第九章 幕末日本編

第48話 幕末の日本は、大乱闘なスマッシュでブラザーズな状態だった!?

 激動の時代『幕末日本編』スタートです!


 新撰組や坂本龍馬に西郷隆盛と、人気の人物がじゃんじゃん出てきます。


 またこの時代はよく大河ドラマでも主題となり、戦国時代に匹敵するくらい人気の時代ですね。


 幕府という古い体制が崩れ、現代の内閣府に繋がる新体制が生まれる、激動の時代です。


 昔と現代の間の時代といえ、色々な人の思惑が交錯し、ドラマチックなお話が目白押しなのですが、「超かんたん! ラノベ感覚で楽しく読める日本史」は日本史が苦手な人向きです。


 日本史がちゃんと伝わるように、書くところはしっかりかきますが、わかりやすくするために割愛するところはバンバン割愛するので、ご了承ください。


 それでは幕末の日本を「楽しく、わかりやすく、おもしろく」お話していきます!



【尊皇攘夷運動勃発!】

 江戸の終わり、幕末になると『尊皇攘夷そんのうじょうい』という言葉が出てきますよね。


「漢字ばかりだし、難しい字でわからない ( ;∀;) 」と思った、そこのあなた! 大丈夫私がわかりやすく、お話します。


 さて尊皇攘夷という文字を、分解してみてみると……


「尊」=「尊敬する」

「皇」=「天皇」

じょう」=「追い払う」

「夷」=「日本以外の人、外国人」


 つまり尊皇攘夷というのは「外国人を追い払って、天皇を敬おうじゃないか!」という、懐古的で保守的な考えですね。


 なぜ人々の間で、尊皇攘夷という考えが出てきたのかというと、『日米修好通商条約』が関わっています。


 前回のおさらいをしながら、なぜ尊皇攘夷という思想が生まれたのか、見ていきましょう!


商人「アメリカの製品の方が安いから、日本製の商品が全然売れないよー (;´Д⊂) 」


 関税自主権が日本にはなかったので、必然的にアメリカの商品の方が安くなります。しかも産業革命によって、欧米は安くて質がいい品が量産できるので、日本の製品が太刀打ちできるはずがありません。


 こうして、日本の経済はダメージを受けました。もちろん、その怒りの矛先は……


日本人「井伊直弼が日米修好通商条約を結ぶからだ! 外国人なんて追い出せ!」


 大老・直弼に向けられ、外国人を追い払う『攘夷』という思想が生まれます。


 怒っているのは国民だけじゃなく……


孝明天皇「直弼め! なんで外国と条約なんで、結ぶんだ! バカチンがー!!!」


 ずっとサムライばかり目立っていて、後醍醐天皇以来、久しぶりに名前が出てきた天皇ですが、このようにメチャメチャ怒っていました。

 というのも、孝明天皇は……


孝明天皇「外国人なんてな!!!××××××××××××××××××××××××××××××××××××(自主規制)」


 このように、今のネットでは書けない事を言うほどの、外国人嫌いでした。一方、直弼はこのように考えていました。


直弼「天皇は開国を絶対に拒否するだろう。しかし、技術で劣る日本に、外国が攻め込んできたら絶対に勝てない。ここは、俺の独断で条約を結ぼう」


 日本を守るために直弼は、天皇には内緒で、日米修好通商条約を結んだのです。


 孝明天皇の「外国人嫌い」と、人々の「外国人を追い出そう!」という考えが、合体して、『尊皇攘夷』という思考が生まれたのです。



【日本は大乱闘なスマッシュブラザーズ状態になる】

 日米修好通商条約を結んだ後の日本を、一言で例えるなら、「大乱闘状態」です。


 というのも、日本という小さなフィールで、色々な人物や様々な思想が交錯し、更に外国が乗り込んできて、入り乱れていくからです。


孝明天皇「外国人なんて、大嫌いだー!」


直弼「だから、鎖国してたらマズイんですよ!」


尊皇攘夷派「直弼のバーカ! 勝手に条約結ぶな!」


フランス「ボンジュール。私たちとも交易してくださーい」


イギリス「家の商品も買ってよー」


ロシア「いやいや、家の商品も……」


尊皇攘夷派「外国人は出ていけー!」


直弼「日本は外国に勝てないんだって!」


商人「国産の商品が全然売れないよー! 日米修好通商条約なんて、結ばなければよかったんだー!」


アメリカ「家の商品、どんどん売ってねー」


孝明天皇「外国人なんて、嫌いだ!」


直弼「だから、開国しないと……」


人々「直弼のバーカ」


 こんな感じで、直弼と孝明天皇の意見は全然合わないし、尊皇攘夷派の活動は過激にいなっていきます。

 このように国内は内部分裂を起こして大混乱しているのに、「ハロー」、「ボンジュール」という風に、外国人がどんどんとやって来ます。



【直弼ついにキレた! 安政の大獄からの桜田門外の変】

尊皇攘夷派「直弼のバーカ! 勝手に条約なんて結ぶんじゃねーよ! お前、政治が下手くそだなー」


 悪口を言われた直弼は……


直弼「ぐぬぬぬ! 俺の判断は間違ってはいない! 幕府に逆らうのなら、しょっぴくぞ!」


尊皇攘夷派「うわああああ! 直弼がキレた!」

 

