第1巻発売直前記念SS「サプライズ・パーティー」

「というわけで、サプライズ・パーティーをしましょう!」

「「「えっ?」」」


 ある日のツリーハウス。

 ライマル商会へ出かけていてベイルが留守の間、マルティナは他の三人にサプライズ・パーティーを提案する。


「ず、随分突然ね」

「何かに影響されたかのぅ」

「もしかしたら、昨日買ってきた本かもしれません」


いきなりの提案に困惑する三人。

とりあえず、その内容を聞いてみることに。


「いつもお世話になっているベイルさんに感謝のパーティーを開こうと思うんです」

「いいわね。あたしも協力するわ」

「ワシも手伝おう」

「私もやります!」


 満場一致でパーティーの開催が決定。

 それから、ベイルが帰ってくる夕方までに料理や会場の準備に取りかかる。

 料理担当はもちろんマルティナが担当。その助手にはシモーネがついた。一方、キアラとハノンは室内の飾りつけに挑む。


「――とは言うものの、飾りつけって、具体的にどうやればいいの?」

「ワシが知るわけなかろう」

「そうよねぇ……」


 この手の舞台はいつも準備し終わっている会場に足を運ぶタイプのキアラと、生後間もないハノンではどこから手をつけていいのか分からなかった。

 とりあえず、キアラが記憶を頼りに自分がかつて参加した学園主催のパーティー会場を思い出しながらいろいろ設置していく。

 

 四人がそれぞれに作業を分担し、慌ただしく進めていくと――あっという間に時間が経過し、気がつくと地底湖を照らす陽の光はオレンジ色に変わっていた。


「あっ! そろそろベイルが帰ってくるわよ!」

「えっ!? もうですか!?」

「料理は完成しました!」

「こっちも準備は完了じゃ」


 ちょうど全員の準備が整ったところで、


「ただいま~」


 ベイルがドリーセンの町から戻ってきた。

 四人は打ち合わせ通り、



「「「「おかえりなさい」」」」



 声を合わせて、ベイルを迎えた。

 

「えっ? ど、どうしたの?」

「ふふーん、聞いて驚きなさい」

「私たちからベイル殿へ、日頃の感謝の気持ちを伝えようとパーティーを開きました」

「いつも本当にありがとうございます!」

「ワシからの感謝の言葉を贈ろう。あっ、ちなみにそこの飾りつけはワシが担当したんじゃ」


 四人は本日の主役であるベイルを腕を引きながら、パーティー会場へと案内するのだった。






…………………………………………………………………………………………………


【CM】


 本日夜には限定近況にてSSの続きである「サプライズ・パーティー(延長戦)」を投稿予定!



 そして――いよいよ来週の3月7日(月)に本作「ダンジョン・ファーム」の書籍第1巻がSQEXノベルから発売となります!


 WEB版とは違った展開に、オリジナルエピソードもあります!

 店舗特典や公式サイトでの特別SSの公開、そしてこのカクヨムでも発売直前SSを前日の6日に投稿予定です!


 よろしくお願いします!!<(_ _)>

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