第9話

生まれてからずっと私にはSPがついていた。

曽木(ソキ)。

剣術に長け教養もあり、それをひけらかさない品。

迅速でそつの無い執事ぶり。

私は曽木やその部下達に護られ、管理され、安心して役目を果たした。


曽木はあの、ちぬ達を引率した要人の息子だと、とても後でわかった。


神事は毎日あるものではないし、案外自由時間もあったが、術時や読み書き以外あまり知らない私を、曽木は部下を伴い連れ出してくれた。


大和には、天体などの研究チームもあり、そこに連れて行ってもらうのはとても嬉しかった。

神事で生じる天体の不思議を、科学的に解いて聞かせてもらうのが楽しみで、今日の予定が無い時は、曽木にねだったものだ。


まじないに明け暮れ命を注ぐ自分に、科学は輝いていた。

胸がすくようで夢中になった。

カミオカンデでの偉大なる発見に心踊ったのもその影響かなと、妙に胸が温まる。

場所もちょうどあの辺りだ。

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