第二週目 日曜日

「あ、お兄ちゃん!いらっしゃい!」


今日も天使な俺の自慢の妹。


日向は満面の笑みで俺を迎えてくれた。


「おう!お邪魔するぜ!」


俺はお土産を渡した。日向は好物のショートケーキをもらうととても嬉しそうに頬張って言う。


「おいしー!お兄ちゃんありがと!」


この無邪気な笑顔のためなら俺はきっとなんでもできてしまうだろう。

現に今もよくわからない不登校たちの更生をしているわけだし。


「そうだ、お兄ちゃん。あれ、どうなったの、不登校がどうの…みたいなやつ?」


タイミングよく日向がいう。


「ああ、まあぼちぼちって感じかな…」


「詳しく聞かせて!!」


目を輝かせていう日向に俺は今週会ったことを全て話した。



「あはははっ!おもしろーい!じゃあ、今のところ一番やばいのはひーちゃんかな?」


「そうなるな…知り合いだったせいでさらに気まずいしな。」


「昔からひーちゃんと仲良かったのに、一緒に作ったクッキー美味しかったなあ」


「…それだ!」


日向の言葉に俺はハッとした。「クッキー作りで仲直り」なかなかいい作戦なのでは??


「期待しない方がいいんじゃない?」


「日向までそんなこと言うなよ…」


「へへっそれほどでも!」


「褒めてないっ!」


俺がいうと、二人揃って笑い出す。

この笑顔のためだ。来週からも絶対頑張る!


「ひなのためにさあ、買ってきて欲しいものがあるんだった!」


「急になんだよ?」


「中学の参考書と、あとひなの好きそうな漫画!」


「中学の参考書はわかるけど漫画?お前そんなの興味あったか?」


「いいでしょ、お兄ちゃんが好きなものひなも好きになりたいって思っただけだよ。」


ああああ、うちの妹可愛い!やばいな、これ。


「いいぞ!いくらでも買ってきてやる!」


そうこうしているうちに面会時間が終わり、俺は家に帰っていた。


さあ、やることが山積みだ。俺は柄にもなく張り切っていた。


明日起こる悲劇なんて知るはずもなく…



次の日…


「えええ?再来月までにですか!!??」


なんとあの7人の不登校美少女の更生に期限がつけられてしまったのだった…

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