 なんと! 直弼は尊皇攘夷派の人たちをどんどんと、逮捕したり、軟禁したり、最悪処刑したのです。

 

 ぶちギレた直弼が尊皇攘夷派の人々を次々を処罰した事件を『安政の大獄』といいます。

 

 さて、安政の大獄によって、尊皇攘夷派の人々をどんどん処罰していった、直弼ですが……


尊皇攘夷派「くっそー! 直弼すっげームカつく!」


 もちろん、恨みを買い、敵を多く作ってしまいました。そして……


鉄之助「井伊直弼を暗殺する!」


 なんと関鉄之助せきてつのすけというサムライが、直弼襲撃を企んでいました。そして、運命の1860年3月3日がやってきます。


直弼「今日は雪か、この季節には珍しいな……」


 季節外れの雪が降るなか、ひな祭りの行事が江戸城で行われるので、直弼も向かっていました。


 その日は大名行列がやって来るという事で、パレードを一目見ようと、たくさんの人が町に繰り出していました。

 襲撃者たちは、見物人に紛れて直弼に近づいたのです。そして、直弼が江戸城に通じる門の一つ、桜田門に近づいた時!


鉄之助「直弼、覚悟!」


直弼「敵か!」

 

 直弼は居合いの達人で、咄嗟に刀を抜こうとしますが……銃声が響きました。直弼は腰を打たれて、動けなくなっていまったのです。


 そして直弼は、襲撃者たちに斬られ、死んでしまいました。



【どんどん参戦してくる外国!】

 大乱闘スマ○シュブラザーズは、本家Nintend○のキャラだけでなく、ロ○クパンやパ○クマン、ペ○ソナ5のジョーカーや、FF7のクラ○ド&セフィ○スなど、他社のキャラも登場します。


 幕末の日本スマッシ○ブラザーズのようにでも、日本人の大乱闘に、どんどん外国も参戦してきます。


 まずは『生麦事件』というお話です。これは、生麦が腐っていた、という話じゃなく、「生麦村」という集落で起きた事件です。


 ところで、生麦村というくらいだから、麦の産地だったんでしょうか? この辺はちょっとわからないですが、この生麦村という場所で、薩摩藩の大名が参勤交代の帰りに起こした事件です。


大名「大名行列だぞ! ひかえおろー」


日本人「ははー! ( ノ;_ _)ノ 」


 大名行列に人々はひれ伏していましたが……


イギリス人「Whats アノ、パレードハ、ナンデスカ?」


 たまたま、生麦村という場所で、イギリスの商人が通りかかりました。大名行列が珍しくて近づいていくイギリス人でした。しかし……


サムライ「こら! お殿様のカゴに近づくんじゃない! 無礼者」


 サムライはイギリス人に怒りましたが……


イギリス人「???」


 日本の事をよく知らないイギリス人は、なぜ怒られているのかわかりませんでした。そして……


サムライ「切り捨て御免!」


イギリス人「オーノー!」


 なんと、サムライがイギリス人を切り殺してしまったのです。


 この一連の事件が『生麦事件』といいますが、この事件が大変な事になります。


 日本人によってイギリス人が殺されたので、イギリス本国は激怒します。


イギリス「よくもやってくれたな! 薩摩め! 賠償金を払え!」


薩摩藩「だが断るッ!」


 イギリスの要求を、薩摩藩は拒否したのです。


イギリス「オッケー! バトルスタート!」



【サムライの底力を見せた! 薩英戦争!】

 幕府は「日本と外国の技術の差は、大きく離れている」と思っていたので、外国に対して弱腰でした。なので……


イギリス「戦艦見せて脅せば、びびるでしょ!」

 

 このように考え、イギリスは自慢の艦娘たち……じゃなくて、船艦で薩摩を脅します。


イギリス「ほらほら、大砲撃っちゃうよ」


 すぐに降伏すると思いきや……


薩摩「かかってこいや! サムライ舐めるなよ!」


イギリス「あれー? 幕府と違うぞ!」


 このようにイギリスはやる気満々の薩摩に驚きつつも、ついに「イギリスVS薩摩」の戦い、『薩英戦争』が開始!


