第五章の⑨:この一か月何をしとったんじゃろか?
さて、これを書いている今、2021年10月初頭。未だ仕事は決まらず・・・と言うか決めず。
・・・で来てしまったのだが、少し焦りが・・・
一般に、前職を退職してから次の職を決めるのに、おおよそ3か月・6か月・1年が一つの目安となっている。
何の目安か?と言われると、これはもう「転職の決まりやすさ」である。
一番良いのは「在職中に次の職を決め、前職の退職翌日には次の職場に出社している事」なのはもちろんである。これは、「働いていることの継続性」が重要なのであって、労働期間のブランクが空けば空くほど働く事への意識が低下し、労働意欲が削がれる危険性が高くなってくるのだ。
最初こそ「早く次を決めねば」と焦っているが、その生活が長く続き働かないで昼間からぶらぶらしているという、非常に楽な精神状態が続くにつれ焦りの気持ちが薄れて行き、再就職しようという意識が低くなってきてしまうのだ。
もし、次を決めずに退職してしまった場合、上記に挙げたような3か月と言うキーワードは非常に大きくなってくる。
採用する企業側が、問題視しない期間と言うのは実はこの3か月。
これを過ぎ、半年を過ぎてしまうと途端に企業の選別する目が厳しくなってくる。
1年を経過してしまうと、経験豊富な同業他社でも転職は難しくなってくるだろう。
何故かと言うと、「なぜ1年も就職せずにぶらぶらしていたのか?」と問われるからだ。
日本企業の良きも悪きも、転職についてブランクが空いているという事はマイナスイメージとなってしまうのだ。
若手ならばまだよい。40代以降の転職となってくると、途端に「働く気があるのか?なぜ焦らず仕事を決めなかったのか?」と疑問に思われてくる。
私の場合は、「しばらくは働かずに嫁に恩返しをするうえでも主夫をやる」と夫婦で決めて動いてきた。だからこそ、面接の際もしっかりした受け答えができるのではあるが、ただ仕事が決まっていないというのが理由の場合、企業は本人の資質にまで疑義を呈してくる。決まらなかったのは本人のせいだけではないと思うのだが、日本企業としてはそういった点を疑問に思うのだ。
これは外資系企業でも日本人が経営する日本法人などの場合、同じ法則がほぼ当てはまる。
私のように「少し長い夏休み」を満喫することは許されない風土が日本企業には依然として存在する。おかしな話ではあるが、「十分に休んで次がんばろう!」を認めない不思議な国である。
元々、日本も新卒一括採用の就職状況ではなく、随時働ける場所を探す欧米の様な就職状況の国ではあったが、戦後社会が変わっていく中で新卒一括採用、定年まで永年勤続、ドロップアウトは恥、転職は基本的にあり得ないという社会の枠組みが出来上がって来たのだ。
つまり、経験豊富なベテランを新卒と併せて採用するのではなく、学校を卒業した社会を知らない新人を自社カラーに染め上げてしばりつけていくという企業の労働力育成法がスタンダードとなって来た。
これは高度成長期におけるモーレツ社員と言われるような会社に忠誠を誓い、会社のためにしゃにむに働いて会社に尽くし、会社もそれに応えて相応に遇することができる時代であればよかっただろう。
ただ、現在はそれではグローバルに通用しなくなってきた。社会を知らない若者を外の世界を見させないように囲い込む育成法では、ドメスティックな環境だけであれば通用するだろうが、幅広い視野を経験するという点では人材流動性の高いグローバル企業には全く追いつかなくなってきている。
正直な所、日本企業の閉そく性は今の時代でも変わらずコロナ禍において経済状況がシュリンクする中なおのこと企業は間口を狭めている。
かと思えば、グローバル展開を前提とした企業においてはマネジメント経験は必要とされることが多いが、他業界の経験者も積極的に採用していたりする。
恐らくこのまま社会の間口が狭められていく状況では日本の企業と言うのは今以上に世界的な競争力は失われていくだろう。
グローバル展開をしている企業でも、国内・・・ドメスティックな面においては将来性が低いものとみなし間口を閉じてきている。
いくらグローバルを目指す企業と言っても、国内の間口を狭めてしまえば企業の根幹が将来的に揺らいでくる、もしくは将来的に日本法人を廃し、日本が見捨てられる時が来るのかもしれない。
まぁ、将来的には日本と言う国は閉鎖的な島国ではいられなくなるのかもしれない。恐らくその時には私はかなり年老いているか、死んでいるかではあろうが・・・
あれこれ書き連ねていても、私の就職が決まっていないという現実は変わらないのだが、ようやく1件面接が決まった。同業他社ではあるが、この年だとまぁ当然ではあろう。
早く決めてしまって、安心して家庭生活を営みたいものだ。
雇用保険もいつまでも出るわけではないので、さっさと決めたい・・・
と言うわけでまた次回。
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