第27話
二代目は引きこもり、インプットとアウトプットを最小限とするべく遮断し、毎日ただただ送っている。
何て怠け者な奴だ!…ではなく、身を守る術を無意識にしているのだ。
そもそもエネルギー量が少なすぎるのだ。
座違い。
無能とか良し悪しではなく、物理的な意味で、器が小さいのだ。
飾りとはいえ一国の頂点。
「女王」という重い冠まで乗せられて、かなりの重圧。
たくさんのエネルギーが必要なのに。
元々エネルギーが少ない上に、鳥がついばむ様な食事。
…私は残さなかったぞといつもこの人には憤る。
膳に並ぶまでの皆の手間隙を考えないのだから、頭も軽い。
運動もしないから生み出すエネルギーも無い。
そこに加えて欲の渦だ。
ペラペラの千代紙が暴風雨に揉みくちゃにされないように、じっと否定し拒絶し、引きこもるしかないのだ。
「負けん気」や「意地」など、エネルギーの代用品はある。
でも目指す明日が見当たらない場合、それが発動する事は無い。
生きているとは…
心臓が動いていれば生きているというものではない。
喜怒哀楽。
一ヶ所にとどまることなく、もがき、時にのぼせてその気になり、突っ走ったり、振り返ったり…それが生命の躍動だ。
それが生きていると言うことだ。
事情で身体が動かなくとも、想いを馳せ、夢を見、試し、心に汗かきべそかき躍動出来る。
彼女は生きてる事ごと拒絶しているのだ。
欲の使命に甘んじ、挑戦を拒んでいる。
お札(フダ)、像…それらと変わらない。
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