第六章:新聞屋時代の思い出

第六章の①:新聞屋時代の思い出(初めに)

さて、年も明けて無職が板についてきてしまっているので(笑)書くネタもなくなってきたので昔の思い出などを少し語ろうかな。

今から約20年前、私は2000年の大学卒業時に就活に失敗し就職できず(当時は超氷河期のど真ん中だったと記憶しています)、フリーター卒業をしてしまいアルバイトをしながらプラプラとしていたが、実家暮らしの身としてやはり家族の視線がきつく、「何でもいいから就職する」という事で就活を始めた。今でこそ第二新卒とか、ポテンシャル採用とか良い言葉で言われてはいるが、当時は新卒で就職できなければ社会からの脱落者扱いされていたのが現実だった。

当然、フリーター卒業でアルバイト以外の職歴なしでは新卒で入れるような大手には到底手が届かず就職博覧会などの就職イベントに軒並み顔を出し何とか1社の採用にこぎつけた。


某大手新聞社の販売代理店網を構築している大手ディーラーである。

ディーラーと言えば聞こえはいいが、実際は町中の新聞販売店を全国的に傘下に収めて自社店舗として運営している新聞販売業であった。

今の若い方は新聞配達や営業のアルバイトなどをすることもあまりないだろうから存じ上げないだろうが、いわゆる新聞販売店の業務は朝刊・夕刊の配達・戸別訪問の契約営業・新聞代金の回収が主な業務である。

私の所属していた企業は、某新聞社の代理店としては日本一の規模を誇り、(現在でも存続している会社です)関東・関西・九州などにも支店を持っていた。


普通であれば、新聞販売店の企業などに就職なんてものは考えもしない状況であっただろうが、何より就職にこぎつける事、そして独立することの親からのプレッシャーが強すぎたのと、社会を全然知らぬまま卒業しロクな企業調査をしないまま入社してしまったのが何より情けない話であったかな。

今であれば絶対に内定も断るのだが、とにかく焦りが自らの冷静な判断をできなくさせていたというのもあるだろう。


そんなこんなで4月1日に入社したわけだが、唯一良かったのは私と同時期に入社した同期と入社式を経験できたことだろう。

ささやかなものであったが、まさか新卒でない私が新卒と同様に入社できるとは思っていなかったので、今思えばありがたい経験であったのかなとは思っている。

何はともあれ就職はしたのだが、これにより私は生まれて初めて関西の地を離れて東京で一人暮らしをすることになった。


それまでも下宿などで一人暮らしを経験していたことはあったが、本格的に育った土地を離れての一人暮らしは初めてだったのでまぁ不安と期待が入り混じっていた。


ところがである。内定後に入居する住所が指定されてきたのだが、それが何と私が勤務する予定の店舗と同じであるのだ。

さて、一体どういう事であろう?


実は今でもそうであるが、新聞販売店の店舗には店舗を構えている建物の上階に量が併設されていることが多いのだ。

恐らく、当時は身分不確定で住所不定な人間が普通の社会人がやりたがらない朝刊配達などをすることが多く、そういった人間を受け入れるためにも量のような設備を用意していたという側面もあるのだろう。実際、販売店をクビになったらホームレス一直線だろうという人もいたしね。


そして、社会を知らぬ若者は社会を知らぬまま最初に努めた企業が新聞販売業と言う普通であれば想像もできない業界に足を突っ込んで働き始めたのだった・・・


無論、新聞販売と言う看板さえ除けば企業そのものは普通の企業で本社も東京のオフィス街にあり小さなビルではあるが本社はきちんとしていた。

まぁ、現場と本社が違うのはどこの会社も同じではあるが、ことこの業界に限って言えば当時の落差の激しさはすさまじいものだったのではないだろうか?


そんなこんなで無事入社式も終え入寮し、早速研修と同時に勤務を始めることになった。

私自身がまともな社会人は初めてという事で、見知らぬことで驚きの連続であったことは間違いない。当時の私は、今であれば『あきらかにおかしい』と言うような事ものほほんとした性格もあってか、あまり深く考えず『こんなものか』と思い特に疑念も持たずに働いていた。


次回は少しこの新聞販売業と言う仕事について、覚えている限りの事を書いてみようと思う。


ただし、読者諸兄にご注意いただきたいのはあくまで私が勤務していた20年ほど前の事であり、今の現状は知らないという事です。私のダラダラとした思い出話の状況が今すぐ現在の状況に結びつくとは限らないという事を覚えておいてください。


それでは、次回より本格的にぶちまけます(笑)


どんぴこからりん、すっからりん

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