第26話

とにかく、とにかく。

二代目は人前に出ない。

当然、曹操の元へ出向くなどあり得ないと侍女と騒ぐ。

だが大和本部は、名代(ミョウダイ)を立てるので御心配なくと、何とあっさり。


女王の名代とは、一体どんな奴かと、好奇心で感覚を伸ばし探ると、まさかの崇神。


崇神は私の最期の後、天誅(テンチュウ)刺殺されたはず…。


得意の寄せ集めかと、呆れて顔を見に行くと…こいつは他の欲臣とは違う、キレ者だ。


面相はやはり大和のものではない。

妖狐(アヤカシギツネ)のような、背筋の凍る鋭さ、冷酷さ。

見繕(ミツクロ)ったんじゃない。

舵(カジ)の半分以上、こいつに渡してしまってるんだな。

確証は無いが、曹操や蘇我の方からの設置かも知れない。

あまりにも本人から妖気が立ち上るので読みきれない。

でも、うまく辻褄合わせをしているが違和感がある。


それにしても曹操は、こんなにも貪欲で…ならば全て血縁で固めればいいのに、と思う。

どこもかしこも息のかかった他人ばかり。

子もたくさんいると記されているが、みな他人。


あぁ、種無しか。


じゃあ固められないや。

そしてまたそれがジレンマを生んで復讐心を募らせる。


ソロモンしかり、秀吉しかり。

復讐を根幹に持つ、暴欲の野心家によくある傾向だ。

近年の男性不妊はまた全然原因が違うが、乱世では時々聞く話だ。

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