第一章の⑤:クビになったことを知り合いに連絡してみた
「何をやらかした?」
・・・LINEでメッセージを送った人間の大体がこんな感じである。同業他社や前職の人間以外は、私のいる業界のことなどみじんも知らないのだから当然だが、第一声にそれはないだろうとメッセージを送り返したところ・・・
「いや、普段の行いやろ」
それはないわぁ・・・と言うよりもう何年もLINEやSNSぐらいでしかやり取りしてないのにそれはないわぁ・・・
と思ったが、自分の学生時代からの生き方を振り返ってみるとまぁ何とも言えない。
しかし、私の周りではコロナがらみでクビと言われた人は多少いても、退職勧奨と言うのは例がないらしく、色々聞かれたりもした。
同業の友人とはまた違った反応で面白かったが。
「それで、これからどうするんです?」とも大体聞かれたが、
「決まってない、同業他社を探すか別業界を目指すかも決めかねている」と言う具合にしか返事のしようがなかった。
実際に、怪しんではいても退職勧奨を受けるかどうかはわからなかったので、転職の準備などは全くしていないまま面談で「辞めてね♪」と言われてしまったのだから、次の当てが早々簡単に見つかるはずもない。
どうやら私の場合は単純にコロナがらみでないことも友人たちは気になるようだ。
風のうわさではコロナがらみで業績が悪化して解雇になった、と言う事例もちらほらあるらしく、私の様に退職勧奨で辞めるにあたって手切れ金のようなものをある程度用意してもらえる事例は少ないようだ。
正直なところ、これに関しては会社に感謝するしかない。
それにしても、色々友人がらみの話を聞いてみると、景気は良くないようだ。
テレビなどで報道されている以上に身近にコロナの影響が忍び寄っているのだろう。
私の場合も、なるべく早く次の仕事を見つけないと、ずるずる無職のままで過ごしてしまうとブランクの空きすぎで再就職がとんでもなく不利になりかねないのだろうなぁとは感じる。
・・・ただ、正直働きたくないという思いもあったり。業界の苦労を知っているだけに、飯の種は確保しやすいかもしれないがまたあのストレスフルな業界に舞い戻るのか、それともこの年で全く新しい業界にチャレンジして、ストレスを抱え込むのか・・・と思うと、転職活動と言うものがいまいちピンと来なくなってしまっている・・・
悪い傾向だとは思うが、私自身の精神的な面もだいぶ疲弊しているのだろうなぁと思いながら、とりあえず転職サイトを覗いてみてはいるが、どうにもこうにも焦りのある割にはやる気があまり出てこないという笑えない現状。
いつまでも無職でいられるわけでなし、さっさと転職せねば。
それに恐らく、少なくとも数か月は在籍しながら特別休暇と言う扱いで給料が出るというのも、私の心に甘えを生じせしめている要因ではなかろうかと。
これが恐らく、無一文で放り出されて早く次を見つけないと生活がどうにもならないという状況であればもう少し必死で探すのだろうが、いかんせんのんびりしながら給料が出る上に、退職した後も会社都合で即座に失業給付の手続きができる。
まぁ、心に甘えは出てくるよな。よほど強くない限りは。
と言うわけで、就職活動はしたいのだがやる気が出ないというのと何故だか体の倦怠感が全然取れない。既に引継ぎは終わって出張もなく在宅で身辺整理をしておけばよいような状況で、疲労もしないし酒量も大幅に減ったというのに寝ても疲れが取れにくいというのもあって、なかなか真面目にPCの前で転職活動をしようと言う気にはならない。
・・・加齢による老化?
もしかしたら、それもあるのかもしれない。転職をどんどんしていた20代や30代前半のように、奮闘して転職を決めるという気概にかけていることは私も自覚しているので、少しのんびりすることにした。
焦らなきゃいけないけど、失敗はしたくないので。
特に、この年で転職に失敗すれば恐らくもう取り返しはつきにくいだろうし、年齢も進んでいる分将来的にも不利な面が出てくるだろう。
しっかりと仕事は見つけなくてはならないが、まぁ焦らずに急いでゆっくりやっていこう。
少なくとも、束の間の休暇として謳歌する時間ぐらいは自由にしたいと思う。
ただ、私個人的に再就職は何とかしなければならない理由もある。
・・・仕事辞めたら小遣い減らされる・・・
当たり前なのだが、減るだろう。と言うより減らさなければという事で夜目にも言われている。
このままだと、色々懐具合に不具合が生じてくる。あれやこれやの買いたいものも買えなくなる可能性が非常に大きい。
それはまずい。
とにかく、7月1日からの勤務か8月・9月ごろの勤務開始を目指したいところだが・・・見つかるといいなぁ。
次回へ続く。
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