第22話

ちなみに崇神。

狂い走りながら行き着いた、今で言う上宝町 岩井戸にて、岩山をガシンガシンと太刀で叩き切り、ゴロンゴロンと崩れ出た岩を、わぁわぁ叫びながら次々と投げているところを捕らえられ、その場で刺殺されている。

墓ではなく、浅く埋められ葬り去られた。


…そこは今、夫婦岩として天然記念物となっている。


そして私が最期を遂げた社殿跡は、飛弾七観音の一つである岩井戸観音となっている。


それぞれに、今に伝わる史実とは違っているが、「類は友を呼ぶの法則」かなと捉えている。

類友は実に科学的で、対人関係だけでなく、情報や場所、案件や条件なども相応しいものが自然と引き合う。

類友は小細工ではなく自然の法則だ。


岩井戸=ウバイド=目の上のたんこぶとしての抹殺対象。


プロジェクト本部には邪魔だった二人。

欲の膨張は繁栄しないが、一途な欲求にかなう強さはそうない。

邪魔だ邪魔だと膨れ上がった欲求が、二人の抹殺の流れを作った。

が、どこかズルい事も後ろめたい事も自覚している部分がある為、とたんに祟(タタ)りが怖くなる。

そこで祀(マツ)る形になる。

もちろん鎮魂してだ。

鎮めとは静めではなく呪術による、がんじがらめの縛りだ。

もう出て来てくれるなと。

あいにく私は破り出てきたが。


皆が逃げてくれ安心し、いつしか力みも取れ…眠った。

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