第125話 嵐の谷

 クレンツ王国魔法兵団のトップ。

 その人物の名はディアーヌ団長。

年齢不詳の女性だった。


 年齢不詳――というのは、少し誤りがあるかもしれない。実年齢は不明で、外見年齢を自在に変えることができると言った方が正しいか。ちなみに、今は十歳前後の少女の姿をしているが、世界でも屈指の魔法使いとして名を馳せているという。

 

 そんなディアーヌさんから、改めてハリケーン・ガーリックの件について依頼される。


「今年の新兵たちには風魔法属性が多くてね。しかも、それを見計らったかのように、今年はハリケーン・ガーリックの質が例年以上に良いという情報を得たんですよ」

「それで俺たちに……」

「えぇ。お願いできますか?」

「任せてください!」


 ハリケーン・ガーリックの入手方法はかなり難しいと聞く。

 だが、ひとつでも入手できれば、竜樹の剣の力でダンジョンでも育てることができるはずだ。


 ――問題は、そのたったひとつを入手すること。

 これだけだ。


 それを叶えることができたら、騎士団だけでなく魔法兵団とも強いつながりを作ることができる。これは大きいぞ。


「現在、国内でハリケーン・ガーリックが確認されているのは最東端にある《嵐の谷》と呼ばれる場所のみ」

「嵐の谷……」


 これもまた、【ファンタジー・ファーム・ストーリー】の中に同じ地名が存在しているし、ゲーム内でも、そこでしか入手できない野菜とされている。


 ただ、俺の記憶が確かなら、あの場所は――これはじっくり作戦を練っていく必要がありそうだ。



 ディアーヌ騎士団長から正式に依頼を受け取った俺たちは、嵐の谷へ向けた出発準備を進めることにした。


「嵐の谷……名前からして、暴風が吹き荒れる場所かしらね」


 ツリーハウスで準備中、キアラがおもむろにそんなことを言う。


「私も同じことを考えていました」

「そ、そんなところに行って大丈夫なんでしょうか……」

「いや、あなたたちは霧の魔女とかその配下が送り込んだ巨大モンスターを蹴散らしたそうじゃない。それなら問題ないのでは?」


 シャーロットがそう思うのも無理はない。

 けど、


「……そう簡単な話ではないと思うよ」

「なんじゃ、ベイルは嵐の谷を知っておるのか?」

「まあね」

 

 あの谷は攻略にだいぶ手間取ったからな。

 それを自分自身が、ゲームではなく実際に体験することとなるなんて……まあ、今までもそうだったけど。


 って、今はそれよりも、みんなに嵐の谷の情報を教えて共有しておかないと。


「基本的には、さっきキアラの言ってくれたみたいに常時暴風が吹き荒れている場所だ」

「それ以外に何かあるっていうこと?」

「問題は……この谷に巣食うモンスターだ」

「「「「「モンスター?」」」」」


 顔を見合わせる女性陣。

 ――そう。

 嵐の谷を攻略するうえでもっとも厄介なのは、あの場所に巣を作っているモンスターだ。

 もちろん、警戒しているのは相手がただのモンスターだからではない。

 

 うちにも優秀な剣士や魔法使いがいるけど……しっかり対策を講じなければ、全滅だってあり得る。恐らく、これまでの実績から、ディアーヌさんは俺たちに依頼をしてきたのだろう。

 

 気合を入れて挑まないとな。




…………………………………………………………………………………………………



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 よろしくお願いします!!<(_ _)>



 さらに!


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https://kakuyomu.jp/works/16816927860376109239


 今回の新作はタイトルにある通り!

 スローライフ×ハーレム×村づくりにプラスしてちょっとした「ざまぁ要素」もあります。

 以上の要素がお好きな方はぜひ読んでみてください!

 そうでもないという人もこの機会にぜひ!



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