第五章:ついにクビになった。看板も何もなくなった!

第五章の①:さぁ、クビになった!

さて、7月

クビになりました

無職です

言い換えれば、自由人

今まで会社の看板で営業して、偉そうにしていたオッサンが40代で後ろ盾が何もない世界へ放り出されました。

絶望?失望?悲しみ?不安?


不安こそ少しはありますが、ほかの感情は全く湧いてこない。

と言うより、清々した。

何か、メーカーの看板とか社会的な地位とかそんなもんが経った1時間程度の面談で言い渡された退職勧奨ですべて吹っ飛んで、今までそんなもんにすがって生きて来た自分が見事に小さく見えてしまった・・・と言うのもあるかな。

家族もいるから失うものが全くないというわけではないけど、今までいかに自分が会社名とか社会的地位とかに守られて・・・と言うより縛られて生きて来たかを実感してしまった。

無論、再就職するつもりではいるのでまた看板を背負うことになるのだろうけど、その看板はただ私と言う鶏の頭を飾る鶏冠(とさか)に過ぎないのかもしれん・・・等と思ったり。

業界の中で名前が通った会社に転職するたびに、その鶏冠は大きくなり肥大化しきっていつの間にか頭の上にずっしりと重くのしかかって、顔を上げて生きることもできず、うつむきながら平身低頭して生きて来たな。

豪華な看板はいつでも取り上げられるものであるという事にも気づかず、さも自分のものであるかのように、自分を照らしている光は看板の光であることに理論では気づいていたが実際に自分が看板を取り上げられてただ一人の自分になった時に何にもない、小さい自分であることに気づかされた気がする。

多分、鶏冠は自分が思うより大きくなりすぎて自分の心まで支配していたんだなぁと・・・と。

鶏冠はあくまで鶏冠。飾りに過ぎず、自分の実力であるわけでもないのに自分が偉くなったような、社会的地位が高そうに見えて周囲から羨望のまなざしを受ける・・・そんな自分自身に酔っぱらって、本当に大事にすべきものとか自分自身が何者であるかとか、見えなくなってしまっている自分に今回は気づかされたなぁ・・・と。


・・・と言うわけで、今しかできないことして遊んでます(笑)

寧ろ、何もなくなったからこそやりたいことは今のうちにやっておきたい。

再就職できる保証なんてどこにもないけど、再就職してしまえば多分私はまた看板に寄りかかって、背負わされた看板の重さを自分の実力と勘違いして生きていくだろうから、今のうちに後から後悔しないように精いっぱい力尽きてみたい。


・・・等と甘すぎることを言っている。


まぁ、何にせよこのままではいかんのだろうが、とにもかくにも退職した後の手続きと言うものは発生するわけで。

だが、退職翌日の7月1日。やることが何もないわけで。

離職票は退職した翌日に届くわけではないし、実際の所退職した裸足手続き関係で忙しくなるかと言われると実はそうでもない。

健康保険は私の分と子供の分、二人分は既に会社に返却してしまったし、子供は妻の扶養に入る。そうなると、後は私の離職票次第という事でこれがないと健康保険の減免措置や失業給付の申請もできないという、退職翌日は私の場合は暇なのである。

無論、自己都合の場合は少し異なるのだろうが私の場合は会社都合であるため、全ては離職票がないと始まらない・・・


離職票をハローワークに持っていくのは何年ぶりだろうか?今までは退職日の翌日に転職していたことがほとんどで、退職から次の就職まで期間が空くことがここ10年はなかったので、殆ど手続き関係を忘れてしまっている。

確か前回は自己都合だったから、失業給付も待機期間があったはずだし保険料の減免もなかった。

そもそも失業給付の待期期間が終了する前に次の仕事が決まったから、1銭ももらっていなかったような記憶がある。

まぁ、今回は会社都合だし失業給付もすぐに受けられるであろうとのことだから、まぁ必要な書類が届いたら即役所に行って手続きをせねば。

これからしばらくはめんどくさい日々が続くのかなぁ・・・


・・・と思いながら7月2日。離職票来なかった・・・


少なくともこの段階で3日・4日の土日を挟んで何もない事は決定したわけで。


・・・7月5日、離職票来ない・・・


まぁ、私が退職理由の承諾書をぎりぎりで送ったのも悪いからさ・・・仕方ないわな。


7月6日、夕方ごろにようやく離職票届く。これで役所に行って処理ができる。

と言うわけで、7月7日七夕の日にようやくハローワークに行けた。

ともかくも、ハローワークで退職理由が会社都合であることを認めてもらえなければ役場で保険料の減免など申請ができないため、離職票が届いたら何をおいてもまずはハローワーク。


離職票が届くまでは結構イライラするものです。離職票はいつ来るのかとか、いつ来てもすぐ行けるように自宅待機しとこう・・・とか考えてしまうとネガティブ思考になるので、とりあえずお散歩に出かけてきてたら明日行くかぁ。

と適当に考えてポテポテ外出して歩き倒して、帰ってきたらポストをのぞき込む。

こんな感じで意外と待ってしまった・・・

ま、こんなもんかなぁという事で次回は実際に手続きのこととか書いてみる。

では。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る