第七章の⑪:人を見下す人の末路

さて、本日(2022年4月18日)とんでもない話題が飛び込んできた。

某大手牛丼チェーンの常務取締役が『不適切発言をして謝罪した』と言うものだ。

これを書いている時点でTwitterのトレンドにも上がっているのでほぼ日本国中で知られてしまっている事なのだろうが、非常に問題である。

発言の内容は正直ここに書くのもはばかられるような内容だが、詳細を確認するにつけ少なくとも業界大手上場企業のしかも常務と言う非常に責任の重い立場にある人が言う言葉ではないだろう。


また、炎上問題を起こした常務の略歴も軽く見てみたが、某企業でかなり活躍されていたという事らしい。敏腕やり手でのし上がってきた方と言う印象だ。


(*吉野家ホールディングスにも常務がおられるがこちらは全く別の方の様です。)


それだけに今回の問題は何故?と言う感じである。普通の感覚であれば間違っても言わない様な発言をしてしまった。それも大金を払って参加するマーケティング講座の初回講義に於いて、である。


私なりに考えてみた事がいくつかある。


1:普段から社内ではこのような発言が容認されていた。

あのような発言は、何も考えずにポンポンと人前で話すときに出てくるものではないと思う。考えにくいものである。もしかすると、今回ほどひどくは無くても宴会の場などでは非常識な発言が許されもてはやされる社内環境だったのではないだろうか?等と考えている。内々の場であれば下品な笑いで済まされるであろうが、それを社外に持ち出した瞬間に非常識になる。もし、これが当たっていたなら社内の風紀もそれなりの物だったのだろう。


2:常務本人に自分の会社を見下す意識があった。

私としてはこれが一番大きいのではないかと勘繰っている。つまり、大手企業で活躍した人間が『外食企業の役員ごとき』『所詮はファーストフードのサービス業』等と言った自らが所属している企業に対して蔑視する意識が彼の根底にあったのではないかという事だ。

『男に高い飯を奢って貰えるようになれば、絶対に食べない』これに彼の考えが集約されているのではないだろうか?

広報部としては『利用の継続を図りたいという考えの元あのような不適切な発言になった』と釈明している。恐らくそれは真実の一端を突いてはいるだろうが、根本は『所詮は安物の飯、ジャンクフードに過ぎないから本当に良いものを覚えたら食いには来ないよ』と言う顧客だけでなく自社の商品すら蔑視する考えが意識せずとも根底にあったのではないだろうかと考えている。


確かに外食産業でファーストフードと言う立ち位置は社会的に見ても決して地位が優遇されているとは言えない。かつてはワンオペ問題や、「365日24時間、死ぬまで働け」という言葉がある企業もあったりと、サービス業故の変則的な勤務や労働環境から敬遠されがちな職種であることは確かだ。


だが、『男に高い飯を奢って貰えるようになれば、絶対に食べない』これはアカンやろ。


曰く、『自分の所の商品はその程度の価値しかない安物』『こんなものは高い飯が食えない人間が食う代物』『この会社もその程度の会社』と自ら言い放っているようなものだ。

彼は社外から招聘された取締役との事だが、結局のところ過去の実績を買われて招かれた取締役に過ぎず、生え抜きの人間とは全く違う会社や商品、従業員に対しても全く愛着が無い人物であったと自ら証明してしまったようなものだ。少なくとも、そう思われても仕方ない発言であるのは間違いない。


少なくとも私はこの会社さんの牛丼は大手の中で一番好きだ。牛皿は持ち帰ってハヤシライスに加工する等料理の材料としても非常に良い味をしている。

当然サラリーマンをしていたときにもよく食べていたし、昨今若干炎上していたイベントにも最初から最後まで皆勤賞を叩き出していた(笑)


私としては土日に休めないのが苦手なのと、腰が悪いゆえに長時間の立ち仕事ができないのもあり、飲食業や立ちっぱなしのサービス業で働こうとは思わないし働けないのだが、少なくとも大学時代にアルバイトで飲食店の厨房を回していたこともあり、こういった業界で働く人の大変さはよくわかっているつもりだ。


だからこそはっきり言って今回の件は許せないし、こういう人間性の人物がこれ以上社会ででかい面をするのも正直気分がよいものではない。

この会社さんにはしっかりした対応をしてほしいものだ。


それでは。


追記:気になるのはこの後の会社さんの中での権力闘争かなぁ・・・常務派閥がどうなるか。今回の処分内容如何では内部がかなりもめそうだな。確か株主総会も来月だろうし、動向が気になる。少なくとも、彼は何のお咎めもなしとはいかないだろう・・・

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