第47話 日米修好通商条約はなにが不平等だったのか?
【日米修好通商条約を勝手に結んだ
ペリーが開国を成功させたのは、間違いありませんが、あくまで捕鯨の拠点を確保できただけでした。
日本は貿易を認めておらず、開国といっても扉を少し開けただけに過ぎませんでした。
しかし、その4年後、今度はハリスという男が交渉してきます。
ハリス「日本の人。そろそろ、貿易しましょうよ。じゃないと軍隊送るよ」
このように圧力を掛けてきたんですね。技術の差が「ファミコンとプレステ5」くらい開いているのを知っていた幕府は、アメリカと争いを起こしたくありませんでした。
なので、幕府のトップで大老を勤めていた
直弼「わかった。条約を結ぼう(天皇には内緒だ)」
ハリス「サンキュー!」
こうして直弼は、独断で『日米修好通商条約』を結び、日本とアメリカは貿易するようになりました。
「ペリーが日本を開国させた」と思われがちですが、ペリーはきっかけを作ったに過ぎず、完全な開国を達成したのは、ハリスと言えますね。
さて、日米修好通商条約を結んだので、日本とアメリカは交易するようになりました。
しかし、直弼が勝手に条約を結んだので、新たな争いを生みます。
【日米修好通商条約はなぜ不平等だったのか?】
『日米修好通商条約』は不平等条約と言われていますが、なぜなのかお話していきます。
まず『関税自主権』が認められていませんでした。
「関税自主権ってなんぞ?」と思った方でも、わかるように簡単にお話します。
『関税』というのは、輸入品にかける税金の事で、外国から入ってきた商品には、税金が上乗せされ、通常よりも値段が高書くなっています。
「税金を上乗せするなんて、政府は意地悪だな!」なんて、思わないでください。
関税は国内の産業を守るために、必要なものなのです。
たとえば、日本の車が120万円で、アメリカの車が100万円だったとします。
当たり前ですが、高い日本の車よりも、安いアメリカの車だけが売れます。
すると、日本の車が売れなくなると、工場で働いている人の仕事がなくなり、結果的に国内の経済が打撃を受けてしまいます。
そうならないように、関税をかけて輸入品の値段を調節し、国内の経済や産業を守っているのです。
関税自主権を認めなかった、日米修好通商条約が、日本にとってどれだけ、不平等だったと言えますね。
また、『アメリカの領事裁判権』を認めていました。
どういう事かというと、「アメリカ人が日本で悪いことをしても、日本の法律じゃなくて、アメリカの法律で裁くのを認める」というものです。
たとえば、日本の法律が「万引きしたら死刑」というものに対して、アメリカの法律が「万引きしたら、ビンタ一回」だっとしましょう。
この場合、アメリカ人が日本で万引きをしたら、日本の法律は適応されず、アメリカの「ビンタ一回」ですんでしまいます。
このように日米修好通商条約というのは、日本には主導権のない条約だったのです!
とは言え、当時の日本の処罰は厳しいものでした。
盗みはよくないですが、「泥棒しらた打首」だったり、罪人を平気で
ちょっとしたことで、首を斬られたら、アメリカ人もたまったものじゃありません。
なので領事裁判権を認めさせたと言われています。
【大変な事になっていく日本】
日米修好通商条約を結んだことにより、アメリカから商品がたくさん入ってきました。
ハリボーやベルタース・オリジナルが食べられるのも、井伊直弼が日米修好通商条約を結んだからかもしれませんねw
しかし、いい事ばかりじゃありません。
関税自主権が認められていなかったので、大変な事になります。
アメリカは産業革命によって、商品は工場で作っていました。
なので安くて質のいい品がたくさん、日本に入ってきます。
もちろん、関税自主権が日本にはないので、税金をかけて値段を上げることもできません。
一方、日本の産業は全て手作業だったので、商品の生産量と質が劣るのに、値段は高いという状態でした。なので……
職人「うわーん! アメリカの商品ばかり売れて、日本のものが売れないよー! 商売あがったりだー!」
当然ですが、安くて質のいいアメリカの商品ばかり売れるので、日本の経済はダメージを受けてしまいます。
その怒りはもちろん……
職人「井伊直弼が日米修好通商条約なんて、結ぶからだ!」
直弼に向けられました。
不平等な条約を結んだことにより、国内の不満は高まっていき……
人々「外国人は追い出せ!」
という風潮が高まっていきました。
さて、江戸幕府はまだ続きますが、『江戸時代編』はここで終了ます。
というのも、ここからいわゆる『幕末』に突入していくわけですが、もう「ユルい、キツい」を繰り返していた、今までの江戸とは全然展開が変わってくるからです。
次回から激動の『幕末日本編』がスタートします!
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