第6話

密命の重さに応える忠が一割、選ばれし者としての満たされた特別感が九割。

あの嫉妬心でうつむき、奥歯を噛み締めていたしろでさえも、みな一丸となって、静かに誇らしくプロジェクトを遂行した。


ちぬのお腹が目立つようになるにつれ、皇宮殿の運営執行部も慌ただしくなってきた。

新しい社殿や皇宮殿も建て始められた。


神王の子は祈祷を受け神王となった。

神と大国と通じ、認められた子を旗印とし、国の運営を磐石なものにするプロジェクト。

むず痒くなるような不自然な辻褄合わせに必死になってる貧汚な上階級者達。

おぞましい世界だ。


抵抗する私と反比例するように鳴り響く祈祷と鳴り物。

私の中でぐわんぐわん渦となり、意識が遠く薄くなり、暗がりに吸い込まれ寒く力がなくなり…眠った。

嫌悪の涙がつたう。


この感じ、まただ。


祈祷と鳴り物で自由自在に私は操られてる。

勝手に地上に降り立たせたり、名を幾つも都合よくあてがわれ、天空に行かされたり、洞窟やほこらに封じられたり、また出されたり。

嫌だけで抗えないのが運命(呪い)というものだ。


そして物理的な窮屈に変わり、明るく開けた。


産まれて泣いてる。

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