第6話 実は超重要!? 中大兄皇子の大化の改新!

【大化の改新ってなにがすごいの?】 

 歴史界のジャイア○こと煬帝と手を結んだ事で、隋から征服されるリスクを回避した推古天皇と厩戸王(聖徳太子)でした。

 その後にあの有名な『法隆寺』を建てたりします。


 中国では隋が自滅してから、次は『とう』という国ができます。


 それからしばらくした後、厩戸王が亡くなりました。


「これからは唐の時代だよね。なんか唐の“支配システム”がすごいらしいから、ちょっと見てきてよ」

 

 という事で誕生したのが『遣唐使けんとうし』です。

 

 遣隋使は国に迫るリスクを回避するのが目的でした。それを成し遂げたので、小野妹子は歴史に名を残してるんですね。


 一方、遣唐使は法律を作るための視察でした。

 ラーメン屋を開く為に、ラーメン屋で修行するようなものですw


 なので煬帝VS妹子みたいなドラマチックな展開は特にありません。


 しかし唐の“支配システム”というのが、当時からするとかなり画期的でした。

 そして、これがイノベーションを起こし、あの有名な『大化の改新』へと繋がっていきます。


遣唐使「いやー、やっぱり唐の国は違いましたわー。『律令制度りつりょうせいど』っていうので、上手く国をまとめてたんですよ。家の国にも取り入れましょ」

 

 遣唐使が持ってきた律令制度というのが、画期的な“支配システム”の事です。


 さて、律令制度とはなんでしょうか? 


 言葉を分けて簡単に言うと『律=刑法』で、『令=行政方、商法、民法』の事です。

 

 つまり、律令制度というのは『法律を作るから守ってね。悪い事をしたら罰するよ』という、法律によって国を運営する制度です。


 なので、人前でち○ち○を出したら警察に捕まる、今の日本と同じですw

 

 法律違反をしたら罰せられるのは、現代社会では当たり前ですが、飛鳥時代はまだ、国を運営するシステムが完成していなかったのです。


 この律令制度を取り入れて、天皇を中心とする国を目指そうとするのですが、邪魔をする勢力もいました。

 

 それが蘇我一族です。


 厩戸王と推古天皇も蘇我氏の血を引いています。

 つまり、飛鳥時代の日本を裏から牛耳っていたのは、実は蘇我一族だったんだよねぇ! 信じるか信じないかは貴方しだい!


 と、某都市伝説をパロってみたんですが、実際当時の蘇我一族というのは崇仏論争以来、ずっと政権のトップに立っていました。

 優秀な厩戸王がいた頃はよかったんですが、厩戸王の死後は蘇我氏の独裁状態となります。


 蘇我一族は独裁政治を維持するために、国内に律令制度を持ち込むことを拒んだのです。


 さて蘇我馬子の息子である、蘇我蝦夷そがのえみしと、さらにその息子の蘇我入鹿そがのいるかは朝廷内でやりたい放題していました。

 

 そんな中、厩戸王の子供、山背大兄王やましろのおおえのおうが天皇最有力候補となります。

 

 しかし、天皇の権威を利用したい蝦夷&入鹿の親子は、馬子の娘の子供を天皇にしようと企んでいました。そして……


入鹿「山背大兄王、お前、クーデター起こそうとしてるだろ! 厩戸王の息子なのに、許さん!」


山背大兄王「ぼ、ぼく、そんな事考えてないよ!」


入鹿「黙れ! 飛鳥文化アタック!」


山背大兄王「ぎゃあああああ!」


 このように入鹿は無実の罪を着せ、それを言いがかりにして山背大兄王を襲撃しました。

 

 こうして厩戸王の一族は蘇我氏によって滅ぼされます。



乙巳いっしの変】

???「ぐぬぬ! 蘇我氏め! 許せん!」

 

 蘇我氏の独裁状態が続く中、一人の中流豪族が立ち上がりました。


鎌足「私の名前は中臣鎌足なかとみのかまたり中大兄皇子なかのおおえのおうじ! 唐のような律令国家にするには、蘇我氏を滅ぼす必要があります!」


中大兄皇子「そうだな! 一緒に蘇我氏を倒そう!」

 

 ここで出てくるのが中臣鎌足と中大兄皇子です。こうして2人は蘇我氏暗殺計画を行うのです。


 そして645年、鎌足は三韓入貢の儀を行うからという事で、入鹿を御殿におびき寄せます。

 これがどういう事かというと……


鎌足「入鹿くーん、朝鮮の方からプレゼント持ってくる使者が来るから、式典を開くんだけど、参加してくれる?」

 

