青い海月を追いかける

一日目

白くて青い

 僕はあの日くらげを見た。

 

 あの日の気温は30℃を超え、気持ちが悪いと云う程にじめじめとしている生温い空気、五月蠅い程に鳴く蝉、何よりその暑さに嫌気がさし、涼みを求めて二階にある自室の窓を開け、窓枠に座って外に見える海を眺めながらそこにある風鈴を弄って音を鳴らす。窓から吹き込んでくる海風が心地良い。

 上を見上げれば青い空が広がり、眼下を見渡せば広く、そして深く青く、見える限りのあそこまで、いやもっと、もっと先までその青が広がっている。


 しかし僕は、それとは違う小さくて白くて美しい青い光に目を惹かれた。それはまるで、美しい海月くらげのようだった。

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