第3話、俺は何もしない
俺が次に進化したのは、ゴブリンアーチャー。
弓矢や、投てきに優れ回避が高めの設定になっている。
俺はリーダー格の男から経験値を奪い続けている。
「ヤバイ。このままでは...」
「旦那。逃げましょう!本当にヤバイですよ!」
「あぁ...撤退するぞ!みんな急げ!」
しかし、レベルが低くなり装備も重くなり動きがかなり遅い。
その間に俺はリーダの経験値を吸い付くした。
進化するまで少し、経験値が足りなかったな...
そう思いながら冒険者を殺すか生かすか考えていた。
俺は元人間だ...
ここで殺してしまったら俺は人間に戻れるのか?
アイツらは俺を何度も殺した奴の仲間だ。と、
考えが何度も交錯する。
ん?
そういえばここはどこなんだ?
冒険者に聞いて見ようか?
教えてくれるか?ゴブリンの俺に...
なんにせよ場所がわからなければ憎き魔王の元にも行けない...
俺は意を決意して、冒険者の前に出た。
「ゴブリンが出たぞ!
みんな生き残りたかったら戦闘体勢をとれ!」
冒険者達は武器を構えて俺を睨む。
睨んだところでお前ら皆レベル1だから怖くもないんだが...
「おい...」
「ゴ、ゴブリンがしゃべった...?」
「ここはどこら辺だ...?
殺されたくなかったら答えろ....。」
完全に俺は悪役だな...
「たかがゴブリンが、人間様に偉そうに喋ってくるんじゃねぇ!」
激昂したチャラ男が、俺に向かって剣を振りかぶる。
俺は避けずに攻撃をうけた。
ガキン!!
結果俺は、無傷。
そしてチャラ男は剣を振った腕が折れていた。
「い、いてえよぉ~。畜生!たかがゴブリンの癖に...」
俺はなにもしてないんだが...
レベルの差も分からずに突っ込んできた
俺はリーダー格の男に視線を向けて、
「もう一度聞く。ここは、どこだ...?
教えてくれれば、俺は何もしない...」
「教えれば本当に見逃してくれるのか?」
「あぁ...少なくとも
「旦那こんな奴の言うこと信じるんですか?」
「チャライ!少し黙ってろ!...わかった。
教えよう。ここはアストラルの街の西の森だ。」
アストラル...
あぁ、ずいぶん前だから忘れてたが新人冒険者や、初心者が集まるアストラルか...
魔王城からからかなり距離があるな。
もし歩いて行ったら何年掛かることやら...
「わかった。もう行っていいぞ...」
「本当か?」
「くどい!あんまり俺を怒らせるな!」
「わ、わかった。」
冒険者達はそそくさ森へ逃げていった。
しばらくすると、
ギャァァー!!!
ぐわぁぁー!!
あぁ...死んだな....
レベル1が何人居ようがレベル1だもんな...
御愁傷様...
俺はなにもしていないから問題はない...
そんな無慈悲な事を出来るのもモンスターに成ってしまったからなのかもしれない...
墓ぐらいは作ってやるか...
俺は冒険者達の断末魔が聞こえた方に歩いて行った。
そこにはレベル3のウルフが10匹ほど冒険者の死体の肉を漁ってた。
1匹のウルフがこっちに向かって言い放つ。
「ゴブリン風情が、おれらの食事の邪魔をするか...」
「邪魔をする気はない。ただ骨を埋めてあげたいと思ってるから食事が済んだら骨をくれないか?」
「ふん...誰がやるか...コイツらは骨の髄までおれらの物だ。とっととこの場から立ち去れ。ゴブリン。」
「そう言う態度か...所詮犬は犬だな...」
「お前...おれらの事を犬と呼んだか...」
「呼んだけどなんだ...」
「許せぬ。最弱のゴブリンの分際で貴様も食い千切ってやる。」
ウルフ達は一斉に俺の方に向かってくる。
が、回避に特化してるゴブリンアーチャーに進化したお陰かレベル3のウルフの動きがスローモーションに見えた。
ウルフの攻撃をなんなく掻い潜り。
チャラ男の死体の側に落ちていた剣を拾って構えた。
初級とはいえ、剣術のスキルを持っているから扱えるだろう...
次々と襲いかかってくるウルフを切り伏せていく。
「どうする?まだやるか?」
「ぐぬぬ。散った同胞捨てて帰れるか!死ね!ゴブリンが!」
「残念だったな...」
最後の1匹の首を跳ねた所で、
レベルが上限に達しました。
進化出来ます。
進化しますか?
・ゴブリンプリースト・ゴブリンアサシン
・ホブゴブリン
と表示された。
ホブゴブリンは無しの方向で...
回復か暗殺者か...
とりあえず回復手段がなかったら手傷負ったときいヤバイからな...
俺はゴブリンプリーストの表示をタップした。
進化を始めます。
10秒お待ちください。
俺は意識を離した。
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