第36話

支点、力点、作用点。

力点はどこだ。

もう一つの箱が気になる。


…草薙の剣。

ここか。


実際には動いていないが、まさにワナワナと、ガタガタと、外に出ようとエネルギーが隆々(リュウリュウ)としている。

それなのに、使命(呪い)によって鎮められて出られずにいる。

さぞかし苦しいだろう、痛いほどわかる。

私はすぐに諦めそうになるが、この魂は違う。


出たいエネルギーに混(マ)じって、私を求めるエネルギーがある。

これは…愛しの雄(ユウ)、

建速須佐之男命

(タケハヤスサノオノミコト)だ。

弟?ありえない。

私達は幾度となく引き裂かれた。

まるで正当な理由で離れたかのように。


別々に使えば、大きな有用なエネルギー。

だが自然に交われば大きすぎて、誰かが扱うことは叶わず、画策には使えない。


私達は引き裂かれただけでなく、本能からの回路も断たれ、力点と作用点としての使い方をされた事で、自分自身の事に対して、実に不器用になってしまった。


魂は、本能が求めたら、それを自らが叶えてあげる為に、工夫し、行動や思考を駆使して成就へ導く強さや叡智(エイチ)を備えている。

…それが出来なくなってしまっている。

相当意識しての練習が必要だ。


本当に、随分といいように私物化してくれたものだ。

誰の私物化か?

複数だ。

組織…天津神(アマツカミ)なのか?


国造りの後半、地は国津神(クニツカミ)、天は天津神(アマツカミ)で、日本(ヒノモト)を担当しようと決めたのだが、ある夜、天津神が「自分達だけで出来るよね。」と、国津神達を一網打尽に夜討ちした過去がある。

その時から全て始まっていたのか。

ということは、シュメール人か。


シュメール→スメル→天皇(スメラミコト)…メソポタミア?


んーショートしそうだ。

脳組織が熱を持つ。

追跡は、ゆっくり慌てず、じっくり進めるとしよう。

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