 こんな感じです。勿論、入鹿を誘い出す嘘でした。 


入鹿「はいはい、式典ね。わかったよ」


 こうしてまんまと、御殿にやって来た入鹿ですが……


入鹿「あれー、いつもと雰囲気が違うなぁ」


 ピリピリとした空気は感じ取っていました。そして……


中大兄皇子「かかったな! アホが!」


入鹿「ぎゃああああああ!」


 潜んでいた中大兄皇子に剣で斬られて死亡。次の日、中大兄皇子率いる軍に追い詰められた蝦夷も自害してしまいます。


 飛鳥時代の朝廷を牛耳っていた蘇我一族は終焉を迎えるのです。この出来事を『乙巳いっしの変』と言います。

 

 乙巳の変の後、中大兄皇子は皇太子となり、鎌足は中流豪族から天皇の補佐官へと大出世し、『藤原』という姓をもらいました。


 この後、朝廷は『改新のみことのり』というのを発表します。


「改新の詔ってなに? 難しくてよくわからない(>_<)」と思わなくても大丈夫。


 早い話が「今までこういう風だったけど、これからは新しいやり方でやります」という、方針を発表する事です。

 

 さて、皆さんは『中大兄皇子と中臣鎌足が、蘇我氏を倒して大化の改新をした』という感じで、学校の授業でやたらと覚えさせられたのではないのでしょうか?

 

 なぜなら『大化の改新』は、日本にとってとても重要な出来事だったからです。


 勿論、蘇我氏から政権を奪い返して、この後色々な法律が出来ますが、重要なのはここじゃありません。


『大化の改新によって、“大化”という初の元号が出来るのです!』

 つまり最新の“令和”に対して、最古の“大化”が決まったのが、この時なのです。



公地公民こうちこみん班田収授法はんでんしゅうじゅのほう

 大化の改新によって出来たのが『公地公民』、『班田収授法』という土地に関する法律です。

 これらも学校の授業で習ったと思いますが、なんだか漢字がいっぱいあって難しそうですよね(´Д`|||) 

 

 けど大丈夫! わかりやすく、某カードゲームのように説明します!


「俺のターン! 魔法カード発動! 『公地公民』!!!」


「なにッ!?」


「このカードの効果により、私有地は全て朝廷のものとなる!」


「くっそ、こうなったら、俺のター……」


「なに勘違いしてるんだ!?」


「ひょ?」


「まだ俺のバトルフェイズは終了していないぜ! リバースカードオープン! 『班田収授法はんでんしゅうじゅのほう』を発動! このカードの効果によって6歳以上の者は口分田くぶんでん(土地)を所有し、税金を払わなければならない!」


「ぎゃああああああ!」 


 はい、茶番はここまでにして、要するに……


・「土地は朝廷のものだよ」=『公地公民』


・「田んぼ貸すから税金はらいなさい」=『班田収授法』という法律です。


 これが上手くいけば、朝廷の財政は潤うのです……そうはいかない! けっこう税金が重たくて、土地を捨てて逃亡する者が続出しました。


 かえって財政が悪化したので、朝廷は「これはマズイ! なんとかしないと!」と思って出来た法律が『三世一身さんぜいっしんの法』です。


 これはどんな法律かと言うと……


朝廷「新しく田んぼ作った人には孫の代までなら、土地の私有地にしてもいいよ。勿論、その間は税金は払わなくていいよ」


 要するに期間限定無料キャンペーンですw

 この無料キャンペーンは大ヒットしました。たくさんの人が競って土地を開拓していきました。

 

 お祖父ちゃんは土地を開拓してから、頑張って田んぼや畑を耕します。

 お父さんの代も頑張って田んぼや畑を耕します……では、孫の代になったらどうなるのでしょうか。


朝廷「お宅の土地、そろそろ三世一身の法(無料キャンペーン)が終わるから、今度から税金払ってください」


孫「ええ……(´Д`|||) 」


 当然ですが無料キャンペーンが終わると、土地を放棄して逃げる人が多くなります。


 結局、朝廷が土地を貸し出し、税金を徴収するという方法は上手くいかないので、出した法律が『墾田永年私財法こんでんえいねんしざいほう』です。


 これは土地の私有地化を認めるものでした。

 

 しかも墾田永年私財法が後の日本に大きな影響を与える事になります。


 そうは言っても、この法律が制定されるのは、時間が経過した奈良時代になります。

 

 また後々お話しますが、飛鳥時代では関係ないので頭の隅にでも置いておいてください。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る