第32話
九州には、飛騨に大和国が制定されるより うんと前から、王国がたくさんあった。
皆それぞれに独立していたが、いがみ合う事は無く、時に協力し合い、時に商売をしたりと、自国に誇りを持ちながらも 互いに尊重し、友好的に交流し、まさに縄文気質。
自立した営みで国を育んでいた。
王も農民も商売人も女たちも、上下を強いて無くても秩序があり、それぞれの専門家として 工夫し、生き生きと運営していた。
私はなぜかこれを知っており、これがあるべき自然の姿と、大和国の指針のある種のお手本として 念頭に置いておいた感がある。
事もあろうか大和国は、これら自立した王国を束ね、上に君臨する形をとったのだ。
もちろん最初から有無をも言わさず遂行する事はせず、忠や人の好さにつけこんだ友好関係から入っていき、後半かなり強行的に支配していった。
三代目の没後も強行支配に拍車がかかり、大義名分ぶち上げた形での強制支配。
従わぬ国や王は、忌まわしき者として 呪術をもってして成敗。全壊。
海の向こうの荒くれ隊と取り引きをし、無惨を無惨とも思わぬ輩(ヤカラ)による殺戮(サツリク)。
空白の四世紀と言われる頃だ。
国の記録に残せる内容ではないから、空白にしたと考察する。
私はもう怒り狂い、無い腸(ハラワタ)が煮えくり返った。
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