二日目

見えない

 昨日は謎に始まり謎に終わった。昨日は結局あれ以降一もくらげを目で見る事は叶わなかった。堤防から帰った後もう姿見えなかったが、いや、姿を見れなかったからか寝るまで一分たりともそのくらげは僕から離れなかった。


 そして今日。朝起きるとまずカーテンと窓を開けて昨日の堤防を見つめるが、やはりそこには灰色のコンクリートと青い海があるだけ。あの青白い光なんてものは見当たらなかった。

「海ー、碧ー、朝ごはーん」と、父に呼ばれ下へ降りると自分は母への「おはよう」を済ませて食卓の席に着いた。すると、「おはよー」と眠そうにあくびをしながらこの早い時間には珍しくも海が出てくる。

「珍しく早いね」

「私も偶には早起きするの」

――


 朝食をとった後部屋でだらだらとしているとやはり頭の中にくらげが浮かぶ。なんとなくはわかっていたがあの堤防に行っても何もなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る