第四章の⑩:黒歴史てんこ盛り・・・そして時が止まる

今回はリアルタイムで今まさにどうしようかと焦りまくっている。

クビになることが決まってから、仕事関係の身辺整理と、身の回りのガラクタ類をフリマアプリで売り飛ばしたり、捨てたりして整理整頓していることは以前から書いているが、今回はついに古い写真や手紙などに手を出し始めた。

私の部屋には古い機種だが、富士通のScanSnapS1500と言うスキャナがあるのだが、部屋の隅に長年放置していた写真の束や手紙類をあらかた吸い出して紙ものは廃棄することにしたのだ。

まずはスキャナで写真をスキャンする。順調に吸い出せているが、枚数が数百枚・・・めんどくさい作業だが何とか完了。

そして、私が高校時代から付き合いのある友人(こいつは未だに腐れ縁である。嫁より長い四半世紀以上・・・)とやり取りしていた、同人小説(交換小説とでも言おうか)の恥ずかしい黒歴史をスキャンしまくる。

何とか一通り終わって、さてこれからシュレッダーで裁断するぞ・・・と言うときに事件が起こる。

シュレッダーで写真を順調にバリバリ裁断していたのだが、突然シュレッダーがストップする。

私がこれを書いているまさに今、止まってしまっている。

そして、シュレッダーの投入口には写真が挿さったまま・・・(汗)

これだけなら大したことはないのだが、さすがに20年前・・・私が20代前半の頃の写真である。

黒歴史がまさしくてんこ盛りとなった恥ずかしい写真が山ほどある・・・

それもまだ100枚以上。嫁が帰ってくる前にせめて今挿さっている写真だけでも裁断を終わらせ、自室にすべての黒歴史を隠したいのだが・・・

実は我が家のシュレッダー、裁断を続けすぎるとモーターが過熱し安全のために止まってしまい、冷却するために時間を必要とするのだが、これが何と30分以上。

夏場などの暑い時期は下手をすると1時間近くかかってしまう。

振り返ってこれを書いている今の時間、時計を見てみよう。

16:16・・・そして嫁の勤務時間終了時刻は17:00。帰宅迄15分。

冷却期間に間に合うのか?決して嫁に見られてはならぬ黒歴史の写真が挿さったままのシュレッダー。そして、無常に過ぎてゆく時間。

現実逃避してこれを書いている自分。心を落ち着けるために書いているが、精神的には取引先とのアポをすっぽかすと言うミスをしたとき並みに冷や汗が噴き出ている。

見られてはまずい!どうする?

しかもこのシュレッダー、冷却時間中は逆転運転も裁断も一切の操作を受け付けない。

と言うわけで、エアコンの風でひらひら靡く裁断途中の写真を放置してこうやって自室で嫁が帰ってくるのが先か、裁断再開が先か?と言うタイムアタックをまさに今実施中・・・

自室にこもってこれをタイピングする後ろでは宮根さんがテレビでなんかいろいろしゃべっているが、全く頭に入ってこない。


え?そこまで黒歴史と言うならどんな写真か説明しろとな?


大したことはないのだが、大学時代部活で好きだった先輩との仲良しツーショット・・・大学1回生(この呼び方は関西近辺の呼び方らしい)の時から、1個上の先輩にほれ込み、先輩が卒業するまでに3回告白し、3回撃沈・・・他に好きな人がいるとのことで結局実ることはなかった恋なのだが、当然大好きで追っかけまわしていたので試合の時や合宿の時などに写真は撮りまくっていた。

まぁ、嫁には一応大学時代に好きだった先輩がいるとは言ってあるが、写真がたらふくあるとは一言も言っていない(笑)。

そんな大好きだった先輩の写真やツーショットの写真(もちろん先輩の許可は取ってあるし、焼き増しして先輩にお渡ししてもいる)が大量に出てきてしまい、もう20年も経過しているし、嫁がいない間に黒歴史はまとめて処分してしまおうと決めたのだが・・・しまった・・・

とりあえず、シュレッダーで身動き取れなくなっている写真はさておき、これからシュレッダーしようとしている恥ずかしい小説類やその他の黒歴史祭りの出演者たちには一旦私の自室にお引き取り願うとするか。


写真を見られただけならともかく、死ぬほど恥ずかしい小説(と言うにも稚拙すぎる駄文にも値しない代物)を万が一にも嫁・・・子供にまで読まれてしまっては、私の絶対に知られたくない過去が暴かれてしまう。

写真だけなら過去の思い出として言い訳もできるが、ほかのものまで見られた日には確実にこれから数か月は嫁の職場でのネタにされるだろう。

そして、嫁の職場の人間は私の顔を知っている。


・・・絶対に嫁に見られるのだけは阻止せねば・・・


頼む、早く冷却されてくれ・・・少なくとも今挿さっているものは何とか闇の世界に葬りたい。

こんなことなら、朝嫁が出勤してすぐに裁断に取り掛かるべきだった。

そうすれば、こんな話を書きながら背中に嫌な感覚が来ることもないだろうに。

とりあえず、おとなしく待つしかないか・・・


では、次回へ・・・

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