業界について書いてみたが、今流し読みしてみたら収益構造について記載していなかったので、ちょっと書いてみようと思う。Twitterを読んでみても知らない方も多そうなので、『ほー、こんな業界なのか』と思ってもらえれば幸いです。
では、基本的に新聞と言う商品の販売ルートと料金内訳について基本的な所を話していくとします。
基本ルートとして・・・
①新聞社(Y、A、S、M社が四大新聞と呼ばれます・・・)が新聞を印刷する。
②印刷された新聞を各社販売店に配達する。
③配達店は新聞を配達し、毎月の代金を回収する。
当たり前の話なのですが、これが基本の商売です。
新聞社と販売店は全くの別会社(中には新聞社系列の販売会社『販社』もあるようですが・・・)なので、新聞社は販売店に新聞を売りつけて代金を回収します。
販売店は、新聞を顧客に対し販売と配達の契約を締結して(訪問販売で契約するあれです)お客さんから毎月の代金を回収し、新聞社への代金支払いに充てる・・・と言うお金の流れになります。
そして、新聞代金の内訳ですが(ここからは私が働いていた当時の話なので現在の事情は知りません)、大半を新聞代金の支払いと配達員の配達給料に充てるわけです。新聞配達の料金は一部いくらの配達料金なので、配達数が多ければ稼げます。ただ、販売店としてはほぼ新聞社への代金支払いに充てる+新聞購読料にあらかじめ組み込まれた配達料で売り上げのほとんどが消えるわけなので、新聞販売単体で利益を出しているわけではありません。
となると、新聞社は販売店へ新聞を売りつけることで売り上げと利益を上げるが、販売店はどこで利益を上げるのか・・・?と言うところに疑問が行くと思います。
何せ、新聞販売だけだと販売店の手取りは雀の涙、店舗運営などままならないのですから・・・となるとどうしたのか?
恐らく気づいているかもしれませんが、『折り込みチラシ』が販売店の最大の利益源なのです。
一般的に新聞の折り込みチラシは、新聞社がクライアントと契約して全国的にばらまくものでなければ、地域の販売店さんが依頼して地域ごとに折り込む場合が多いです。
お店にチラシを持ち込んだり、配送してもらったりする中で大きさや折り込む場所などによって料金が変わっていきます。
大体1枚当たり3~9円くらいでしょうか。『頭(アタマ)』と呼ばれるチラシ全体を整えるためにセットする一番外側の目立つところのチラシだと当然料金は高くなります。
そして、1店舗当たり当時は3000部位(私が働いていた当時)を販売・配達していたので、単純に平均して折り込み単価が5円だとしても、地域に配達する部数(3000部)×折り込み単価5円で、1回あたり1万5千円程度の売り上げになるわけです。
そして、これが1日当たり平均10件の折り込み依頼があるとした場合、1日1万5千円×10件×30日=450万円が月間収入となるわけです。(当然1日10件よりはるかに多い日もありますし、少ない日もあります。実際の所は一日当たりにするともっと多いと思います・・・)
この450万円から配達員の給料以外の従業員の給料、店舗運営費、販管費等を差し引いた残りが純粋な利益となるわけです。
これが大雑把な新聞販売店の売り上げ構造になるわけです。
まぁ、今回大幅な新聞用紙料金の値上げで、新聞代金も少なからず値上げせざるを得なくなると思いますので、顧客の契約件数が減ることは十分に考えられます。
ただ、その中でも新聞社は売り上げをあげないといけないわけで・・・
と言うわけで、次回はちょっと公然の秘密を書いてみたいと思います・・・
とっぴんぱらりのぷう。
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