第55話 人々の生活が一変した文明開化とは?

【文明開化と明治維新】

 江戸時代は外国人に対してネガティブな反応をしていましたが、新政府が発足して、時代が新しくなると、外の文化や文明を積極的に取り入れるようになりました。


 西洋の文化とテクノロジーによって、人々の生活や制度が一変したのです。この変化を『文明開化』と言います。


「制度や生活が変わったなら、『明治維新』と一緒じゃないの?」という疑問の声が、聞こえてきそうですが、その違いについてお話しましょう。


『明治維新』というのは、廃藩置県や地租改正など政治的な改革の事です。

 それに対して『文明開化』というのは、服装、建物、料理、交通など、生活に関する変化の事なんですね。


 何度かお話していますが、ヨーロッパでは産業革命によって、テクノロジーが発展しました。

 江戸時代ではそれを拒んでいましたが、明治政府は外国の文化や技術を積極的に取り入れたので、ダムが決壊して塞き止めていた水が一気に流れてくるように、テクノロジーが発展します。


 ゲームで例えるなら、ファミコンの次にSwitch発売されるくらいの大激変ですねw



【文明開化で変わったもの】

 それでは、文明開化によって何が変わったのか見ていきましょう!


1、暦(カレンダー)

 まず、暦が変わりました。現代でこそ「1週間は7日で日曜日はお休みで、地球が太陽の回りを一周するのを1年」という、太陽の動きに合わせた『太陽暦』が定着しています。


 しかし日本がこの暦を使い始めたのは、実は明治に入ってからで、それより前は、月の満ち欠け暦を決める『太陰暦』でした。


 脱線するので細かい事は省きますが、太陰暦は月の満ち欠けによって暦を決めて、1年が355日と太陽暦よりも、10日ほど短く、昔は今よりもお正月が早く来たんですね。


 明治政府は欧米が使っていた太陽暦を、日本に取り入れ、「1週間は7日、日曜日はお休み、1年は365日」というのが始まったのです。



2、食事

 明治になると料理も一転して、いわゆる洋食が食べられるようになります。たとえば、コロッケやトンカツと、カレーライスといった、今では定番のメニューが始まったのもこの頃です。

 また、牛鍋といってすき焼きみたいな料理が、現代のマリトッツォのように流行りました。


3、建築

 江戸の建築といえば、木造で屋根は瓦という「The 和風」といった感じの建物が多いですが、明治の建築はレンガ作りだったり、木造でも洋風のものが多くなります。

 


4、ファッション

 文明開化前の日本人は着物に、下駄か、草履か、わらじが一般的でした。


 しかし明治天皇が「日本人の洋服も着ましょう」と言います。


 とは言えて、口で言うだけでは、誰も言うことは聞かないので、洋服を日本に広めるために、まずはトップの人たちが洋服を着ることにしました。


 ついこの前まで、江戸だったのにも関わらず、明治天皇や初代総理大臣の伊藤博文の写真って、洋服が多いので、和装のイメージってあまりないんじゃないでしょうか?


 これは日本に洋服を取り入れるために、敢えて洋服を着ていたそうです。

 

 さらに、駅員や郵便局員など公的機関の人や、軍人の制服を洋服にして、積極的に日本に洋服を広めようとしました


 しかし、当時はまだ洋服が珍しく、高価だったので、洋服が普及するのに時間がかかったそうです。


 ファッションの変化と言えば、ちょんまげを禁止した『断髪令だんぱつれい』も有名ですよね。


 なんでちょんまげを禁止したのかというと、外国人から不評だったからだとか。


 この断髪令によって、日本からちょんまげが消えるのですが、何故か力士だけは現代でもちょんまげですよね。

 なぜ、力士だけが今でもちょんまげなのかと言うと、初代総理大臣の伊藤博文が相撲が好きだったから、断髪令を間逃れたとか……これは、依怙贔屓えこひいきだと思いますw



5、移動方法と連絡手段

 江戸時代の移動方法と言えば、徒歩、馬、駕籠かごくらいなものでした。また連絡手段も、飛脚が走って手紙を届けるという、移動方法と連絡手段は、人力によるものしかありませんでした。


 しかし、明治になると一気に鉄道技術が入ってききて、全国各地に鉄道路線が広がっていきます。


 また電信機器が入ってきたので、これを使えば遠くでも一瞬で情報を伝えられるので、飛脚がオワコン化しました。

 

 文明開化によって、だいぶ現代に近くなってきましたね

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