 イギリスは楽勝だと思いきや……


イギリス「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄! WRYYYYYYY!」


薩摩「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ! オラー!」


 なんと、イギリス軍に対して薩摩藩は善戦します。


イギリス「くっそ! 薩摩のサムライめ! なかなかやるな!」


薩摩「ダメだ! 技術力の差がありすぎる!」


 イギリスは薩摩のサムライの強さに驚き、薩摩藩は外国との技術差を見せつけられました。


 そして、結果は、ギリギリでイギリスの勝利となりましたが……


イギリス「なかなか、やるじゃないか! 薩摩のサムライ。見直したぞ」


薩摩「お前もな! イギリス」


 なんと! 意外な事にイギリスは薩摩を認め、仲良くなるのです。「ヤンキーが河原でケンカして、最後はお互いの強さを認めて、夕日を眺める」的な展開が、薩英戦争で行われたんですね。


薩摩「技術の差があるのに攘夷なんて無理だ! イギリスから色々な事を学ばなければならない」


 こうして、薩摩はイギリスと友好関係を築き、技術や知識を取り入れていくことになります。そして……


薩摩「弱腰な幕府なんて、もうダメかもしれない。倒幕して新しい日本を築かないといけないかもしれない」


 このように考えが、『倒幕』に傾いていきました。


 

【下関戦争勃発!】

 井伊直弼をはじめ、幕府は「外国人を追い出そう」という、「攘夷」の考えはよく思っていませんでした。


 何度かお話していますが、幕府は「近代化が進んでいて、技術力で差が開いている外国と、争うのはマズイ」と考えていたからですね。一方で多くの人や藩が「尊皇攘夷だ!」と声高らかに叫びつつも……


「やっぱり、外国怖い。軍隊強いし……」


 このように外国を恐れて、攘夷を行う事はしませんでしたが、ただ一つ外国を恐れない藩がありました。


長州藩「外国人はどんどん追い返せー!」


「長州さん、キレてるんですか?」


長州藩「キレてないっすよ」


 はい、これは長州藩じゃなくて、長州小力ですね。全然違いますw 古いギャグをしてすいません。


 小力はおいておいて、長州藩(現在の山口県)は外国を追い出す「攘夷運動」を、どんどん行っていました。


 長州藩にある下関海峡を通る外国船に対して、容赦なく大砲を撃ち込んだのです。


長州藩「アメリカの船だ! 撃て」


アメリカ「オーマイガー」


長州藩「フランスの船だ! 発射!」


フランス「ウーップス!(フランス語で“うわぁ!”という意味)」


長州藩「オランダの船だ! やっつけろ!」


オランダ「家とは貿易してたのに!」


 こんな感じで攘夷運動が激化して、元々貿易していたオランダにさえも、大砲を打ち込む始末。

 なにもしていないのに通っただけで、大砲で撃たれるなんて、外国もたまったものじゃありません。なので……


アメリカ&フランス「長州め! ムカつくー!」


 ついにアメリカとフランスがキレてました。


長州藩「また性懲りもなくきたな!」


アメリカ「撃てー!」

 

長州藩「ぎゃー!」


 なんとアメリカの船が、長州藩の軍艦に砲撃されて、返り討ちにあいました。


フランス「いいかげんにしろよ!」


長州藩「今度はフランス軍が上陸してきた!」


フランス「砲台を壊してやる!」


長州藩「いやあああああ!」


 フランス軍は長州に上陸して、砲台を破壊したのです。


アメリカ&フランス「これで、懲りただろ」


 打撃を受けた長州藩でしたが……


長州藩「ぐぬぬぬ。外国め。まだ、まだ!」


 なんと、長州藩は砲台を新たに設置したり、部隊を再編成したりと、攘夷運動を諦めなかったのです。


長州藩「外国の船だ! 撃てー!」


アメリカ&フランス「こいつ! 懲りてない!」


 相変わらず下関海峡を通ると、大砲の弾が飛んでくる有り様でした。


アメリカ「長州やり過ぎじゃない?」


フランス「この前、やっつけたのに、全然懲りてないね」


オランダ「僕たちとは貿易していたのに!」


イギリス「これは、本格的に潰さないといけないなぁ」


 なんと! アメリカ、フランス、オランダ、イギリスの4カ国が長州藩を攻撃する事になったのです。


長州藩「てめぇらが束になっても同じだ! 大和魂見せてやる!」


アメリカ&フランス&オランダ&イギリス「4カ国キャノン。発射!」


長州藩「ぎゃああああああああああああああああああ!」


 当然ですが、欧米の連合軍に勝てるはずもなく、長州藩は大惨敗しました。

 

 この一連の争いを『下関戦争』と呼びます。


 さて、下関戦争に負けた長州藩でしたが、攘夷を諦めたのかというと……


長州藩「くそ! 圧倒的な戦力差があるのに、攘夷なんて無理だ。日本を変えていかないと、外国に日本は支配されてしまうかもしれない。そのためには、幕府を倒さないと……」


 長州藩は敗北により大きな損害をだしたものの、新たな一歩を踏み出すきっかけとなりました。


 そして、長州藩と薩摩藩の思想になった『倒幕』が、『明治維新』へと繋がるのです。

 


 

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